BYD ATTO 3 EX AWD(4WD)

BYDは止まらない 2026.11.03 試乗記 渡辺 敏史 BYDの「ATTO 3」がビッグマイナーチェンジで「ATTO 3 EX」に進化。EXは「EXTEND」「EXPLORE」「EXPERIENCE」を示すとのことだが、それはともかく、前輪駆動から後輪駆動に変わり、パワーも大幅にアップするなど、電気自動車(BEV)としての基本構造がまるで別物になっている。新たに追加された4WDモデルを試す。
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国産車の優位点

日本では「ラッコ」の話題で盛り上がるBYDだが、そのラインナップにおいて、世界的な主軸に位置づけられるのはATTO 3だ。車格的にはCセグメント級SUVのこのモデルは、欧州やアジアパシフック、アフリカでも販売されている。登場は2022年の秋だが、2023年早々には日本にも上陸を果たし、販売網をコツコツと構築してきた。

その、上陸ホヤホヤの豪州仕様に日本で乗った際(参照)にまず驚かされたのが静的な質感だ。随所に意匠的なアイデアをためらいなく盛り込んだ内装のつくり込みは、それまでモーターショーのような機会でしか見ることのできなかった中国車とはまるでレベルが違う、そして同級の日本車をも脅かすものだった。

対して、動的質感は及第とはいえ、クルマづくりのキャリアの差を感じるところが端々にあったのも確かだ。例えばブレーキの踏力と制動力との相関関係や、バネ下の追従性などの荒さはATTO 3だけでなく、「シール」や「シーライオン7」といったプラットフォーム的に上位のモデルでも気になるところで、やっぱりダイナミクスには関わるテストドライバーの経験値やエンジニアのチューニング力が表れる、既存のメーカーの優位点になり得るか……とちょっとホッとした覚えがある。

と、そんなこんなでATTO 3、2026年の春にはビッグマイナーチェンジが施され、日本名はATTO 3 EXとなり、外観もリフレッシュされた。が、そのハイライトはむしろ中身にある。

日本で「BYD ATTO 3 EX」が発売されたのは2026年9月29日のこと。これまでの「ATTO 3」の性能を大幅に強化している。
日本で「BYD ATTO 3 EX」が発売されたのは2026年9月29日のこと。これまでの「ATTO 3」の性能を大幅に強化している。拡大
シャシーは車体の床面と駆動用バッテリーパックの上面を一体化したセルトゥボディー構造へと刷新。主駆動輪は前輪から後輪に変わっている。
シャシーは車体の床面と駆動用バッテリーパックの上面を一体化したセルトゥボディー構造へと刷新。主駆動輪は前輪から後輪に変わっている。拡大
フロントバンパーは下部のデザインが整理され、よりすっきりとした印象に。サイドにエアカーテンが設けられ、ちょっぴりスポーティーさも増した。
フロントバンパーは下部のデザインが整理され、よりすっきりとした印象に。サイドにエアカーテンが設けられ、ちょっぴりスポーティーさも増した。拡大
テールゲートスポイラーの中央には縦型のハイマウントストップランプを2つ並べてレイアウト。これもスポーティーさの強化に寄与している。
テールゲートスポイラーの中央には縦型のハイマウントストップランプを2つ並べてレイアウト。これもスポーティーさの強化に寄与している。拡大