BMWが「i3」と「i8」の市販型を発表【フランクフルトショー2013】
2013.09.13 自動車ニュース![]() |
【フランクフルトショー2013】BMWが「i3」と「i8」の市販型を発表
今回のフランクフルトショーで最も意欲的、かつ理想主義的な発表を行ったのはBMWだろう。いよいよ電気自動車(EV)の「i3」と、プラグインハイブリッドスポーツの「i8」の市販型を発表。「(電気で)駆けぬける歓び」を提案したのだ!
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■理想主義に共感
2013年のフランクフルトショーは、BMWが市販型「i3」と「i8」を展示したショーとして後世、記憶されることになるだろう。メッセ内を走り回るシャトルサービスのi3は、子ブタのようで愛らしいけれど、EVだからぶーぶーいわない! ほとんど無音だ。BMWが構えた11号館の中では、空中回廊のようなコースが設けられていて、そこをけっこうな速度で、これまた無音で走り回っている。未来はかくも静かなのか。
電気自動車が新しいわけではない。BMW iブランドが新しいのだ。製造工程にまで、水力や風力発電などの自然エネルギーを導入するなど、サステイナビリティーのコンセプトを徹底している。じつのところ、その本当の効果は筆者にはわからない。けれど、いま考えられることをすべてやる。その理想主義的な試みに共感しない者はいないだろう。
■「i3」の日本価格は500万円弱?
チェンジ・ザ・ワールド。エリック・クラプトンも絶対買うに違いない(知らないけど)ゼロ・エミッション・モビリティーの理想主義的シティーカー、BMW i3。全長4m弱で車重1200kg程度と、EVとしては軽量を誇る。その秘密は、三菱レイヨンの量産用CFRPを使った、超軽量にして堅固なパッセンジャーセルにある。170psと250Nm(25.5kgm)のモーターをリアに搭載、最高速度は150km/hと十分以上、0-100km/h加速は7.2秒の俊足を誇る。満充電での航続距離は160km程度ながら、発電用の650cc 2気筒エンジンを搭載すれば、300kmまで延ばすことができる。EVなら当然、化石燃料の使用はゼロ、エンジン搭載の「レンジエクステンダー」ならEUモードで0.6リッター/100km。リッター166km! 後輪駆動というところが「駆けぬける歓び」のBMWらしい。日本でも間もなく発表になる。発売は2014年。価格は500万円弱か?
シティーカーのi3に対して、i8はプラグインハイブリッドの2+2スポーツカー! ミドに搭載された1.5リッター3気筒ガソリンターボエンジンは231psと320Nm(32.6kgm)を発生し、後輪を駆動する。フロントを駆動するモーターは131psと250Nm。都市内ではEV、町を出たら、合計362ps、570Nm(58.1kgm)という強力なパワー&トルクでアウトバーンをぶっ飛ばせる。新世代の「ポルシェ911」イーターか? モーターだけでも35km走行できる。iブランドは、製造に必要な電力を風力などで発電する能力を持つライプチヒ工場で生産される。
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■新型「X5」にプラグインハイブリッドの予告編
プレミアムSUVのパイオニア、「X5」は早くも第3世代に突入している。デザインは現状維持路線をとりつつ、90kgのダイエットに成功、スポーツ性能と燃費を向上させているという。「コンセプトX5セキュリティープラス」という、AK-47自動小銃による攻撃からも乗員を守る装甲仕様のコンセプトも展示されていたらしいけれど、筆者は見逃した。単なるイメージ戦略だけでなく、現実にそういうモノが必要な世界があるということなのだろう。
平和仕様のコンセプトが、こちらのプラグインハイブリッド「コンセプトX5 eDrive」。120km/hまでEVとして走行でき、EUモードで3.8リッター/100km(約26.3km/リッター)という、SUVとしてはりっぱな低燃費を誇る。
そして自転車を室内に2台積んで展示された「コンセプト アクティブ ツアラー アウトドア」は、昔だったら「マルチパーパス」と表現されたような広い室内とをもつコンパクトカーである。95psの4気筒ターボとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドのコンセプト。その正体は、「MINIカントリーマン(日本名:クロスオーバー)」のプラットフォームを用いたBMW版と目される。「メルセデス・ベンツGLAクラス」のライバルとなるのは必定。名勝負数え歌は続く……。
(文=今尾直樹/写真=今尾直樹、BMW、IAA)
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