新型「シトロエンC3」が日本上陸
2010.05.06 自動車ニュース新型「シトロエンC3」が日本上陸
プジョー・シトロエン・ジャポンは2010年5月6日、シトロエンのコンパクトカー「C3」の新型を発表。同日、販売を開始した。
■日本市場に復活!
「C3」は、「フォルクスワーゲン・ポロ」や「プジョー207」などをライバルとする、Bセグメントのコンパクトカー。2002年にデビューした初代は、ヨーロッパではシトロエンのベストセラーカーになり、ラウンディッシュなフォルムはとりわけ女性ユーザーに好まれた。日本では一時輸入がストップしていたが、新型登場とともに復活することになった。
プラットフォームは旧型の改良型で、2465mmのホイールベースはほぼ同じ。3955×1730×1530mmのサイズは105mm長く、60mm幅広くなったものの、全長についてはこのクラスのヨーロッパ車では短いほうであり、日本でも取り回しに困らない大きさといえる。車重は1190〜1210kgとなる。
■特徴的なフロントウィンドウ
初代C3の造形にも関わったシトロエンスタイルセンターのデザインディレクター、オレグ・ソン氏によると、スタイリングは「オリジナルフレーバーの維持」を重視したそうで、ノーズとルーフの丸みが印象的なフォルムは受け継ぎつつ、クロームデコレーションを用いて質感を高めている。前後に付くダブルシェブロンのエンブレムは、2009年に発表されたニューデザインになった。
そのうえでアイコニックなデザインキューを与えるために、ウインドスクリーンがBピラーまで伸びた「ゼニス(頂上)フロントウィンドウ」を採用した。かつてシトロエンはヘリコプターの研究開発を行っていたことがあり、その経験を生かしたものだという。ガラス長は1350mm、上下方向の視野角は108度に達し、同様に大きな窓を持つ「C4ピカソ」のように、内側には伸縮可能なサンバイザーを備え、上部250mmには熱や紫外線を和らげるスーパーティンテッド加工が施される。このウィンドウは本国ではオプション扱いだが、日本仕様には標準となる。
■インテリアはダイナミックでプレミアム
インテリアは、ソン氏の言葉を借りれば「(先代から)改善の余地あり」だったそうで、ダイナミックかつプレミアムな仕立てになった。「DS3」とほぼ共通のレイアウトを持つインパネは、フローティングタイプのメーターバイザーが特徴。グローブボックスや前席背もたれ形状を工夫した結果、足元の空間は前席で80mm、後席で30mm広がっている。シートの座り心地のよさもアピールポイントのひとつ。ラゲッジスペースは300リッターと、このクラスでは最大級になる。
■エンジンを一新
エンジンはヨーロッパではディーゼルも用意されるが、日本仕様は1.6リッター直列4気筒ガソリンのみとなり、これに4段ATが組み合わされる。このエンジンはPSAとBMWグループが共同開発した新世代ユニットで、旧型とは異なる。フロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームのサスペンションは、“シトロエンらしい”ドライブフィールを継承したという。
グレードはベーシックな「C3」と上級グレード「C3エクスクルーシブ」の2タイプで、価格は209.0万円と239.0万円。ベースモデルがマットシルバーのインパネにベージュとブラックが選べるファブリックシートを持つのに対し、エクスクルーシブはチタンシルバーのインパネとブラックのアルカンターラ/ファブリックシートで、エアコンはオートになり、ESPやバックソナーが標準装備になるなどの違いがある。ボディカラーは8色が用意される。
(文=森口将之)