第41回:『ジャガーの“比較広告”』(その1)
2007.09.01 広告のススメ第41回:『ジャガーの“比較広告”』(その1)
今回は、ブラジルで制作された「ジャガーSタイプ」の広告を紹介しよう。しかも、ただの広告ではなく、競合商品を引き合いに出す「比較広告」。日本では馴染みの薄い比較広告のおもしろさと難しさを、4回シリーズでお届けする。
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「ジャガーSタイプ」 vs. 「?」
いわんとすることが、これほど分かりやすく通じる広告はあるだろうか?
それぞれのクルマに、言葉がひとつづつついている。BMWには「Mr.(ただの男を意味するミスター)」、対するジャガーには「Sir.(偉い人に付ける敬称サー)。メルセデスベンツには「Rich(金持ち)」、対するジャガーには「Chic(粋な)」。
ジャガーにいわせればこういうことなのだろうが、BMWやメルセデスベンツとしてはどんな気持ちなのだろう。いわゆる「比較広告」であるが、日本ではやらない方法だから驚いてしまう。ここまでやったら、ケンカになってしまうかも……。それとも、比較の対象として選ばれるだけで満足か。ともかく、海の向こうに住む人はカラっとしている。
Jaguar“Mr. vs. Sir.”、“Rich vs. Chic”/Brazil
クリエイティブディレクター:Carlos Silverion/Francesc Patit
コピーライター:Francesc Patit
アートディレクター:Francesco Patit/Bruno Ribeiro
フォトグラファー:Rogerio Miranda
エージェンシー:DPZ Propaganda/Sao Paulo
(2003年4月12日)

金子 秀之
早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。
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