第54回:市街地サーキットからお届けするポルトガル自動車事情
2007.09.03 エディターから一言第54回:市街地サーキットからお届けするポルトガル自動車事情
市街地コース脇に珍しいクルマたち
WTCCは、ETCC(ヨーロッパツーリングカー選手権)を前身とするツーリングカーのレースで、ETCC時代から欧州では根強い人気を誇ります。ちょっと他のレースと違うのは、それがテレビ主導のレースだという点。そのため、競技時間はたったの25分! レースはすさまじい勢いで展開し、マシン同士は接触を全く気にしないアグレッシブな走りを目の当たりにできるのがWTCCの大きな魅力です。今回訪れたポルトは、海のほとりにある公園の周りをサーキットに仕立てた市街地コース。そのため、路面μは低いしコース幅はかなり狭いで、接触・激突などによって破損するクルマも多々見られました。取材中、私の目の前10m先にクルマが激突した時には生きた心地がしませんでした……。
市街地サーキットでは、真近で過激な走りを堪能できるのが大いなる魅力。その一方でポルトサーキットは、住宅街や幹線道路と隣接している(!)ため、暮らしに根付いたクルマも同時に見ることができました。その中には、日本でなかなか見ることができない珍しいクルマもちらほらと……。
せっかくなので、WTCCの取材の傍ら、気になるクルマををチェックしてきました。以下、私の目にとまった珍しいモデルを紹介します。
どれも変わったモデルばかり
写真1、2:
なんとも寸詰まりなカタチ。調べてみたところ、これを製造しているのは、「AIXAM(エグザム)」というフランスのシティコミューターを扱うメーカーでした。
こういったミニカーは、フランスでは「クワドリシクル」(四輪自転車)と呼ばれ、70年代の石油危機以降に、税金で優遇され需要が伸びました。スマートと同じくらい全長が短いのが特徴。ポルトガル滞在中にこのクルマを見たのは、これたった1台のみだったので、今ではポルトガルでも珍しい車種なのでしょう。
写真3、4:
こちらは韓国のメーカー、キアの「cee'd(シード)」というCセグメントハッチバック。ヨーロッパ各国の自動車雑誌で、高い評価を受けているクルマです。一昔前のあか抜けなかったデザインの韓国車(失礼!)とは見るからにイメージが違い、日本市場でも十分売れそうなデザインをまといます。
このモデルは、キアが初めて欧州でデザイン・生産(スロバキア工場製)を行ったモデルだそう。7年間/15万kmの保障期間も驚きです。シルエットはちょっと「マツダ・アクセラ」に似ているかも!?
|
写真5:
こちらは、WTCCのパドック内に停まっていたサポートトラックたち。
左手前はオランダのDAF(ダフ)というメーカーのトラックで、「95」という大型トラック。真ん中は、伊フィアット系のメーカーIVECO(イヴェコ)の「STRALIS(ストラリス)」という名前。2003年にトラック・オブ・ザイヤーを受賞したモデル。
右手前もIVECO製で、「DAILY(デイリー)」という名の小型トラック。バン、シングル/ダブルキャブのトラック、ミニバスやキャンピングカーも取り揃えています。
ポルトガルでは、この手の小型トラックをよく見かけました。
|
写真6:
以前はWRCに参戦していたチェコのメーカー、シュコダが製造する「オクタビア」。VW系のメーカーで、オクタビアはゴルフVと共通のプラットフォームを用います。日本では馴染みがないメーカーですが、ポルトガルでは街中で多く見かけ、かなりの市民権を得ている様子でした。
シュコダの小型車は人気が高く、Bセグメントの「ファビア」(VWポロとコンポーネンツを共有するモデル)も多く見かけました。
想像以上のディーゼル人気
ポルト空港から出てすぐに気付いたのは、外に停まってるほとんどのクルマから聞こえるエンジン音が「ガラガラ」と鳴っていることでした。つまり、ディーゼルの音。
欧州でのディーゼル車普及率はかなり高いと聞いてはいたものの、これほどたくさんのディーゼル車がいるとは思ってもいませんでした。特に最近のモデルは高級車からTAXIに至るまでほとんどディーゼル車で、ヨーロッパでの人気をあらためて実感させられた次第であります。
「おいおい、肝心のWTCCの報告は?」という方は、現在発売中のNAVI10月号をご覧ください。まだ日本では馴染みないWTCCがどういうものなのか分かりやすくリポートしています。WTCC参戦マシンにタイヤを供給する横浜ゴムの話や、次世代燃料の話、WTCC日本上陸の話などもあわせて詳しくレポートしております。
(NAVI ヤマダ)

webCG 編集部
1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。ニューモデル情報はもちろん、プロフェッショナルによる試乗記やクルマにまつわる読み物など、クルマ好きに向けて日々情報を発信中です。
-
第875回:キモは氷上性能! ダンロップの新しいスタッドレスタイヤ「ウインターマックス アイスプロ」を試す 2026.7.1 違いは氷の上で表れる! ダンロップの新しいスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX ICE-Pro(ウインターマックス アイスプロ)」に、冬の北海道で試乗。氷上性能を徹底的に追求したという新製品の、パフォーマンスの一端に触れた。
-
第874回:自動運転からワイパーまで! 自動車を支えるメガサプライヤー ボッシュのあくなき挑戦 2026.6.27 世界屈指のメガサプライヤー、ボッシュが開発中の新技術を披露! 市街地での高度な運転支援技術に、日本の方言にも対応した対話型AI、サーキット走行のノウハウを教えてくれるコーチング機能等々……興味深いその中身をリポートする。
-
第873回:ウエット路面に強み ミシュランの新タイヤ「パイロットスポーツ5エナジー」と「プライマシー5エナジー」を試す 2026.6.19 2026年1月29日に導入が発表されたミシュランの新製品「パイロットスポーツ5エナジー」と「プライマシー5エナジー」。これまでの特徴に加え、低燃費性能や耐摩耗性、ウエットグリップ性能のアップをうたう両モデルの走りを、クローズドコースで確かめた。
-
第872回:「フォレスター」がJNCAPで最高評価を獲得! “安全”に対するスバルの不断の取り組みに迫る 2026.6.6 相対速度100km/hの衝突後でも、普通にドアが開く!? 人気のSUV「スバル・フォレスター」が、日本の自動車アセスメントで最高評価を獲得した。安全なクルマづくりを第一とするスバルの取り組みを、群馬製作所で行われた衝突試験デモの様子とともにリポートする。
-
第871回:今年もグリーンヘルは熱かった! ニュルブルクリンク24時間レース観戦記 2026.5.27 “世界一過酷な草レース”として知られ、今年も波乱が巻き起こったニュルブルクリンク24時間レース。F1王者のフェルスタッペンも参戦するとあって、大いに盛り上がったその様子を、世界を飛び回るモータースポーツカメラマンが臨場感満点でリポートする。
-
NEW
ホンダがコンセプトモデル「アキュラ・ネクセラ ビジョン」を発表 次世代デザインを読み解く
2026.9.3デイリーコラム本田技研工業の米国現地法人アメリカン・ホンダモーターが、アキュラブランドの次世代デザインを示すというコンセプトモデル「ネクセラ ビジョン」を初公開した。バタフライドアを採用するこのスポーツカーは、次世代アキュラの何を表現しているのか。 -
NEW
BMW iX3 50 xDrive Mスポーツ(後編)
2026.9.3あの多田哲哉の自動車放談ワインディングロードで新型「BMW iX3」のステアリングを握った多田哲哉さんは、その走りに感心した様子。どんなところが優れているのか、トヨタのエンジニアの視点で語ってもらおう。 -
NEW
新型「三菱パジェロ」の外装・内装を写真でチェックする
2026.9.2画像・写真5年間のブランクを経て、三菱のフラッグシップSUV「パジェロ」がついに復活! 「グランドカリスマ -泰然自若-」をコンセプトにデザインされた本格クロスカントリーモデルは、どのような姿をしているのか? 内外装の詳細を、写真で紹介する。 -
NEW
復活の決め手はこっくりさん!? 新生「三菱パジェロ」誕生の経緯とその狙い
2026.9.2デイリーコラム5年間の沈黙を経て、ついに登場した新型「三菱パジェロ」。スリーダイヤモンドが誇る荒野のフラッグシップは、いかにして復活を遂げたのか? 開発の経緯や内外装デザインの詳細、パワートレインに見るクルマの“狙い”をリポートする。 -
第127回:新型BMW X5(後編) ―迷走するBMW 結局アナタは“ノイエクラッセ”でなにがしたかったの?―
2026.9.2カーデザイン曼荼羅その姿が明らかとなるや、賛否両論を巻き起こしている新型「BMW X5」。このクルマは既存のBMW製SUVとはなにがちがうのか? そもそもBMWは“ノイエクラッセ・デザイン”になにを託していたのか? カーデザインの識者と、迷走するBMWの明日を探った。 -
BMW X1 sDrive20iオリジナル(FF/7AT)【試乗記】
2026.9.2試乗記BMWのコンパクトSUV「X1」に新グレードの「オリジナル」が登場。走りの楽しさをはじめとしたBMWらしさをキープしつつ、装備の厳選によって価格抑制を図った新たなエントリーグレードだ。都市部におけるドライバビリティーとユーザービリティーをリポートする。