補助金効果で爆売れ 納車が長期化する「ホンダ・スーパーONE」に代わるおススメのBEVは?
2026.08.06 デイリーコラム実質200万円台で買える「ホンダ・スーパーONE」
2026年5月の発売直後から大人気の電気自動車(BEV)「ホンダ・スーパーONE」。国からの130万円という多額の補助金+各自治体の補助金が交付されることで、ベース車である軽規格のBEV「N-ONE e:」よりも実質価格が安くなるという逆転現象も発生している。車両本体価格は339万0200円ながら、実質200万円台で買える"激安ホットBEV”として今、大いに注目を集めている。
ただし注文が集中したため、スーパーONEの納期は1年以上先になるという話もあり、タイミング次第では補助金の適用を受けられなくなる懸念もなくはない。
ならば、おおむね同程度の予算で乗れる「ホンダe」の中古車という選択肢はどうだろうか? スーパーONEとホンダeではボディーサイズも個性も若干異なるが、「走りとデザインが素敵なホンダの小さなBEV」という本筋の部分においては違いがなく、十分検討に値するのではないか。
ここでは両モデルの特徴と予算面の解説、そして購入に関するアドバイスを、下町の中古車評論家を自称する不肖筆者から行わせていただこう。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
都市型コミューターとして割り切れば……
ホンダが2026年5月に発売した新型コンパクトBEV、スーパーONEは、軽BEV、N-ONE e:をベースに軽自動車規格の枠をはみ出したモデルである。
1090kgという小型BEVクラス最軽量の車重を生かした軽快でスポーティーな走りが特徴で、そのパフォーマンスを十二分に引き出すドライブモード「BOOST」も用意されている。
もちろん、最大130万円のCEV補助金対象であるという抜群のコスパにおいても、大きな注目を集めている。
一方のホンダeは、2020年から2024年まで生産されたホンダ初の量産フル電動コンパクトカー。あえて都市型コミューターに特化したパッケージが特徴で、どこか「初代シビック」の雰囲気も感じさせるレトロモダンなデザインと、リアモーター・リアドライブゆえの小回り性能(最小回転半径4.3m!)と痛快な走行フィールもセリングポイントだ。
そして世界初の「5連スクリーン」やサイドカメラミラーシステムを標準装備し、未来的な移動空間を演出。都市型コミューターとして割り切った短めの一充電走行距離(WLTCモードで259〜283km)に関しては賛否両論あったが、その強烈な個性は、今なお十分に魅力的だ。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
ナイスなBEVに今すぐ乗れる!
スーパーONEについては「購入に関するアドバイス」というモノは特になく、作業的には「近隣のホンダ販売店へ行く→お好きなボディーカラーを選んで注文する」というだけのことである。
ただしスーパーONEの直近の納期はおおむね1年ほどであるようなので、2027年7月ごろのCEV補助金がいくらに設定されていて、そもそも納車時点(登録時点)で2027年度CEV補助金の“枠”が余っているのかどうかも、決して定かではない。スーパーONEを購入するのであれば、納期と補助金についてだけは今一度、冷静にチェックしてみる必要があるだろう。
一方のホンダeは2026年8月上旬現在、車両価格185万~390万円ほどのゾーンで中古車が流通しているが、問題は「流通量が少ない」ということだ。同時点で大手中古車情報サイトに掲載されているホンダeの物件数はわずか28台。そのため「自宅から近い中古車販売店で、現車の状態を十分にチェックしながら検討する」という作業は、なぜかホンダeの物件数が多い埼玉県にお住まいの方以外は、やや難しい。
とはいえ「己のプライベートな時間を投入し、遠くの販売店まで現車を見に行く」という行動も決して不可能ではない。その場合は、上級グレードである「アドバンス」を総額240万円前後の予算感で検討するというのが最適解となるだろう。
アドバンスの一充電走行距離(WLTCモード)はベースグレードより24km短い259kmだが、はっきり言って誤差の範囲というか、「どっちも短いのは同じ!」というのが正直なところ。であるならば、高出力モーター搭載ゆえの鋭い走りが堪能できると同時に、マルチビューカメラシステムやセンターカメラミラーシステム、プレミアムサウンドシステムが標準装備のアドバンスを選ぶほうがオトクというものである。そして今となっては、ベースグレードとアドバンスの価格差は新車時ほどではない。
総額230万円前後の予算を用意すれば、走行数千kmから2万km程度の2020~2022年式アドバンスは余裕で見つかる(繰り返すが、全国に少数ずつ散らばってしまっているのが難点だ)。このぐらいの年式&走行距離であればバッテリーの深刻な劣化が発生している可能性は低いため、サイドカメラミラーのレンズの傷や曇り、5連スクリーンのドット抜けがないか、インフォテインメント系が正常に機能するかをチェックし、そして内外装に大きな問題がなく車内に異臭がこびりついているような物件でさえなければ、前向きに購入を検討できるはずだ。
補助金が適用された場合のスーパーONEよりは若干高額となるが、もしも「オシャレなコンパクトBEVに今すぐ乗れる!」という部分に価値を置くのであれば、それこそナイスな選択肢であろう。
(文=玉川ニコ/写真=本田技研工業/編集=櫻井健一)
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |

玉川 ニコ
自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。
-
ポルシェの「ミッションS」にはどんなエンジンが積まれるのかNEW 2026.11.4 「ポルシェ・ミッションS」はリアミドシップレイアウトの次世代スポーツカーだ。興味深いのは“「911」より上”とされる商品のポジションで、911といえば水平対向6気筒、ミッションSにはどんなパワートレインが積まれるのか。状況証拠をもとに検証した。
-
いま軽自動車を選ぶなら、エンジン車とEVのどちらが得か? リアルな数値でコスパを比較・検証する 2026.11.2 海外ブランドまで参入するなど、近年活況をみせる軽EV。従来型の軽自動車と比べた場合の、コスト面の良しあしは? ホンダの2車種を例にとり、そのコストパフォーマンスを考えよう。
-
「BYDラッコ」がアジアにはばたく!? ニッポンの軽自動車規格が海外勢に奪われる日 2026.10.30 中国のBYDが、軽BEVの「ラッコ」を日本以外でも販売すると発表! 日本独自のスモールカー規格は、はたして海外でも受け入れられるのか? 本家・日本のメーカーが、海外展開に及び腰だった理由とは? BYDが食指を動かす、軽自動車の秘めた可能性を探る。
-
メルセデスのトップからのまさかの転身 BMW日本法人の上野金太郎社長にインタビュー 2026.10.29 メルセデス・ベンツ日本からビー・エム・ダブリューのトップへ。いわば巨人の四番から阪神の四番のような異例の転身を遂げた上野金太郎社長。両ブランドの文化や製品の違い、今後の販売戦略などについて話を聞いた。
-
「ミッションS」だけではない? 2035年に向けたポルシェの新戦略を探る 2026.10.28 ポルシェは2026年10月7日、新中期戦略「Sportwagenschmiede'35」を発表した。新型パワーユニット搭載の「ミッションS」をはじめとするニューモデルで、経営状態の立て直しを目指す。その注目すべき内容を詳しく解説する。
-
NEW
第348回:これでスーパーカーは完全に終わった!
2026.11.3カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。イーロン・マスクが宇宙ロケット技術をクルマに応用し空飛ぶクルマ「テスラ・ロードスター」を発表した。スラスターで姿勢を制御しつつ“飛行”する様子には度肝を抜かれ、「これでスーパーカーは完全に終わった」と思った。 -
NEW
多田さんが「わかってるね!」と感じるクルマの特徴は?
2026.11.3あの多田哲哉のクルマQ&Aトヨタでさまざまなクルマを開発してきた多田哲哉さんが、新型車に試乗して「このクルマの開発者はよくわかっているなぁ」と感じるのはどんな時か? “出来の違い”が出るポイントについて聞いてみた。 -
NEW
BYD ATTO 3 EX AWD(4WD)【試乗記】
2026.11.3試乗記BYDの「ATTO 3」がビッグマイナーチェンジで「ATTO 3 EX」に進化。EXは「EXTEND」「EXPLORE」「EXPERIENCE」を示すとのことだが、それはともかく、前輪駆動から後輪駆動に変わり、パワーも大幅にアップするなど、電気自動車(BEV)としての基本構造がまるで別物になっている。新たに追加された4WDモデルを試す。 -
いま軽自動車を選ぶなら、エンジン車とEVのどちらが得か? リアルな数値でコスパを比較・検証する
2026.11.2デイリーコラム海外ブランドまで参入するなど、近年活況をみせる軽EV。従来型の軽自動車と比べた場合の、コスト面の良しあしは? ホンダの2車種を例にとり、そのコストパフォーマンスを考えよう。 -
トヨタ・アクアGRスポーツ(FF/CVT)【試乗記】
2026.11.2試乗記「アクア」のビッグマイナーチェンジに遅れること10カ月。“最新のトヨタ顔”に変身したスポーツコンバージョンモデル「アクアGRスポーツ」が登場した。専用チューニングが施されたボディーや足まわりの仕上がりを、ワインディングロードに連れ出して確かめた。 -
思わずなでたくなってくる 丸いデザインのクルマ特集
2026.11.1日刊!名車列伝最近のクルマのデザインは、シャープなラインが特徴だったり、造形そのものが複雑だったり……。今月は、つるりと丸い、シンプルなエクステリアが印象的な世界の名車を日替わりで紹介します。








































