メルセデスAMG A45 S 4MATIC+エディション1(4WD/8AT)/CLA45 S 4MATIC+(4WD/8AT)
AMGは裏切らない 2019.12.18 試乗記 最高出力421PSの2リッター直4ターボエンジンを積む、メルセデスAMGのホットハッチ「A45 S 4MATIC+」と4ドアクーペ「CLA45 S 4MATIC+」に富士スピードウェイで国内初試乗。“クラス最強”をうたうパワーユニットの実力と、異なるボディー形状がもたらすハンドリングの違いを確かめた。文句なしにクラストップのパワー
実用性の高いハッチバックに活(い)きのいいエンジンを搭載して走りを楽しめるホットハッチ。手が届きやすく、普通の格好をしていながらスポーツカーを追い回せるのが痛快な庶民的スポーツモデルの元祖は、1977年登場の「フォルクスワーゲン・ゴルフGTI」だとされている。
そのゴルフGTIも2005年登場の5世代目では2リッター直噴ターボ+DSGという新世代のパワートレインを得て、一気にパフォーマンスを上げてきた。これはかなり衝撃的だった。最高出力200PS、最大トルク280N・mのエンジンで0-100km/h加速6.2秒、最高速度251km/h。初試乗のときはあまりの速さに「ホットハッチもここまできたか!」と驚いたものだ。
だが、その後のホットハッチのパワーウオーズはとどまるところを知らず、特にエンジン開発を得意とするメルセデスAMGが参入してからは過激さが増し、先代「A45 AMG 4MATIC」では最高出力360PS、最大トルク450N・mの2リッター直4ターボを搭載。日本には古くから「三菱ランサーエボリューション」や「スバル・インプレッサWRX」など高性能2リッターターボモデルが存在していたが、ともに最高出力は300PS程度だった。もちろん、両モデルにはさらに性能を向上させた特別なモデルもラインナップしたが、それでも300PSをちょっと上回るぐらいが上限だった。メルセデスAMGは2リッター直4ターボの常識をあっさりと覆したのだった。
そして新たに、究極のホットハッチとして登場した新型メルセデスAMG A45 S 4MATIC+(以下A45)はなんと最高出力421PS、最大トルク500N・mと、とんでもないパフォーマンスを誇ることになった。2リッター4気筒ターボユニットとして文句なしに世界一である。
“ワンマン・ワンエンジン”の哲学にのっとって職人の手作業によって組み上げられる至宝のユニットは完全新設計で「M139」と呼ばれる。ターボチャージャーのコンプレッサーおよびタービンのシャフトにはローラーベアリングを採用。電子制御ウェイストゲートによって正確な制御がなされ、素早い過給の立ち上がりと2.1バールもの最大過給圧を実現している。また従来とは違って後方排気としたことでエンジン搭載位置が下げられ、運動性能向上にも貢献している。
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