ルノー・セニックRXE(4AT)【試乗記】
『学習するは我にあり』 2000.10.07 試乗記 ルノー・セニックRXE(4AT) ……249.0万円 1996年9月にデビュー。97年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーに輝き、同年9月から日本への導入が始まったメガーヌベースのミニバン。独立した、2列、5つのシートをもつ。 フランス北部は「ジョルジュ・ベッス・ド・ドゥエ工場」でつくられ、1日あたりの生産台数は、96年9月の300台から、2000年1月には1800台にまで拡大。「コンパクト&ミディアム」クラスのモノボリュームとして、ヨーロッパ全体で65.0%、フランス国内では実に79.5%のシェアを占める。 1984年に登場したアバンギャルドな先輩、ルノー・エスパス同様、ヨーロッパで、ニューカテゴリーの牽引役を果たす。ヒミツの扉
2000年9月9日から日本での販売が開始されたモデルは、可変バルブタイミング機構付き2リッターDOHC16バルブユニット(138ps、19.2kgm)搭載のビッグマイナー版。従来の2リッターシングルカムより、23psと2.4kgmの出力増大。ベロアシートのRXE(249.0万円)とレザーを奢ったRXT(269.0万円)の2グレードが用意される。
ターンシグナルライトを内蔵したツインヘッドライトとプレスラインの入ったボンネットで、顔つきキリリ。リアコンビライトの意匠が変更され、また、リアゲイトが、ガラスハッチだけの開閉が可能になったことも新しい。花束の収納もよりスマートに(カタログ写真より)。
内装では、ヘッドライトレベライザー、リアパワーウィンドウなどのスイッチが運転席正面右下のダッシュボードに集められたほか、センターコンソール下部にエアコンの冷気を導入するクーラーボックスを設置した。セニックに小物入れが多いのは驚くばかりで、リアシート足もと、リアシート下ほか、助手席側ダッシュボード上部、運転席下収納トレイが新設された。探せば見つかるヒミツの扉。
学習が足りない?
定評あるシートの良さはそのままに、革巻きとなったステアリングホイールを握って走り出せば、力強いエンジン、運転そのものが楽しいシュアなステアリング、しなやかかつストローク感ある足まわりと、圧倒的多数の美点が挙がるが、だがしかし、スケジュールの悪いATトランスミッションがブチ壊す。
スロットル開度への依存が高いためか、ペダルを踏む力を緩めるとたちまちシフトダウン、踏む量を増やすと加速もそこそこに高いギアへと移ってしまう。
ルノーフリークの方から、「マニュアル同様に操作すると、キビキビ走れます」とのアドバイスをいただいたが、そういうヒトはオートマを買わないと思います。
とはいえ、セニックのATは、9つのシフトパターンからドライビングスタイルに合ったものを選ぶ学習機能付きだから、プレス向け試乗会の「ちょい乗り」では学習が足りないのかも。ここで断を下すことはできない。「ブリーフテスト」を、乞うご期待。
「自由・平等・博愛」の御旗をかかげる国だけに、リアシートの住人も、コマンダーたる運転手と同等のシートおよび空間が与えられる。背もたれを倒してテーブルにすることはもちろん、ダブルフォールデイングや、特別な工具なくシートそのものを取り外すことが可能だ。ただし決して軽くはないから、ギックリ腰にはご用心。
(web CG アオキ/写真=小河原 認)
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【特別付録】5年で5倍に
2000年5月にルノージャポン取締役社長に就任したロベルト・パロタさんに話をうかがった。
web CG 日本ではルノー車の認知度が低いのですが、今後どうしますか?
パロタ 2つの方法を取ります。広報、ジャーナリストのヒトを通して、もっと製品を知ってもらうこと。そして、販売ネットワークを強化することです。
web CG 日産との提携のことですか?
パロタ 日産のネットワークはすばらしい。ルノー独自でもネットワークを構築して、存在感を高めたいと思います。
web CG 他社の製品に対するルノー車のアドバンテイジはなんですか?
パロタ 「デザイン」と「スポーティ」です。この場合のスポーティとは、「運転するよろこび」といった意味合いです。
web CG 販売拡大のための具体的な方策を教えてください。
パロタ 実はまだスタート時点なので、どのようにブランド名を高め、どのモデルが日本に合うのかを把握していません。とはいえ、2005年までには1万5000台を日本で売りたいと考えております。
「強気ですね」と笑うと、「自動車業界は複雑怪奇ですが、ルノーはずっと日本で活動していきます」と、パロタさんは、穏やかに、しかし真剣に応えた。
(収録:2000年9月6日)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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