ボルボXC70 2.5Tノルディックエディション(5AT)【試乗記】
大人のスノードライブへ 2004.12.10 試乗記 ボルボXC70 2.5Tノルディックエディション(5AT) ……588.6万円 ボルボのクロスカントリーワゴン「ボルボXC70」に、人気装備を加えた特別限定車「XC70 2.5Tノルディックエディション」が発売された。雪積もる北海道は旭川で、『webCG』の本諏訪裕幸が試乗した。2005年モデルをいち早く、安く
雪を目の前に走り出そうとすると、頭の中によぎるのは、映画『私をスキーに連れてって』である。当時、クルマもまだもてない学生だった私は、みんなでわいわいスキーに行くのを夢見ていた。雪道をぐいぐい走っていく、劇中の「セリカGT-Four」を見て、「やっぱり雪にはヨンクだ」と一人うなずいていた。
そして今、目の前に雪とヨンクがある。ここ北海道旭川で、ボルボ恒例の雪上試乗会に参加している。
今回乗る「XC70 2.5Tノルディックエディション」について、ざっと説明しておこう。
まずは上級ワゴン「V70」をベースに、車高を上げ外観をワイルドにしたクロスカントリーモデルが「XC70」だ。
2005年モデルではデザイン上の大幅な変更はないながらも、印象を大きくかえる一つが、前後バンパー下部に標準装着される、カラードスキッドプレートだ。ヘッドライト、フロントグリルのデザインやアルミ製ルーフレールの採用など、外観の部分的な変更に加え、構成部品などの見直しも行われ、ボルボいわく「XC70デビュー以来最大規模の変更」だそうだ。
その2005年モデルの2.5リッターターボエンジン搭載グレード「2.5T」に、本革シートやサンルーフ、ハイパフォーマンスオーディオシステムなど、およそ110万円相当の人気装備を加えたのが「2.5Tノルディックエディション」。しかしながら、なんとベース車より1万円安いという。
2005年モデルをいち早く、それも安く手に入れることができるお買い得車。2004年11月1日から2005年3月31日までの、期間限定で販売される。
乗り心地の良さが際立つ
撮影を担当した郡カメラマンは、2004年モデルのXC70ユーザー。クルマを目の前にし、「アメリカンになったなぁ」とおっしゃる。ミラーをはじめとする大きくなったパーツ類や、アルミ部品の派手さからだ。
二人で2004年モデルとの違いなど、装備をひととおり確認し、キーを捻る。試乗車のタイヤは、ミシュランのスタッドレス「X-ICE」(215/65R16)だった。
以前「XC90」で旭川を走った試乗記で、読者の方にご指摘をいただいた。「除雪されていない道の走破性より、カチカチのアイスバーンでの安定性の方が、実際に雪とともに生活するものにとっては気になる」、と。
雪国の道の多くは除雪され、生活フィールドに深雪はないことが多い。東京モノの私は、雪の珍しさと4WDの頼もしさにつられ、ついつい雪道につっこんでしまっていた。ということで、今回は街なかをはじめとする、凍結路面を意識して走った。
朝、気温は1度ほど。路面は凍結している。
市内を走り始めると、気が付くのは路面状況の悪さ。滑るんだからそりゃ悪いだろう、と言われるかもしれないが、そういう意味ではない。雪の上を通過したクルマがつくる轍などが凍結し、デコボコが激しいのだ。
前夜に乗ったタクシーの乗り心地はさんざんだったが、XC70の乗り心地はすこぶる良好。ショックをしなやかに吸収し、不快な振動を和らげてくれた。
ありがたみを感じる
山に向かい出すと、小雪がぱらついたり、晴れたり、雨が降ってきたりと、まさにテスト日和(?)だった。
山道のアイスバーン路面では、いくつかのコーナーを抜けると、たびたびタイヤが滑る状況に陥る。そんなとき、トラクションコントロールシステムのDSTCがすぐさま介入し、状態を安定方向にもっていく。インジケーターや警告音などでは知らされないが、ガシッと効くので体で感じることができる。
圧雪路を抜けた山中の広場では、撮影のために深雪に車両を乗り入れた。道に迷って、土と雪が混じったようなシャーベット路面を走った。どんな路面状況でも、四輪は確実に働いてくれる。その働きを信頼できることが、雪道では大事だと思う。
そんな4WDのありがたみを感じたとき、『私をスキーに……』のワンシーンを思い出す。主人公の乗る前輪駆動の「カローラII」をしり目に、元気よく走るセリカのドライバーは「所詮ヨンクの敵じゃないね」と言う。ヨンクはたしかに安心だ。そういう気持ちはわかる。
スキーは滅多にしないリポーターだが、一番おっくうと思うのが行き帰り。快適に移動したいのだが、今そこに求めるのは、車内でわいわい騒ぐことではなかった。今は快適な乗り心地と、気持ちいい音響空間が欲しい。運転するならば、安心の走行性能も必要だ。
どれをも高い水準で満足させてくれる「ノルディックエディション」を駆り、友達を乗せて、ちょっと大人のスノードライブを楽しみたくなった。「スキーに連れてってあげるよ」と言って。
(文=webCG本諏訪裕幸/写真=郡大二郎)

本諏訪 裕幸
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