クーペの理想型を示す「レクサスLF-LC」【デトロイトショー2012】

2012.01.10 自動車ニュース 新井 一樹

【デトロイトショー2012】クーペの理想型を示す「レクサスLF-LC」

1月9日のプレスデイで開幕した2012年の北米国際自動車ショー(デトロイトショー)で、トヨタとホンダのプレミアムブランドであるレクサスとアキュラから、くしくも2台のスーパースポーツのコンセプトモデル、「レクサスLF-LC」と「アキュラNSXコンセプト」がお披露目された。

■日本人には当たり年!?

それにしても今年のデトロイトは暖かい。例年は、しっかりと防寒していても3分と外に居たくないほど冷え込む。しかし今年は別モノ。さすがに上着が要らないほどではないが、表に出ていることが苦行ではない。雪がちらつくことも珍しくないが、今年はどこを見渡しても積雪の跡すらなく、ちょっと拍子抜けするほどの気候である。

気温だけでなく、今年は会場内もホットだ。ガラスを割ってニューモデルが登場したり、会場の外を牛が占拠したりといった数年前までの“お祭り騒ぎ”のような演出こそないが、ようやくリーマンショックや、GMとクライスラーの経営破綻の後遺症から脱しつつある気配が表れてきた。不安要素はまだまだあるが、明るい未来があるのでは……という雰囲気は感じられた。

そんな2012年のデトロイトショーは、特に日本人にとって特別なものになった。レクサスとアキュラという日本を代表する2つのブランドがスーパースポーツのコンセプトカーをひな壇に飾ったからだ。1台は2+2のFRハイブリッド・スポーツクーペ「レクサスLF-LC」。もう1台は、世界にも名をとどろかせた「アキュラNSX」の後継車を模索したという、その名も「NSXコンセプト」である。

■それは“ラグジュアリーなLFA”

「レクサスLF-LC」はすでにリポートでもお伝えしている通り、「LS」のクーペバージョンと目されるスポーツクーペだ。あるいは、「SC430」の後継モデルという位置付けになるかもしれない。
しかし、お披露目されたLF-LCはどちらかというと、LSのクーペ版やSCの後継車というよりも、「LFA」のラグジュアリーバージョンに見える。全体のプロポーションや、リアフェンダーにエアインテークが、リアバンパーにエアアウトレットが備わるあたりにLFAの面影が色濃く残っているからかもしれない。

だが、LFAのコンポーネントが流用されるかというとそれは微妙。ハイブリッドシステム+カーボンボディーとなると、どう安く見積もっても2500万円はくだらないと思われるからだ。それよりは、「LS」や「GS」のプラットフォームを用いて1000万〜1500万円クラスで仕立てた方が現実的だ。

果たして、レクサス(というかトヨタ)は、「LF-LC」をどのように育てていくのだろうか? レクサスの場合、市販化に結び付かないコンセプトカーは少ないので、LF-LCも何らかの形で具現されるに違いない。ちなみに、スタイリングは写真で見るよりも数倍カッコいい。

(文と写真=新井一樹)

レクサスのコンセプトモデル「LF-LC」
レクサスのコンセプトモデル「LF-LC」 拡大
「スピンドルグリル」と呼ばれる大きなエアインテークが目を引く、「レクサスLF-LC」のフロントまわり。
「スピンドルグリル」と呼ばれる大きなエアインテークが目を引く、「レクサスLF-LC」のフロントまわり。 拡大
「LF-LC」のシルエットは、スーパースポーツ「LFA」を思わせる。
「LF-LC」のシルエットは、スーパースポーツ「LFA」を思わせる。 拡大
「レクサスLF-LC」のインテリア。
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クーペの理想型を示す「レクサスLF-LC」【デトロイトショー2012】の画像 拡大

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