新型「BMW 3シリーズ」が日本上陸
2012.01.30 自動車ニュース新型「BMW 3シリーズ」が日本上陸
2012年1月30日、BMWジャパンは、約7年ぶりにフルモデルチェンジした新型「BMW 3シリーズ セダン」を発表、同日から販売を開始した。
■さらにひろびろ6代目
新型「BMW 3シリーズ」(F30)は、1975年に誕生した初代(E21)から数えて6世代目となる。ただし「3シリーズ」とは名乗らないものの、前身となる「02シリーズ」がデビューしたのは66年であるから、BMWのこのクラスは半世紀近い歴史をもつことになる。
以来ずっとBMWの主力車種の座を担ってきたが、日本でもバブル期に「六本木カローラ」とやゆされるほどヒットした2代目(E30)以降、輸入車の車種別ランキングでは上位の常連であり、短期間ではあるがトップに輝いたこともある。
2011年の東京モーターショーにも出展されたコンセプトカー「i8」に通じる顔つきを持つ新型「3シリーズ」。ダイナミズムとエレガンスをより高いレベルで融合したデザインとうたうボディーは今のところ4ドアセダンのみで、サイズは全長4625mm、全幅1800mm、全高1440mm、ホイールベース2810mm。先代(E90)と比べると、ホイールベースは50mm、全長は100mmほど延びているが、全幅と全高はほとんど変わらない。
本国仕様の全幅は1811mmだが、日本仕様は一般的な機械式立体駐車場のサイズを考慮し、ドアハンドルを専用とすることで1800mmに収めているのである。
ちなみに新型を初代「3シリーズ」と比較すると、全長は30cm近く延びており、初代「5シリーズ」(72年〜)とほぼ同じ。全幅は約20cm広く、初代「7シリーズ」(77年〜)とほぼ同じである。変わりゆくマーケットの要求と安全基準に対応した結果、40年近い歳月の間にボディーはここまで大きくなったわけだ。
かつて3シリーズといえば「スポーティーでコンパクトなサルーン」の代名詞的存在であり、今もBMWでは「プレミアム・コンパクト・スポーツセダン」と呼んでいる。しかし、一般的な日本人の感覚ではすでに「コンパクト」の枠からハミ出しており、ミディアム・クラスに属しているといえよう。
プレミアムにふさわしい高品質な素材を使用した、ゆとりのある室内空間も上級クラスに迫る雰囲気である。実際、ホイールベースの延長によって後席のレッグルームは先代より15mm拡大している。だが、インストゥルメントパネル中央部からセンターコンソールにかけての部分がドライバーに向かって傾斜し、運転席がややタイトな印象を与えるところは、スポーティーなドライバーズカーであるBMWならではだ。また全長の拡大に伴い、トランクルーム容量は先代より50リッターも増えている。
■スポーツ性と環境性能を両立
当初導入されるのは、2リッター直4DOHC直噴ターボエンジンを搭載する「328i」のみである。すでに「528i」にも使われているこのエンジンは、ツインスクロールターボ、高精度ダイレクトインジェクション、ダブルVANOS、そしてバルブトロニックを組み合わせた「BMWツインパワー・ターボ・テクノロジー」を導入した新世代ユニット。最高出力245ps/5000rpm、最大トルク35.6kgm/1250-4800rpmというパフォーマンスを、驚くほどの低燃費と低排出ガスで実現しているという。
高い環境性能を誇るこのエンジンと、高効率の8段AT、アイドリングストップ機能、ブレーキエネルギー回生システム、電動パワーステアリングなどの採用によって、先代の直6エンジンを搭載する「325i」との比較で最高出力を13%、最大トルクを30%も向上させながら、燃費は24%も向上。10・15モードではリッターあたり15.6km(JC08モードでは15.2km/リッター)をマークする。また、標準装備のドライビング・パフォーマンス・コントロールには「ECO PROモード」を設定。これを選択するとエンジンのレスポンスやシフトタイミングが最適化されることに加え、エアコンなどの作動が効率的に制御され、経済的なドライブをサポートする。
新型「3シリーズ」は、「よりクリーンに、よりパワーを。」という「BMW EfficientDynamics」の理念を体現したモデルであり、エコカー減税およびエコカー補助金の対象となることも見込まれている。
前述のとおりホイールベースが延長され、リアのトレッドも3cm拡大された。これによって見るからに安定した姿勢から想像されるとおり、走行安定性はいっそう向上。サスペンションはフロントがダブルジョイント・ストラット、リアが5リンクという形式こそ先代と同じだが、アームの剛性を高め、進化したマウントを採用するなど新設計されている。もちろん前後重量配分は約50:50で、BMWならではのスポーティーで俊敏なハンドリング、そして快適性にもさらに磨きがかかっているという。
新型「3シリーズ」には、すでに「1シリーズ」で好評を博している、コンセプトに沿った内外装や装備品がコーディネートされる「デザイン・ライン」が導入される。用意されるのは、スポーティーさを強調した「スポーツ」、現代的なデザインセンスの「モダン」、伝統的かつエレガントな「ラグジュアリー」の3種類である。
先に述べたように、当初導入されるのは2リッター直4ターボ(245ps)の「328i」のみで、価格は以下のとおり。
・328i:570万円
・328iスポーツ:586万円
・328iモダン:586万円
・328iラグジュアリー:586万円
続いて今春には2リッター直4ターボの「320i」が、秋には3リッター直6ターボ+電気モーターのハイブリッドモデル「アクティブハイブリッド3」が追加される予定だ。
(文=沼田 亨)
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