■【コレはゼッタイ!】「日産GT-R」:求めているのは誰なのか?
【車両概要】
2003年東京モーターショーでの約束を果たし、ついにデビューした「日産GT-R」。今作より「スカイライン」の名を捨て、「日産」ブランドを背負いつつ、世界デビューするハイパフォーマンスカーだ。480psを絞り出すV6ターボエンジンは2ペダルMTを介し4輪を駆動する。
「日産GT-R」、怒涛の480psでデビュー
■V6エンジンのスーパーカー!?
「777万円」という価格は、「ポルシェ・ケイマンS」が日本で最初に発売された時の価格とピタリ同じ。「480ps」の馬力は、現行「911ターボ」の最高出力と完全に一致する。すなわち、「ケイマンの値段で911ターボの性能」という超わかりやすい戦略(?)でデビューしたのが話題の日産「GT-R」。
開発のボスを直撃すると「開発スタート時に自ら課した事が3点あった」という。
「4kg/psを割るレシオ」「オーバー300km/hの最高速」「8分以内のニュル・ラップタイム」というのがそれ。
それらをクリアしたGT-Rの走りは当然とてつもなく凄いはず。しかし、だったらそれで“スーパーカー”か。第一そんなタイトルは自ら名乗るのではなく、見た人が判断して与えるものであるはず。そもそも、V6という“大衆向けデザイン”のエンジンを積んだスーパーカーなどというのは、ボクはありえないと思うんだけれど……。
(文=河村康彦)
■GT-Rが日産にもたらすもの
期待のGT-R、露になったヌードはなんだかものたりず、あの艤装をして走らせたいと思った……というのはどうでもいいとして、事前情報から薄々感じていた、一体何のためのクルマなのかという疑問は、まだ拭えないでいる。
「誰でも、どこでも、いつでも」楽しめるスーパーカーというが、それを求めているのは一体誰なのか。そこにあるプレジャーとは何なのか。3年間の無償期間を過ぎた後のメインテナンスコストは、この車両価格の、あるいはそれが中古車となった際の価格のクルマを買う人にとって納得できる範囲に収まるのか、そしてこの特殊な売り方のクルマが日産全体になにをもたらすことになるのか等々、いろいろな意味で興味は尽きない。
なんだかんだ言っても、やはり今回のショーの最注目モデルといえば、コレしかないだろう。
(文=島下泰久)
■マニュアルシフトは欲しい
好き嫌い、良し悪しは別にして、東京モーターショーの目玉は文句なくこのクルマだと思う。2001年の東京モーターショーでデザインスタディモデルが披露されてから6年、実現にこぎつけた日産もエライと思うが、日産の言葉を信じて待ち続けてきたファンはもっとエライ! そのファンの期待に本当に応えられるものなのかどうか、ぜひその目で見て確かめてほしい。
「誰もが、どんな状況でも、どんな場所でも安全に運転を楽しむ」ことを目指したGT-R。もちろんそれはアリだと思うが、それでも個人的にはマニュアルトランスミッションが用意されないことは残念。一般的なマニュアルよりもデュアルクラッチの2ペダルマニュアルのほうが格段にシフト時間は短いといわれても、マニュアルシフトの愉しさを知る者にとってはちょっと寂しい。
それは措いといても、GT-Rの内容を考えると、777万円からというプライスは決して高くない。きっと売れるんだろうなぁ。
(文=生方聡)
-
NEW
バランスドエンジンってなにがスゴいの? ―誤解されがちな手組み&バランスどりの本当のメリット―
2025.12.5デイリーコラムハイパフォーマンスカーやスポーティーな限定車などの資料で時折目にする、「バランスどりされたエンジン」「手組みのエンジン」という文句。しかしアナタは、その利点を理解していますか? 誤解されがちなバランスドエンジンの、本当のメリットを解説する。 -
「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」の会場から
2025.12.4画像・写真ホンダ車用のカスタムパーツ「Modulo(モデューロ)」を手がけるホンダアクセスと、「無限」を展開するM-TECが、ホンダファン向けのイベント「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」を開催。熱気に包まれた会場の様子を写真で紹介する。 -
「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」の会場より
2025.12.4画像・写真ソフト99コーポレーションが、完全招待制のオーナーミーティング「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」を初開催。会場には新旧50台の名車とクルマ愛にあふれたオーナーが集った。イベントの様子を写真で紹介する。 -
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション/CR-V e:HEV RSブラックエディション ホンダアクセス用品装着車
2025.12.4画像・写真まもなく日本でも発売される新型「ホンダCR-V」を、早くもホンダアクセスがコーディネート。彼らの手になる「Tough Premium(タフプレミアム)」のアクセサリー装着車を、ベースとなった上級グレード「RSブラックエディション」とともに写真で紹介する。 -
ホンダCR-V e:HEV RS
2025.12.4画像・写真およそ3年ぶりに、日本でも通常販売されることとなった「ホンダCR-V」。6代目となる新型は、より上質かつ堂々としたアッパーミドルクラスのSUVに進化を遂げていた。世界累計販売1500万台を誇る超人気モデルの姿を、写真で紹介する。 -
アウディがF1マシンのカラーリングを初披露 F1参戦の狙いと戦略を探る
2025.12.4デイリーコラム「2030年のタイトル争い」を目標とするアウディが、2026年シーズンを戦うF1マシンのカラーリングを公開した。これまでに発表されたチーム体制やドライバーからその戦力を分析しつつ、あらためてアウディがF1参戦を決めた理由や背景を考えてみた。
