メルセデスA/Bクラスが本国でフェイスリフト

2008.05.23 自動車ニュース 生方 聡

メルセデスA/Bクラスが本国でフェイスリフト

メルセデス・ベンツのFFコンパクトカー「Aクラス」と「Bクラス」が揃ってフェイスリフトした。日本導入を前に、新型の全貌を公開!

■あの手この手で効率アップ

2004年デビューの2代目「Aクラス」と、2005年に登場したAクラスベースのミニMPV「Bクラス」は、販売開始からそれぞれ50万台、35万台を売りさばく、同社のボリュームモデルだ。この2台が揃ってフェイスリフト、さらなる顧客獲得を目指す。ともにデザインはフェイスリフト前のイメージを強く残しながら、Aクラスではヘッドライト、Bクラスではフロントバンパーのデザインを一新して、最新版であることをそれとなくアピールする。

日々高まる低燃費への要求に応えるため、エンジンの効率を高めるとともに、「BlueEFFICIENCY」パッケージを設定して、燃費向上を図ったのが今回のモデルチェンジの大きなポイント。BlueEFFICIENCYとは、エアロダイナミクスの向上やタイヤの低転がり抵抗化、最適なエネルギーマネージメント、車両重量の低減などにより、燃料消費を減らそうという取り組みを具体化したエコ仕様のこと。ほかにもサスペンションのローダウン化やフロントグリルを塞ぐ処理など、あの手この手で効率アップを図っている。

さらに、市街地燃費を向上させるのが、オプションで用意されるECOスタート/ストップ機構だ。いわゆるアイドリングストップ装置で、一定の条件下で停車すると自動的にエンジンがストップし、クラッチを操作したりブレーキから足を離したりすることで、エンジンが始動する。スターターモーターはエンジンのクランクシャフトとベルトで結ばれており、素早いスタートに貢献。また、スターターモーターは発電機としての役割も果たし、必要なときだけ充電を行うので、エネルギーのロスを防いでいる。

1.7リッター直列4気筒のガソリンエンジンを積むA170の場合、100km走行あたりの燃料消費が標準モデルで6.8リッターであるのに対し、BlueEFFICIENCYとECOスタート/ストップを採用すると6.1リッターまで低減するという。なお、ヨーロッパにおいては、BlueEFFICIENCYの納車は、2008年の秋からとなる。

■Bクラスにはバイフューエルを追加

新たな試みとしては、Bクラスにガソリンと天然ガスのふたつの燃料が利用できる“バイフューエル”モデル、「B170 NGT BlueEFFICIENCY」が追加された。B170をベースとし、天然ガスに対応するためにエンジンに手が加えられ、前席の下と荷室の床下にはガスボンベが備わる。これにより、天然ガスだけでも300km、ガソリンを使えばさらに700kmの走行が可能だ。ちなみに、1kmあたりのCO2排出量は、ガソリンの175gに対し、天然ガスは135gと少ない。

このほか、Aクラス、Bクラス共通の新機構として、縦列駐車時のステアリング操作を車両が行う「パーキングアシスト」や、急ブレーキの際にブレーキランプを点滅させて後続に注意を促す「フラッシングブレーキライト」などが新たに搭載される。

ニュースリリースに記された内容はざっとこんな感じだが、乗り心地やパワートレインを地道に進化させていくのがドイツ流だとすれば、ここで紹介していない細かな部分にも手が入っている可能性は高い。

(文=生方聡)

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