三菱ランサーエボリューションVII (5MT)【試乗記】
『ネクサス7(コンバットモデル)』 2001.02.08 試乗記 三菱ランサーエボリューションVII(5MT) 2001年1月26日に登場した三菱「ランサーエボリューションVII」。ベース車両が「ランサーセディア」になって初のモデルである。新機構「ACD」を搭載しての最新ラリーウェポンを、自動車ジャーナリストの森 慶太が、筑波サーキットでテストドライブ!!
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サーキット走行が楽しくなった
サーキット大キライ、速い自動車コワイコワイな私をして、エボVIIは「まんざら捨てたモンじゃないな俺も」とまで思わしめた。スゴい。
コーナーにツッ込みすぎたときに出る、お約束のマヌケな「どアンダー」も、また恐怖のスピンモードも見事なくらい発生させずにドライバーの意図、いや願望どおりにエボVIIは走ってくれた。2リッター+ターボが、下からちゃんと使えることもあって、280psの高出力を存分に楽しめた。
クルマと格闘しつつコース内をノタうちまわるのがこれまでの通例だったとすると、今回はドライバー+クルマのコンビでコースを相手にする感じでやれた。回転計のリミット「7000rpm」の表示を超えても頭打ちにならずキレイに回るエンジンの好感触、なんてのを確認する余裕まであった。
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「アテ布」ではなく「かけはぎ」
といって私の運転レベルが突如向上したはずもないので、やってる最中は狐につままれたような気分だった。ほかのクルマでサーキットを走っているとき、何周かに一度ぐらいの頻度で、なかば偶然のようにして発生する、「あーこの感じこの感じ」な旋回中のイイ動き。それが毎周。しかもコースの各所で。
ネクサス6ならぬネクサス7とでもいいましょうか。あ、ネクサス6は、映画『ブレードランナー』に出てくる最新世代型アンドロイドです。もちろん、コンバットモデルの方。
ボディやアシやパワートレインがイイのもさることながら、4WDを核としたきわめて高度、かつ強力なエイド機構が額面どおりに働いていることはまず疑いない。しかも、VSC(注1)系の姿勢制御と違って介入の痕跡がまったくわからなかった。あるいは、AYC(注2)を初めて装着したエボIV(これもオドロキのクルマだった)の印象の記憶と比べてはるかに自然。「アテ布」ではなく「かけはぎ」のハイテク制御だ。
「AYC+ACD」(注3)つきの2台を試して、後に乗ったほうがヨカッタと思ったらACDの作動モードが「グラベル」になっていた。こっちの方が、ターンイン時のハナの入り方がおだやかな気がして、安心できた。なるほどねえ。
(注1)VSC(Vehicle Stability Control):トラクションコントロールとABSの技術を組み合わせ、クルマの挙動を安定させるシステム。必要に応じてエンジンの出力を絞るほか、顕著なアンダー/オーバーステアに陥たった、または陥たりそうな場合、各輪個別にブレーキをかけて、姿勢の急変を抑える。
(注2)AYC(Active Yaw Control system):後輪左右へのトルク配分を制御して、旋回性能の向上を図る。
(注3)ACD(Active Centre Differential system):前後輪の回転差を、電子制御多板クラッチを使用してコントロール。4WDのトラクション性能の高さを確保しつつ、回頭性との両立を目指す機構。「ターマック」「グラベル」「スノー」、3つのモードをもつ。
(文=森 慶太/写真=郡大二郎)

森 慶太
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