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【スペック】XC90 3.2 R-DESIGN:全長×全幅×全高=4810×1935×1780mm/ホイールベース=2855mm/車重=2150kg/駆動方式=4WD/3.2リッター直6DOHC24バルブ(238ps/6200rpm、32.6kgm/3200rpm)/価格=740.0万円(テスト車=同じ)

ボルボXC70 オーシャンレースエディション/XC90 3.2 R-DESIGN/XC90 ノルディック(4WD/6AT)【試乗記】

特別限定車一気乗り 2008.09.25 試乗記 生方 聡 ボルボXC70 オーシャンレースエディション/XC90 3.2 R-DESIGN/XC90 ノルディック(4WD/6AT)
……660.0万円/740.0万円/598.0万円

ボルボ「XC」シリーズに3つの特別限定車が登場した。専用アイテムで飾ったモデル、スポーティに仕上げたモデル、装備を抑えたお買得モデルの3台を一気乗り。
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特別なXCが勢揃い

道なき道をガンガン突き進むというより、タウンとフィールドの垣根を取り除いてくれる実用性重視のクロスカントリーが、ボルボの「XC」シリーズだ。
「V70」ベースの「XC70」と、SUVらしいスタイルを持つ「XC90」をラインアップし、そのアクティブなイメージが男心(女心も?)をくすぐるのだが、このXCに3つの特別仕様車が登場、緑あふれる八ヶ岳山麓で試乗会が開かれた。

リゾートホテルで待ち構えていたのは、「XC70 OCEAN RACE EDITION(オーシャンレースエディション)」「XC90 3.2 R-DESIGN」「XC90 NORDIC(ノルディック)」の3モデル。いずれも3.2リッター直列6気筒エンジンを積むXCだが、共通するのはそれくらいなもので、それぞれが別の個性を手に入れている。

そんな、スタイルも装備も値段もバラバラの3台から、どのクルマを指名しようか? 個人的な趣味に走る可能性は大ありだが、ベストXCを求めて、特別な3モデルを乗り比べてみることにしよう。

「XC90 ノルディック」
「XC90 ノルディック」
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「XC70 オーシャンレースエディション」。
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山よりも海が好き

まずはXC70 オーシャンレースエディション。世界で最も過酷な大型外洋ヨットレースといわれる「2008-2009 ボルボ・オーシャンレース」に、ボルボはスポンサーではなく、オーガナイザーの立場で参加しているそうだが、その開催を記念し、120台の限定で販売されるモデルだ。

ベースは「XC70 3.2 SE AWD」。鮮やかなブルー(“オーシャンブルーパール”という特別色。シルバーも選べる)をまとうと、もうそれだけで海のイメージが伝わってくる。
室内を見て、思わず「おおっ」といいたくなるのが専用デザインのレザーシート。ヨットのセールをイメージしたらしいが、サイドサポートを斜めに横切るステッチがアクセントになっているのだ。

ラゲッジカバーにくくりつけられたロープも憎い演出である。加えて、専用のアルミホイールやルーフレール、スカッフプレートなどがプラスされ、さらにレギュラーモデルではオプションのプレミアムサウンド・オーディオシステムがついて、価格は35万円アップの660万円。

エンジンや足まわりなどはベースモデルと変わらないが、改めて乗ると、3.2リッター直6エンジンはパワフルで自然なレスポンスが気持ちいい。車高が高いせいか、多少ゆらゆらとした動きが気になるものの、基本的には乗り心地も快適。山よりも海を目指したいクルマである。

ボディカラーは専用色のオーシャンブルーパール。
ボディカラーは専用色のオーシャンブルーパール。
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専用の本革シート、ドアパネルには、ヨットのセールをイメージさせるジグザグのステッチが施される。
専用の本革シート、ドアパネルには、ヨットのセールをイメージさせるジグザグのステッチが施される。
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ラゲッジカバーにもオーシャンレースのオリジナルロゴが。
ラゲッジカバーにもオーシャンレースのオリジナルロゴが。 拡大
【スペック】XC70 オーシャンレースエディション:全長×全幅×全高=4840×1890×1605mm/ホイールベース=2815mm/車重=1880kg/駆動方式=4WD/3.2リッター直6DOHC24バルブ(238ps/6200rpm、32.6kgm/3200rpm)/価格=660.0万円(テスト車=同じ)
【スペック】XC70 オーシャンレースエディション:全長×全幅×全高=4840×1890×1605mm/ホイールベース=2815mm/車重=1880kg/駆動方式=4WD/3.2リッター直6DOHC24バルブ(238ps/6200rpm、32.6kgm/3200rpm)/価格=660.0万円(テスト車=同じ) 拡大

スタイリッシュなだけじゃない

次なるは、3台中もっとも高いXC90 3.2 R-DESIGN。ベースとなる「XC90 3.2 SE AWD」のエンジンはそのままに、専用のスポーツサスペンションの採用に加えて、エクステリア、インテリアにさまざまなスペシャルアイテムを盛り込むことで、個性的なスタイルをつくりあげた。ちなみにR-DESIGNの「R」はRacingではなく、“Refinement”(洗練)を意味するのだ。

アクティブ・バイキセノンヘッドライトや速度感応式パワーステアリング、プレミアムサウンド・オーディオシステムなど、「あったらいいなぁ」のオプションが追加されて、価格はベース車より65万円高い740万円。

充実の装備はうれしいとして、専用のスポーツサスペンションは吉と出るか、凶と出るか? さっそくカーブの続く一般道で試した。
これがなかなかの仕上がりだった。スタビライザーを強化し、減衰力を約3割高めたサスペンションは適度な締め上げ具合で、SUVにつきもののロールやピッチングなどを上手に抑え、それでいて乗り心地は悪くない。速度感応式パワーステアリングのおかげで、一般道の走行では操舵も軽やかだ。80台の限定販売というが、ぜひレギュラーモデル加えてほしい一台である。


ボルボXC70 オーシャンレースエディション/XC90 3.2 R-DESIGN/XC90 ノルディック(4WD/6AT)【試乗記】の画像 拡大
内装は、専用のスポーツステアリングホイール、本革スポーツシート、アルミニウム・ベゼル付メーターパネルなどが装備される。
内装は、専用のスポーツステアリングホイール、本革スポーツシート、アルミニウム・ベゼル付メーターパネルなどが装備される。
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エクステリアは、19インチアルミホイールや、4本のスポーツテールパイプ、サテンシルバーのドアミラーカバー/ウィンドウフレーム、さらに、スキッドプレートなどの専用パーツで飾られる。
エクステリアは、19インチアルミホイールや、4本のスポーツテールパイプ、サテンシルバーのドアミラーカバー/ウィンドウフレーム、さらに、スキッドプレートなどの専用パーツで飾られる。 拡大

ベストバリュー

一方、XC90 3.2 SE AWDの動力性能や機能性、安全性はそのままに、バイキセノンヘッドライトやフルレザーシートなどを省いて600万円を切る価格を実現したのがXC90 ノルディックだ。598万円。

正直なところ、これで困るという部分はない。たしかに、R-DESIGNから乗り換えると少し寂しい気もするし、あのバランスのいい足まわりには後ろ髪を引かれる。ノルディックは、速度感応式パワーステアリングを備えないので、ステアリングが重たく感じるのも事実だが、「SE」はもともとオプション設定となるので、ベースモデルを買うつもりでいた人には、まさに朗報だろう。こちらは限定100台の販売である。

というわけで、駆け足で3台を試乗したが、今回のマイベストXCはXC90 R-DESIGN。しかし、7人乗りのSUVが598万円で手に入るXC90 ノルディックのコストパフォーマンスの高さは、いざ買おうというときには、強い誘惑になるに違いない。いずれにせよ、数に限りがあるので、XCを狙っている人は、この機会をお見逃しなく!

(文=生方聡/写真=峰昌宏)

ボディカラーは、ブラック、シルバー、アイスホワイトの3色から選べる。
ボディカラーは、ブラック、シルバー、アイスホワイトの3色から選べる。
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XC90専用のコンビネーションシート。
XC90専用のコンビネーションシート。
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【スペック】XC90 ノルディック:全長×全幅×全高=4810×1910×1780mm/ホイールベース=2855mm/車重=2150kg/駆動方式=4WD/3.2リッター直6DOHC24バルブ(238ps/6200rpm、32.6kgm/3200rpm)/価格=598.0万円(テスト車=同じ)
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生方 聡

生方 聡

モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。

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