ルノー初のクロスオーバー「コレオス」デビュー
2009.05.27 自動車ニュースルノー初のクロスオーバー「コレオス」デビュー
ルノー・ジャポンは2009年5月27日、新型のクロスオーバーモデル「コレオス」を発表。同日販売を開始した。
■ルノーと日産の愛の(?)結晶
2008年3月のジュネーブショーでデビューした、ルノー初となるクロスオーバーが「コレオス」。デザインと車両のとりまとめをルノーが、エンジニアリングを日産が、生産を韓国のルノー・サムスンが行うという、3社共同プロジェクトであることは既報のとおり。
プラットフォームは「日産デュアリス」などと共用するものの、オリジナルの内外装や乗り心地、使い勝手など、多くの部分に手が加えられている。
このたび日本に上陸したのは、日産譲りとなる2.5リッターガソリンユニット搭載モデル。最高出力170ps/6000rpmと、最大トルク23.1kgm/4400rpmを発生し、6段のマニュアルモード付きCVTが組み合わされる。なお、CVTの採用はルノー車初という。
サスペンション形式は、前マクファーソンストラット/後マルチリンク。デュアリスと同形式ながら、ダンパーやブッシュなどに独自の変更やチューニングを加え、ルノーらしい「フレンチタッチな乗り心地」(プレスリリース)に躾られたと謳われる。
駆動方式は、エクストレイル譲りのオールモード4×4-iシステムが用いられた、パートタイム4WDを採用する。坂道発進を助ける「ヒルスタートサポート」や、急勾配を下る際に車速を一定に保つ「ヒルダウンコントロール」も与えられ、高い最低地上高(200mm)や、大きなアプローチ/デパーチャーアングルとあわせて、悪路走破性能も高められている。
安全装備として、アンチスピンデバイスのESPがすべてのグレードに標準装備されるのも、欧州車ならではだ。
■静粛性に配慮
全長×全幅×全高=4525×1855×1710mmのディメンションは、「日産デュアリス」より長く、幅広い。ホイールベースも2690mmと、デュアリス比で60mm延長された。
フロントマスクには「メガーヌ」などにも共通する、左右2分割のグリルが備わり、ルノーファミリーであることを主張する。全体的に落ち着いた印象の、上品なスタイリングが与えられる一方で、フロント/リアのアンダースキッドや強調されたホイールアーチなどが、SUV的な力強さを示している。寝かされたリアウィンドウも特徴的。
「波」をイメージしたというインテリアは、曲線を多用した意匠が各所に見られ、SUVなどに多いスポーティなデザインとは一線を画すもの。色合いも明るくまとめられた。
車内の静粛性を一つのピーアールポイントとし、5層構造のフロントウィンドウを採用、防音材や遮音材なども各所に配している。さらにリアタイヤからの騒音を抑えるために、タイヤハウス内に遮音材を貼るなど、後席乗員にも配慮された。
上下分割でオープンするリアハッチゲートからアクセスする荷室は、VDA法で450リッターの容量を確保する。荷室を広く、低くすることができたのは、リアのダンパーを傾斜して設置し、アッパーメンバーを結合させる構造とした工夫のたまものだ。
一部グレードでは、荷室側から操作できる6:4分割可倒式のリアシートが備わり、助手席まで倒すと、2.6mの長尺ものの積載も可能となる。
6エアバッグや2ゾーンオートエアコン、カードキーを携帯するだけで、ドアの開閉、エンジン始動ができる「ハンズフリーカード」などは、標準で与えられる。
グレードは装備の違いで3種をラインナップ。ベースグレードが319.8万円、快適装備が充実した「プレミアム」が349.8万円、電動パノラミックグラスルーフ付きの「プレミアム グラスルーフ」が359.8万円。ハンドル位置はすべて右で用意される。
(webCG 本諏訪)