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第161回:86台の「トヨタ86」が箱根に集結したイベントにハチロクで参戦

2012.10.22 エディターから一言 工藤 考浩
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第161回:86台の「トヨタ86」が箱根に集結したイベントにハチロクで参戦

86台の「トヨタ86(ハチロク)」が箱根のTOYO TIRESターンパイクに集結した。
第161回:86台の「トヨタ86」が箱根に集結したイベントにハチロクで参戦

箱根のターンパイクを貸し切りにし、86台の「トヨタ86(ハチロク)」が集まるイベントがあるという。その名も“86S”
事前に配られたリリースを見ると、“86S”と書いて、「ハチロックス」と読むらしい。
ちょっと気恥ずかしく、そして懐かしくもある響きだ。
峠に同じクルマのオーナーが集まるという、このイベントに、ハチロクで参加してきた。

一日限りの愛車「トヨタ86 GT“リミテッド”」で参加。
一日限りの愛車「トヨタ86 GT“リミテッド”」で参加。 拡大
深夜の海老名サービスエリアで早くも参加者と遭遇。神戸から前日に東京入りして、これから箱根へと向かうとのこと。
深夜の海老名サービスエリアで早くも参加者と遭遇。神戸から前日に東京入りして、これから箱根へと向かうとのこと。 拡大
続々と集まるハチロク。
続々と集まるハチロク。 拡大

夜明け前のハチロク集会

“86S(ハチロックス)”は、「スポーツカルチャー推進活動」というキャッチフレーズでトヨタが展開している、さまざまな企画のうちのひとつ。2012年10月13日にTOYO TIRESターンパイク(神奈川県小田原市)で開催された。抽選で選ばれた86台のオーナーとは別に、メディア枠として体験参加できるということなので、黒い「86 GT“リミテッド”」のMT車を借り受け、箱根へと向かった。

イベントの集合時刻は午前3時。仕事として捉えると「えー」という時刻だが、こういったオーナーズイベントとしては、なかなかシブい、心得ている時間帯である。
だって、夜中に愛車を走らせて、夜明け前に集うなんて、それだけでちょっと特別な感じでワクワクしてしまうではないか。

イベントが開催された10月13日は土曜日。前日(金曜日)の仕事を終わらせ、ひと休みしてから出発。

初めて乗ったハチロクの印象は、「いとこのお兄ちゃんのクルマ」といった感じ。
小学生の頃、近所に住む10歳年上のいとこが真っ赤な「トヨタ・コロナ」の2ドアハードトップ(7代目のT14#型)に乗っていて、それがとてもカッコよかった。
具体的にどこかが似ているわけではないが、今や絶滅危惧種となった国産スポーツカーに流れる、共通の「血」みたいなものを感じるのかもしれない。

東名高速に乗り、途中の海老名サービスエリアで集合時間まで休憩しようと立ち寄ったら、駐車場には数台のハチロクが。
ひょっとしたら“ハチロックス”の参加者だろうか。
クルマから降りようとしたところ、私が駐車した目の前に神戸ナンバー(!)のハチロクが入ってきた。お話を伺ったところ、やっぱりイベントに向かう途中だとのこと。
また駐車場の向こう側では、ハチロクオーナー同士が、初対面なのだろう、お互いちょっと恥ずかしそうに立ち話をしている姿も見られる。
こんな風に、スタート前からちょっとした出会いがあるのも、オーナーズイベントの楽しみの一つだ。

夜明けとともにパレードが始まった。ずらり並んだハチロクが壮観。
夜明けとともにパレードが始まった。ずらり並んだハチロクが壮観。 拡大
トヨタ自動車の多田哲哉チーフエンジニア(写真左)とトヨタマーケティングジャパン 喜馬克治マーケティングディレクター(写真右)。
トヨタ自動車の多田哲哉チーフエンジニア(写真左)とトヨタマーケティングジャパン 喜馬克治マーケティングディレクター(写真右)。 拡大
レーシングドライバー大嶋和也(写真左)、影山正彦(写真右)の両氏。
レーシングドライバー大嶋和也(写真左)、影山正彦(写真右)の両氏。 拡大

集合場所の早川料金所に到着してしばらくすると、次々にハチロクがやって来た。

イベント最初のプログラムは、「DAWN DRIVE(ドーン ドライブ)」。夜明けのターンパイクを86台のハチロクが隊列を組んで、大観山までドライブするというものだ。

オーナーたちは、イベントのために設けられたミニFM局「FM HACHI-ROCKS」(周波数は86.0MHz!)の指示に従って、一斉にヘッドライトを点灯したり、先頭車から順番にブレーキを踏んでランプのウエーブを作ったりした後、スタート。
2列に並んだハチロクがゆっくりとパレードランを開始した。

このイベントは、2013年に公開予定のハチロク用CMの撮影も兼ねているので、そのカメラカーの後に続いて、われわれメディアチームのハチロクもスタートした。

大観山到着後は開会式。
主催者であるトヨタマーケティングジャパン 喜馬克治マーケティングディレクターのあいさつと、トヨタ自動車の多田哲哉チーフエンジニアとハチロクの開発陣によるトークに続いて、ゲストのレーシングドライバー影山正彦氏、大嶋和也氏が登場。オーナー全員を壇上に招き、順番に握手をした。主催者と参加者の距離感が非常に近い開会式である。

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ターンパイクの路上が特設のカフェに。
ターンパイクの路上が特設のカフェに。 拡大
「86ピットハウス」の特別メニュー「ロンカフェモーニング」。
「86ピットハウス」の特別メニュー「ロンカフェモーニング」。 拡大
フレンチトースト以外にもカレーなどが振る舞われた。
フレンチトースト以外にもカレーなどが振る舞われた。 拡大

峠の路上を特設カフェに

早朝からの集合だったので、参加者はもうおなかがすき始めている頃。
続いてのプログラムは「リッジブランチ」。
ターンパイクの路上を特設カフェにしてのお食事タイムである。

普段(場合によっては目を三角にしつつ)走っている峠道に、カフェテーブルと傘が並んでいる。
それだけなら、街の歩行者天国と同じだと言えなくもないが、テーブルの隣にはハチロクがきれいにそろって止められているのだ。
この光景は、なかなか不思議である。

そして、カフェのメニューも特別だ。
10月1日より期間限定で大観山ビューラウンジに出店している、フレンチトースト専門店「LONCAFE(ロンカフェ)」とのコラボカフェ「86ピットハウス」から、特別メニューの「ロンカフェモーニング」が提供されたのだ。
おいしそうなフレンチトーストを食べながら、オーナー同士がハチロクの話に花を咲かせていた。

おそらく多くの参加者が初対面なのにもかかわらず、皆さんとても楽しそうに語り合っているのを見ると、同じクルマのオーナー同士という結びつきは、特別なものがあるのだろうな、と感じる。
例えばこれが、同じ洗濯機のオーナーだとか、同じ炊飯器のオーナーというのでは、こうはいかないだろう。
やはり、クルマというものには、他の道具とは違う種類の魅力があるのではないだろうか。

……などと言いつつ、同じ炊飯器のオーナーズミーティングというのがもしあれば、ちょっと見てみたい気もするが。

「うまいっすか?」「うまいっすよ!」
「うまいっすか?」「うまいっすよ!」 拡大
上空にはCM撮影用のヘリが終始飛び回っていた。
上空にはCM撮影用のヘリが終始飛び回っていた。 拡大
レーシングドライバー影山正彦氏、大嶋和也氏のトークショーも。
レーシングドライバー影山正彦氏、大嶋和也氏のトークショーも。 拡大

おなかも満たされたところで、「シューティングカーブ」というプログラムに移った。
これは、ターンパイクのコーナー脇に設置した86台のカメラでハチロクが走る様子を特殊撮影するというものだ。
撮影された走行シーンは、後ほどDVDにして参加者に配布される。自分が走っているシーンはなかなか見られないので、オーナーにとっては記念になるだろう。

坂道を利用しての記念撮影。続々とハチロクが整列していく。
坂道を利用しての記念撮影。続々とハチロクが整列していく。 拡大
これだけの数の同車種が道路を埋め尽くすシーンは、そうそう見られるものではない。
これだけの数の同車種が道路を埋め尽くすシーンは、そうそう見られるものではない。 拡大
CM撮影用のカメラに向かって手をふる参加者。
CM撮影用のカメラに向かって手をふる参加者。 拡大

次の“ハチロックス”は皆さんで

本日のメインイベントとも言えるのが、86台のハチロクが路上にずらり並んで記念撮影をする「86ers Cheese(ハチロッカーズ チーズ)」だ。
早川料金所近くの本線上に、3列になって86台のハチロクが並ぶ。

ハチロクの全長は4240mm。86台が3列だから1列は29台(と28台)で、車両の間隔も含めると130mを超えるハチロクの列ができることになる。
その様子をわれわれは歩道橋の上から撮影した。
カメラに向かって全員でチーズ!

おそろいのジャンパーを着て、こちらに向かってポーズをしている様子は、どことなく「100人乗っても大丈夫!」というフレーズを連想させるが、こちらは86台のハチロクに126人の参加者なので負けていない。

その後は閉会式と、今度はハチロク抜きでの記念撮影……。

と、このように、イベントは大きなトラブルもなく順調に進んでいった。

86台もの車両が連なって各ポイントまでターンパイクを往復するのだから、決められた時間でプログラムをこなしていくのは不可能なのではないかと予想していた(つまり、スケジュールが押せ押せになってきっと取材長引くぞ、と)。

しかし、参加者はとても協力的で、後半にトイレタイムで若干の遅れは出たものの、テキパキとほぼタイムテーブル通りにスケジュールをこなしていった。
こういったオーナーズイベントは、得てしてスケジュールがズブズブになりがちなものだが、さすがはメーカー主催のイベントである。

ターンパイクを行き来するパレードは、渋滞と言ってしまえば単なる渋滞なのに、参加者はみな楽しそう。
ターンパイクを行き来するパレードは、渋滞と言ってしまえば単なる渋滞なのに、参加者はみな楽しそう。 拡大
抽選で選ばれたラッキーな参加者が、プロのレーシングドライバーと同乗して体験走行。
抽選で選ばれたラッキーな参加者が、プロのレーシングドライバーと同乗して体験走行。 拡大
“ハチロックス”の横断幕に全員で寄せ書き。
“ハチロックス”の横断幕に全員で寄せ書き。 拡大

けれども、スケジュールに縛られない、ちょっとユルい感じも、オーナーズイベントの魅力だったりするのも事実である。

その点において、今回の“ハチロックス”はやや修学旅行的な印象を受けた。
修学旅行も楽しいけれど、自分たちで企画した旅行の方がもっと楽しい。
この手のイベントは、メーカーのお膳立てによるのではなく、オーナーたちが自ら協力し合って運営した方がより楽しいだろうし、またそうあるべきではないか。

というようなことを考えていたら、閉会のあいさつでトヨタマーケティングジャパンの喜馬氏が「“ハチロックス”の名称はオーナーの皆さんで自由に使ってください」と発言した。
ハチロクのオーナー同士でちょっとした集まりを開く場合などにも、自由にこの“ハチロックス”の名前を使用してもよい、というのである。
つまり、今回のイベントをきっかけに、クルマ好きが集う楽しみを、どんどん広めてほしいということなのだろう。

イベントの最後、会場を後にしていくハチロクオーナーたちが、スタッフと笑顔で手を振り合っている様子を見て、今後あちこちで小さな“ハチロックス”が開かれるのではないか、いや、そうあってほしいと思った。

(文と写真=工藤考浩)

イベントの最後、富士山をバックに記念撮影。
イベントの最後、富士山をバックに記念撮影。 拡大
参加者一人一人に手をふるハチロクの開発陣。
参加者一人一人に手をふるハチロクの開発陣。 拡大
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