フランス人はガイシャ好き? 〜2007年 仏国内販売台数から
2008.01.25 自動車ニュースフランス人はガイシャ好き? 〜2007年 仏国内販売台数から
フランスの自動車メーカー組合「Comite des Constructeurs Francais d’Automobile」(コミテ・デ・コンストラクター・フランセ・ドトモビル)は、2007年のフランス国内新車販売台数を発表した。
■「ルノー」がナンバーワン
フランスで2007年に新車登録された自家用車と営業車(5トン以下)の総数は、252万5096台。前年度の244万580台から約8万台、3.5%増となった。
フランス国内メーカーの内訳は、「ルノー」が前年度より4.7%減と苦しいながらも約59万台で首位に輝いた。2位は「プジョー」の約43万台(前年比0.4%減)。3位は「シトロエン」の約35万台で、約7万3000台が売れた「C4ピカソ」を筆頭に「Cシリーズ」が好調。前年比5%アップと気を吐いた。
その他、小メーカーを加えたフランス国内メーカーの合計は、前年比1%減の137万4377台となった。
具体的な台数は不明だが、最も販売されたモデルは、長年ベストセラーを続けるルノーの「ルーテシア」、次いで同「メガーヌ(セニック含む)」、13万2000台以上売れた「プジョー207」が3位ということだ。
■増え続ける輸入車
対照的に、フランス国外メーカーの合計は115万1719台で、前年比9.5%増と順調だ。
国外メーカーのトップは「フォルクスワーゲン」「アウディ」「セアト」などをまとめるフォルクスワーゲングループ(26万2062台)。さらに、フォード・グループ(15万3950台)、GMヨーロッパ(12万4808台)、フィアット・グループ(12万3924台)と続く。
5位に、ようやく日本メーカー、「トヨタ」(レクサス含む)が10万9567台で登場する。
前年から比べて好調だったのは、「1シリーズ」と「3シリーズ」が人気の「BMW」で、前年比30.4%増。「ホンダ」も「シビック」がカンフル剤となり、前年から30%ほどアップした。
ルノーの傘下にある「ダチア」は低価格車「ロガン」がウケて、3万台強を販売。台数そのものは少ないが、前年比74.1%増とウナギ登りの勢いだ。不調の親会社「ルノー」とは対照的。さぞやホクホクだろう。
フランス国産メーカーと国外メーカーの割合は54:46。だが、自家用車に限ってみれば、昨年の54:46から、52:48へと、輸入車がほぼ半数まで迫ってきた格好だ。
パリの街中を見渡しても、2001年に仏北東部のヴァレンシエンヌに建設されたトヨタの工場が稼働してからというもの、「Tマークのクルマ」が急増した。ここ3年ほどは、アウディも目立ってきたと実感できる。
自家用車のシェアの推移は、国外メーカー勢が、1980年=22.9%、1990年=39.9%、2000年=40.9%と年々膨らみ、あと1〜2年でフレンチカーを追い抜こうとしている。
フランス人は国産車に飽き始めたということだろうか?
いや、その背景には、EU統合、国産車保護政策の廃止、ユーロの上昇、国外メーカーが現地法人や設備を用意したことが挙げられよう。様々な要因で、輸入車を買いやすくなったのは、確かなことと思われる。
(文=野口友莉/YUYU/写真=ルノー、プジョー、BMW)
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