第52回「日産スカイライン350GT ハイブリッド」(前編)
2014.06.06 水野和敏的視点「フーガ」との住み分けがあいまいだ
今回は「日産スカイライン」(V37型)を取り上げます。先日、ダイムラー製の2リッター直4ターボを搭載する仕様が追加されましたが、今回試乗するのは3.5リッターV6の自然吸気ユニットにモーターを組み合わせた「350GT ハイブリッド」のほうです。グレードは最上級の「タイプSP」で、駆動方式は4WDではなくFRを選びました。車両価格は541万5120円。今や、スカイラインも500万円を大きく超える時代になってしまったのですね。ひとつクラス上の「フーガ」(のガソリンエンジン仕様)をも超えてしまう価格設定です。
ここで私の頭にはひとつの疑問がわいてきます。フーガは「プレミアムラグジュアリー」として存在し、スカイラインはその一クラス下に置かれ、両者は「スポーツ」というキャラクターでそれぞれにお客さまを持ち、マーケットを担ってきました。しかし、今回のスカイラインはどうでしょうか。その存在の意義はなんでしょうか?
テレビのコマーシャルでは「ハイクラスラグジュアリー」であることがうたわれていますが、それではフーガの狙いと変わりません。新型スカイラインとフーガは、価格もプレミアムラグジュアリーという狙いも、サイズもバリエーションもほとんど同じになって(日産の社内比較では「違う」のでしょうが……)、さらに世界のこのクラスの商品の中に置いてみると、多くの人にとっては違いがほとんど見えてこないのが実情でしょう。2車種を並べて、日産の高級車戦略は何を狙っているのでしょうか。結果として「できちゃった」路線なのでしょうか? それとも、この先に本当の答えが用意されているのでしょうか?
ドイツ車が仕掛け、かつてないほど競争が激化している高級車市場で、インフィニティという高級ブランドを日産が本当に守っていけるのかどうか。今後を注意深く見守っていきたいところです。
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