■【会場リポート】スズキ、電気自動車のスタンバイOK
スズキブースには、近未来の電気自動車が目白押し。新型セダン「キザシ」や次期「アルト」も展示されている。
■プラグインハイブリッドも開発中
今回のスズキは規模縮小を逆手にとって、四輪と二輪をひとつのブースにまとめた。しかし、もっとも驚いたのは参考出品車のすべてがEV(=電気動力)であること。四輪(SX4)に二輪スクーター、そしてなんとセニアカーまで含めて「フルライン燃料電池車」をならべたのだ。
さらに今回イチオシの「スイフト・プラグインハイブリッド」も、動力源はあくまでリチウムイオンによるEV(フル充電で航続距離20km)であり、軽ベースの660ccエンジンは直接駆動には使われずにバッテリーを充電する発電機に徹する。
SX4とセニアカー(MIO)の燃料電池車はすでに路上試験もスタートしているが、本当の意味での実用化と普及が不透明なのはスズキにかぎったことではない。また、プラグインハイブリッドも「とりあえずカタチにしてみました」の感は否めないが、自前の既存技術やEV関連サプライヤーの技術をシンプルに組み合わせた印象で、こちらは意外なほど現実感が高いのが面白い。
■次期アルトが初公開
しかし、スズキの本当の主役は2台の市販ニューモデルだろう。そのひとつが新型アルトである。基本スタイルはすでにインドや欧州で発売済みの「Aスター/欧州アルト」に酷似するものの、日本の軽自動車枠におさまる専用ディメンションで、エクステリアパーツもほぼすべてが日本専用だという。今回は一応参考出品扱いだが、年内にはこのまま発売されるはずだ。
そしてもう1台が「キザシ」だ。スズキが同社初のDセグメント・フラッグシップセダンを開発中であることはすでに知られていたが、今回なんと事前情報なしで市販型が出展されたばかりでなく、プレスブリーフィングで中山隆志・代表取締役/専務取締役が「キザシを本日(10月21日)から日本発売します」と高らかに宣言した。
ホイールベース2700mmで全長4650mmというキザシはライバルより少し短い一方で、全幅は1820mmという堂々たる「ショート&ワイド」なディメンション。プラットフォームはもちろん2.4リッターエンジンも新開発。しかも、本革シートまで標準装備した300万円近い上級ワングレード(駆動方式のみFFと4WDを用意)という野心的な戦略で、スイフトと同様に「ニュルで磨いた走り」を前面に押し出す。
昨年来の経済危機、そして急激なエコ気運の高まりがなかったなら、今年のスズキブースは「キザシ祭り」となるはずだったのではないか。そんな気がする。
(文=佐野弘宗)
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