第336回:「日産マイクラC+C」試乗
これは今買える“ちょっと古いラテン車”だ!?
2007.10.09
小沢コージの勢いまかせ!
第336回:「日産マイクラC+C」試乗これは今買える“ちょっと古いラテン車”だ!?
もしや意外に掘り出しものかも?
遅ればせながら「マイクラC+C」に乗ってみました! いつものことながら、それほど期待はしてなかったのね。ベースのマーチは出てから5年も経つし、このクラスのハードトップオープンもいまとなってはそれほど珍しくない。
たしかに1.6リッター+4ATで約250万円って価格は、輸入車のライバルと比べると安いけど、「マーチ」ってことを考えると???
だいたい4シーターオープンってことになってるけど、見た目リアシートはやたら狭そうだし、実際、座ってみても狭いだけでなくやたら背もたれが立ってる。おそらく俺が持ってた「プジョー206CC」より狭い。こりゃ事実上の2シーターオープンだぞ、と。
そんな感じで、日産さんとしては「一応こういうものもあるよ!」ってことかなぁ……とか勝手に解釈してました。乗る前はね。
でも乗ってみて予想外! 目からウロコが落ちました。といっても、今の品質基準と照らし合わせてもマジでよくできてる日産デュアリスとは違い、ある種“今買える懐かしのラテン車”ってことでね。
なんつーか、ホントにホント、ちょっと昔のプジョーかルノーに乗ってるような感じがしたのよ。しかもそれでいて日本車レベルの(っていうかホントに日本車ブランド)信頼性を持つ“いいとこどりラテン車”ってことで。
レベルの低さもいい!
まずはその色使いにビックリ! ボディカラーは3色しかなくて、それに併せてインテリアカラーも決まってくるんだけど、俺が借りたやや茶色がかったシルバーのC+Cはインテリアが薄いブルーで、これが美しいこと美しいこと。まずもって日本車じゃ絶対できないチョイス。
シートがまたしっかりしてんのよ。同じ英国サンダーランド工場で作られているデュアリスとは違って、ソフトな感じはしないんだけど、ガッチリと分厚い座面を持ち、ちゃんとカラダをホールドしてくれる。やや硬めではあるんだけどね。座面は厚すぎて、頭が天井についちゃいそう。
それから細かいところがイチイチ小粋なんだな。ルーフはガラス製でしかもサンシェードが本格的な電動スライド式ではなく、手動でネットを引っ掛けるタイプなところが、なんとも“お気楽ラテン車風”。キーレスエントリーのデカめの箱が付いたシンプル過ぎるキーも、これまたちょっと古いラテン車っぽいレベルの低さ。
そして走った感じがまた日本のマーチとは全然違うのよ。ボディ剛性は元々たいしたことないうえに、オープンになってることもあってヘナチョコなんだけど、それでもタッチはしっかりラテン車風にダイレクト!
乗り心地はやや硬めでゴツゴツするが不快ではないレベルで、ステアリングは予想外にシャープで楽しい。で、ブレーキのタッチがまさしくフランス車なわけですよ。ハッキリ言って食いつきは悪いんだけど、踏めばそれなりに効くというタイプ。ついでに停車中、ブレーキペダルを離した瞬間に「ギィ」とマヌケな音がする(笑)。
都会でオシャレに乗るのに最適の一台
正直、安っぽいんだけど、そこがまた「ルノー・トゥインゴ」や「プジョー206」のノリで非常に懐かしくて楽しい。なんというかなぁ。全体をスポーティに仕上げた分、細かいことに気を使ってないというか、やはりラテン車特有の割り切りを感じちゃうのよね。
ついでにその日本には入ってない1.6リッターエンジンも、ガーという高めの音とともに勢いよく回る。今、ドイツ車化しちゃって忘れつつある、コンパクトラテン車ならではの“軽くていい加減で楽しい味”を感じちゃったわけですよ。マイクラC+Cに。
で、リアシートは狭いけど、その全長3.8mの短いボディを考えると都内ではかなり便利。スマート・フォーツーのちょっとデカい版として、都会でオシャレに乗るのに最適の一台では? という結論に達してしまったわけです。
ってなわけでいわゆる「小粋でオシャレなラテン系コンパクト」を探してる人はぜひ一度乗ってみてほしい。正確にはイギリス製日本車であって、全然ラテンじゃないんだけどね(笑)
(文と写真=小沢コージ)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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