「ディーゼルエンジンにスパークプラグがないのはナゼ?」
2002.03.28 クルマ生活Q&A エンジン「ディーゼルエンジンにスパークプラグがないのはナゼ?」
どうしてガソリンエンジンにはスパークプラグが付いているのに、ディーゼルエンジンにはスパークプラグが付いていないのですか?(NKさん)
お答えします。ガソリンエンジンは、スパークプラグから出る火花を火種にしてガソリンと空気の混合気に着火します。そうして急速に燃焼(=爆発)させて、シリンダーを押し下げるわけです。
一方、ディーゼルエンジンは、火種なしで発火させ、混合気を燃焼させます。燃焼室の空気を圧縮することによりおよそ300度の高温にして、そこに燃料となる軽油を噴射すると燃焼室全体が燃えるのです。自然に発火するので、火種を起こすスパークプラグはいりません。
このように、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンでは、混合気の発火(着火)方法に違いがあります。つまり、ガソリンと軽油では、発火点の温度が異なるのです。イメージ的にはガソリンの方が自然発火の温度が低いように感じますが、実際は逆です。前述のように、軽油は300度で発火しますが、ガソリンは500度前後にならないと自己発火しません。
ですからガソリンエンジンには、スパークプラグのような火種が必要なのですね。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。