スバル・レガシィツーリングワゴン3.0R spec.B(6MT)/レガシィB4 3.0R spec.B(6MT)【試乗記】
欧州戦略に感謝 2004.11.20 試乗記 スバル・レガシィツーリングワゴン3.0R spec.B(6MT)/レガシィB4 3.0R spec.B(6MT) ……359万6250円/344万4000円 ニュー「レガシィ」の登場から約1年を経て、3リッター6気筒モデルに追加された6段MT仕様「3.0R spec.B」。欧州戦略車として開発された、レガシィシリーズのトップグレードに、『webCG』記者が乗った。 拡大 |
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シフトフィールに1年
3リッター6気筒を積む「レガシィ」に、「インプレッサ」由来の6段MTを組み合わせ、足まわりにビルシュタインサスペンションを奢ったニューモデル「3.0R spec.B」が追加された。
日本市場では販売台数が見込めないであろう、300万円超のMT車をラインナップするとは、なんというか奇特。いかにもスバルっぽいなぁ……と思ったら、もとよりニューモデルの主戦場はわが国ではなかった。欧州において、プレミアムスポーツたるレガシィシリーズのイメージリーダーを担う戦略車なのである。
ボディサイズやエンジンは、当然ながら既存モデルに準じたもの。ポイントはもちろん6段MTと、穏やかにしつけられた足まわりにある。
トランスミッションは、基本的に「インプレッサWRX STi」の6段MTと同じ。新型レガシィの登場と同時にリリースできなかったのは、シフトフィールへのこだわりからという。インプレッサの6段MTはスバル自慢の高トルク対応、超ショートストロークながら、ギアを入れるたびに気合いを込めたくなるほど体育会系な代物。“プレミアム”に相応しいシフトフィールを獲得するのに、1年を要したというワケだ。
6気筒レガシィは、ストロークをやや長くする代わり、滑らかにギアチェンジできるようチューニング。ギアの精度をあげ、ノイズの低減を図った。ギア比はインプレッサの超クロースレシオではなく、ワインディングで楽しめるようにと、1〜4速をクロースさせ、5と6速をハイギアードに振った。
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あまりにスムーズ
スバルの6気筒がとてもスムーズで高回転までよどみなく回り、排気量が3リッターもあるだけにパワーも充分であることは、5ATモデルで確認済み。水平対向エンジンの特徴である低回転での細いトルクが、静止状態からの発進を難しくするかな? と心配したが、それほど気を遣うことなくクラッチをつなぐことができた。
走り出すと、スバルの6気筒ほどスムーズなユニットも珍しい、ということを実感できる。人によっては、音や振動、パワー感とも“自己主張に乏しい”と捉えるかもしれない。最近の主流である低回転からのフラットトルクもなく、ターボユニットのように、急に背中を蹴飛ばされるようなドラマもないが、緻密に盛り上がる回転とともに紡ぎ出されるパワーは、他では得られない感触。あまりに緻密&静かで、「3000rpmも回ったかな?」と思ってメーターを見たら5000rpmに届かんばかり、なんてことはザラだから、知らず知らずのうちに速度が出てしまう。ターボなら強烈な加速感をもって、ドライバーに“警告”を促してくれるが、NA6気筒はある意味“危険”。より一層の自制心が必要かもしれない。
穏やかにアグレッシブ
“spec.B”を名乗るNA6気筒のサスペンションは、その名が示すとおり、ビルシュタイン製ダンパーを装着するスポーティ版。といっても、熱血系の(?)「GT spec.B」より、ずっと穏やかにしつけられた。
特に、初期のGT系spec.Bがもつ荒々しさ(?)はなりを潜め、突き上げや挙動変化は抑えられたのだが、一方でアグレッシブに走れる一面は失っていない。ちなみに、スバルのMTモデルとしては初めて、アンチスピンデバイス「VDC」がオプション設定されたことはニュースだ。
スバルは、乗用車のマニュアルトランスミッションの販売比率が約3割もある、ちょっと変わった(?)自動車ブランドだ。新型レガシィのベーシックグレード「2.0i」のトランスミッションは4段ATのみだが、「5MTはないんですか?」という問い合わせがすくなからずあったという。
NA6気筒に6段MTを組み合わせた、スバルならではのマニアックモデル「3.0R spec.B」も、密かなブームを築くかもしれない。欧州戦略モデルに、感謝である。
(文=webCGオオサワ/写真=清水健太/2004年11月)

大澤 俊博
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