トヨタ・ブレイドG(4WD/CVT)【ブリーフテスト】
トヨタ・ブレイドG(4WD/CVT) 2007.03.09 試乗記 ……307万5450円総合評価……★★★★
国内向け“大人の高級ハッチ”を謳う「トヨタ・ブレイド」の4WDモデルに試乗。その使い勝手と乗り心地を試す。
足まわりは骨太
これまでのトヨタ車は、耐久強度的には十分ながら、剛性感の点でいまひとつガシッと感じられなかった足まわりが、ブレイドではかなり骨太な感じがでてきた。これでフリクション感をなくしスッキリさせれば欧州車に追いつくだろう。
やや大きめのエンジンを積み余裕で走らせるハッチバック、というコンセプトは理解できるが、クラスなりの高級感という点ではまだまだ足りない。50m評価的(試乗最初の50mで好評価を得る)にはクリアしているかもしれないが、長く付き合う気になれないところが泣きどころ。
じっくり乗ってよく見て、改良を加えて熟成させてゆく、時間的な開発期間が短かすぎるような気がする。この手のクルマは若者だけがユーザーとは限らないから、年配者の意見も入れて欲しいと思う。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
2006年12月21日に発表されたトヨタ主張するところの“洒落た大人の高級ハッチバック”。車名のブレイドは、英語で「BLADE=刃(やいば)」から。“人を魅了する鋭さを持ったクルマ”の意味だという。
1.3、1.5リッターの「トヨタ・オーリス」のコンポーネンツを活用して開発された国内専用モデル。機関は「2.4リッター+CVT」のみ。ただし、FFほか、電制多板クラッチを用いた4WDモデルが用意される。
(グレード概要)
ブレイドのグレードは、シンプルに「ブレイド」と上級版「ブレイドG」の2種類。Gは、シート表皮が「本革+アルカンターラ」となり、運転席が電動で調整できるようになる。エアコンが左右独立式になり、6連奏CDチェンジャーがおごられるのもGの特権。ヘッドランプは、ディスチャージ式が標準だ。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ装備)……★★★
白や黒はあまりに一般的過ぎると考えたのか、メーターの地色は何と金茶色、夜になると透過照明ゆえに普通だが、昼間はやや異国的な雰囲気が漂う。
ダッシュボ−ドの棚の前端を持ち上げたのは失敗で、前を見えにくく感じさせるし、ずーっと変わらぬ景色ゆえに視界の邪魔。同じ見切りの高さでもこの逆カーブの例と比べれば歴然。太めのピラーと共に閉塞感がある。
(前席)……★★★★
見た目にふっくらしたクッションは思いのほかコシがあり、ランバーサポートはないものの、腰の納まりはまずまず。座面後傾角はもう少しあっていい。大袈裟で劇画的なセンターコンソール付近は、室内を狭く見せている。サイドブレーキレバ−は衣類をひっかけそうだし、ドアハンドルの先端同様に指を挟みそう。その下に隠された置きスペースは手が入りにくく使いにくい。品格として上品とは言えないが、他と違う感覚は受ける。
(後席)……★★★
背もたれの角度が2段階に調節可能なのは良いが、標準時にはもう少し立ち気味が望ましい。座面の前後長が短い。4WDゆえ、フロアのセンタートンネルが高め。室内幅やヘッドクリアランスは十分。クッション表面のデザインははやや平板だが、折り畳んでトランクと繋げる構造上やむなし。そのわりには厚みはある。座面後傾角も少なく日常的に長く乗りたくなるタイプではない。
(荷室)……★★★
単独ではそれほど広くもないが、必要に応じてリアシートと繋げて使うことを前提にしたハッチバックゆえ不満はないだろう。畳んだリアシートのフロアとトランクフロアは平らに使える。これも4対6のスプリットゆえ後席に1人または2人乗せたまま長尺物も運べる。フロア下のスペースはリアデフがある関係でそれほど広くはないが、テンパー・タイプのスペアタイアの隙間に小物なら収納できる。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
2.4リッター167psと22.8kgmのパワー&トルクは1450kgの重量があっても十分な余裕がある。CVTによる滑らかな加速も、マニュアルモードでは7段階に固定して楽しむことも可能。トップギアで100km/hクル−ズは2100rpmに相当するが十分に静か。街なかではそれなりに消費するも高速道路では燃費も良さそう。回すことに感動はないが実利的に仕事をきっちりこなす縁の下の力持ち。7段階のギア比も1.2.3速の繋がりはよく、これから更にクロースさせてゆく前兆とも受け取れる。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
走り始めた瞬間も街なかの低速走行も、普通のトヨタ車と変わらず何の感銘も受けない。ちょっとブルブルする振動も、ゴムの介在を感じさせるステアリングの応答感も同じだ。ところが速度を上げて行くと意外やしっかりした感じになる。劇的とは言いがたいものの大きなうねりなどのダンピングも不足なく、コーナーでロールが大きいわけでもなく、総じてしっかりどっしりしてくる。足腰に骨太な感覚が出てきたことが喜ばしい。
(写真=郡大二郎)
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2007年2月13日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2006年式
テスト車の走行距離:2352km
タイヤ:(前)205/55R16 98V(後)同じ(いずれもヨコハマアドバン A460)
オプション装備:インテリジェントパーキングアシスト(2万4150円)/バックガイドモニター+HDDナビゲーションシステム+ETC(27万9300円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(4):高速道路(4):山岳路(2)
テスト距離:427.3km
使用燃料:45.24リッター
参考燃費:9.44km/リッター

笹目 二朗
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