第103回:フランス車暗黒時代(後編) ―おしゃれだったアナタはどこへ? フレンチデザイン没落の原因と再生への曙光―

2026.02.18 カーデザイン曼荼羅 渕野 健太郎清水 草一
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DSオートモビルのコンセプトモデル「SMトリビュート」。今回は、フレンチデザインが迷走している理由を考察し、復活へ向けた希望を探したい。
DSオートモビルのコンセプトモデル「SMトリビュート」。今回は、フレンチデザインが迷走している理由を考察し、復活へ向けた希望を探したい。拡大

おしゃれなクルマをつくりたくてもつくれない? かつてセンスのかたまりだったフランス車は、なぜコテコテ&ゴテゴテのデザインに移行せざるを得なかったのか? カーデザインの識者とともに、フレンチデザインが変節した理由を深掘りし、復活の光を探った。

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シトロエンのCセグメントSUV「C5エアクロス」。
シトロエンのCセグメントSUV「C5エアクロス」。拡大
同じCセグメントSUVの「プジョー3008」。プジョーとシトロエンで、デザインの志向性がかぶってきてやしないか?
同じCセグメントSUVの「プジョー3008」。プジョーとシトロエンで、デザインの志向性がかぶってきてやしないか?拡大
欧州でもじわじわと進むクルマの値上がり。コスパ命のコンパクトカーも例外ではなく、たとえば「シトロエンC3」を見ると、先代の発売当初(2016年)は1万2950ユーロからだったものが、現行型は1万4990ユーロからとなっている。
欧州でもじわじわと進むクルマの値上がり。コスパ命のコンパクトカーも例外ではなく、たとえば「シトロエンC3」を見ると、先代の発売当初(2016年)は1万2950ユーロからだったものが、現行型は1万4990ユーロからとなっている。拡大
日本でのシトロエンの価格帯はというと、現行「C3」が349万円からで、ひとつ上の「C4」は447万円から、最上級モデルの「C5エアクロス」が670万5500円からといった具合だ。ちなみに、先代C3の2017年の導入時の価格は、216万円からだった。円安が憎い……。
日本でのシトロエンの価格帯はというと、現行「C3」が349万円からで、ひとつ上の「C4」は447万円から、最上級モデルの「C5エアクロス」が670万5500円からといった具合だ。ちなみに、先代C3の2017年の導入時の価格は、216万円からだった。円安が憎い……。拡大

もう以前のシトロエンには戻れない

渕野健太郎(以下、渕野):シトロエンは今、ポジションを模索しているんじゃないでしょうか? これ「C5エアクロス」ですけど、なんかとりとめのない感じがするでしょう。

webCGほった(以下、ほった):プレミアムに見せたいんだか、カジュアルに見せたいんだか。

清水草一(以下、清水):プジョーとすごく近くなって、どっちもイメージが薄くなったよね。

ほった:それについてちょっと思うんですが、今のヨーロッパって、安いクルマを全然つくれない環境になってるじゃないですか。厳しい環境規制と安全基準で、開発・生産コストが爆上がりして(参照)。それが、今のシトロエンのポジションにも影響してるんじゃないですかね?

清水:それはありそうだね。

ほった:コスト高でも一台一台、しっかり利ザヤを稼がなきゃいけないですからね。デザイン的にも、以前みたいにポップでカジュアルなものではなくて、コテコテした高見えするものにして、少しでもお金を取ろうって方向にせざるを得なくなったと。デザイナーのセンスというより、昔のかわいかったシトロエンをつくり続けるのが、環境的に難しくなったんじゃないでしょうか。