「フィアット・フィオリーノ・クーボ」“横丁の御用聞き”が突如スターに
2008.09.24 自動車ニュース「フィアット・フィオリーノ・クーボ」“横丁の御用聞き”が突如スターに
伊フィアットは、2008年9月12日、ミニMPV「フィオリーノ・クーボ(キューボ)」をイタリア本国で発売した。
フィオリーノ・クーボは、フィアットとPSAプジョー・シトロエンのトルコ拠点であるトファス社で生産されるモデル。
さきに発表された商用車の「フィオリーノ」、今年発表された「シトロエン・ネモ」「プジョー・ビッパー」の姉妹車となる。プラットフォームはグランデプントと共通である。
「クーボ」は、本国より一足先に6月からフランスで発売されている。なお、綴りは“Qubo”で、地域によっては“キューボ”と発音する。ただし「日産キューブ」は欧州未発売なので、混乱は生じないだろう。
クーボのサイズは全長3959mm×全幅1684mm×全高1720mm。全長4mを境に料金が上がるフェリーを多用する人が多いイタリアでは、大きなセールスポイントとなるだろう。ちなみに、ライバルとなる「ルノー・カングー」は4mを超える。
そうしたコンパクトサイズながら、助手席を畳める仕様の場合、最大2.5メートルの長尺物を載せられるのも売りだ。ラゲッジスペース容量は標準で330リットル、後席および助手席を倒した状態だと2500リッターに及ぶ。
エンジンは、1.4リッターガソリン(73ps)と1.3リッターターボディーゼル(75ps)の2種類。トランスミッションは5段MTと、6段のデュアロジック・シーケンシャルシフトが用意される。
価格は、ガソリン仕様で1万2800ユーロ(約198万円)から。これはルノー・カングーが1万5000ユーロ台から始まるのに対して、きわめて挑戦的な値付けといえる。
ところでベースとなったフィオリーノは、従来イタリアで真面目な商用車のイメージが強かったモデル。「フィアット・ウーノ」のモディファイだった先代は、郵便局などで多く使われていた。
それがモデルチェンジにともない、欧州のレジャーカーのなかでも際立ってモダーンな出で立ちとなった。おかげで欧州のさまざまな自動車メディアで報じられている。
イタリアに住む筆者としては、近所の御用聞きがいきなり人気スターになったような印象を受けている。
(文=大矢アキオ/写真=FIAT GROUP AUTOMOBILES、大矢アキオ)
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