ルノー・コレオス プレミアム(4WD/CVT)【試乗記】
のんびり系SUV 2012.04.18 試乗記 ルノー・コレオス プレミアム(4WD/CVT)……354万8000円
仏・韓・日の3国が手を組んだ、グローバルSUV「コレオス」。2012年1月にマイナーチェンジが施された新型で、その乗り味を試した。
ヨーロッパでSUVが人気の理由
2012年3月頭のジュネーブモーターショーで勢いが感じられたのは、オープンカーとSUVだった。特にちょっと背が高いSUV/クロスオーバーのカテゴリーでは市販モデルはもちろん、日産の「ハイクロスコンセプト」から「ベントレーEXP 9 F」にいたるまで、コンセプトカーも面白いものが多かった。そういえば、ジュネーブの街のあちこちで「レンジローバー イヴォーク」を見かけたっけ。
ドイツ在住のジャーナリストによると、ヨーロッパ全体で自然回帰の動きがあり、このムーブメントがオープンカーやSUVの人気に通じているのだという。実際、SUVとともにアウトドア趣味の本もばんばん売れているそうだ。
ヨーロッパのみなさんの気持ちは想像するほかないけれど、要は「のんびり行こうよ」ということではないか。おカネもうけにまい進するスピードをちょこっと緩めて釣り糸でも垂れようよ、ということだと思う。
脱線すると、だったらいま『釣りバカ日誌』を輸出したら絶対にウケるはず。ハマちゃんは確か、「パジェロ」などのSUVに乗っていた。
脱線した話を元に戻すと、個人的にハマちゃんが乗ったらぴったりだと思うのが「ルノー・コレオス」だ。SUVもたくさん登場して、「オシャレ」系から「ワイルド」系にいたるまで細分化されているけれど、「のんびり行こうよ」系SUVの筆頭がコレオスだと思うのだ。
2012年1月末にマイナーチェンジを受けた「ルノー・コレオス」に試乗する機会を得たので、都内から箱根まで往復してみた。
特徴が薄れた顔つき
復習しておくと、「ルノー・コレオス」は「日産エクストレイル」「デュアリス」をベースにルノーがデザインし、ルノー・サムスン・モーターズの釜山工場で生産される。厚木、パリ、釜山のクルマ版・三都物語だ。2.5リッターの直列4気筒エンジンと、それに組み合わされるCVT(無段変速機)、そしてオールモード4×4-iと呼ばれる四駆システムは日産製となる。
日本への導入から3年を経たタイミングで実施されたマイチェンでは、機構部分に変化はない。大きく変わったのは顔だ。ひとことで言うとラジエーターグリルが一般的な形状となって、個性は薄れたと思う。グリルがほとんど目立たずに、ルノーのエンブレムがどーんと主張していたマイチェン前のほうが個性と新しさがあった。ま、「マイチェン前がよかった」と言うのは、こういう仕事をする人間の職業病ではある。
資料には「シート形状とインパネの意匠が新しくなった」とあるけれど、正直、この部分に関しては新旧を並べて比べないとわからない程度の違いだ。
走り始めてみても、そのフィーリングは記憶に残っているコレオスそのままだった。タイヤ2回転、3回転した瞬間から感じるのは、このクルマ独特の乗り心地だ。決して、プレミアムという言葉が似合うたぐいの乗り心地のよさではない。ザラザラした感触やゴツゴツというショックを、なぁなぁでうやむやにしてしまう感じなのだ。上質さよりも、うまさを感じさせる乗り心地だ。
スピードをあげても、その印象は変わらない。
のらりくらりとしたコーナリング
高速道路で巡航態勢に入ると、4本のサスペンションがまったりと動いて、結果的にフラットな姿勢が保たれる。まったりしている。そして低回転域で力のある2.5リッター直4エンジンとCVTの組み合わせが、まったり感に拍車をかける。切れ味が鋭いわけでもないし、抜群にスムーズというわけでもないけれど、気がつくと思った通りのスピードを手にしているのだ。ただし、エンジン音、風切り音ともに、最近の水準からするとやや大きい。
そういう使い方をするクルマでもないけれど、山道も試してみる。これが意外に楽しかった。
高い位置に座っているはずなのに不安感は一切なく、安定した姿勢でコーナーをクリアする。とはいえ速いわけではなく、のらりくらりとカーブをかわす感じなのだ。これは何かに似ていると思ったら、ノムさんの野球解説にそっくりだった。ヤル気があるようには感じられないのにツボを押さえているあの感じだ。
プレミアムだとかスポーティーだとかいうわかりやすさに欠けるルノー・コレオスは、なかなか紹介が難しいクルマだ。まったりしたフィーリングも好き嫌いがわかれるところ。だれに似合うか考えてみると、やっぱりハマちゃんぐらいの大物に薦めたくなる。
自分はハマちゃんほど突き抜けていないけれど、ああいう人に憧れはあるのでこのクルマ、好きです。つかみ所はないけれど、いつの間にか体になじんで、乗っているとほわーんと幸せなキモチになれる。ずっと一緒にいても疲れない。ハマちゃんにはぜひ、「ルノーのコレ推す」と言ってほしい。
(文=サトータケシ/写真=高橋信宏)

サトータケシ
ライター/エディター。2022年12月時点での愛車は2010年型の「シトロエンC6」。最近、ちょいちょいお金がかかるようになったのが悩みのタネ。いまほしいクルマは「スズキ・ジムニー」と「ルノー・トゥインゴS」。でも2台持ちする甲斐性はなし。残念……。
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