第19回:そうカンタンに直ると思ったか!?
2017.09.29 バイパーほったの ヘビの毒にやられまして 拡大 |
「チェックランプ灯点灯」「エアコン不動」「燃調不良」というトラブルの波状攻撃に、ついに入院を余儀なくされたwebCGほったの「ダッジ・バイパー」。今回は、“ドナドナ”からひと月が経過した時点での、現状を報告いたします……。
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ネタはなくとも書かねばならぬ
読者諸兄姉の皆さま、またしてもご無沙汰しております。webCGほったです。
早速ですが、皆さまにご報告があります。
2017年9月29日現在、まだバイパーはわが家に戻ってきておりません。2週間はかかるまいと思っていたのが、まさかの長期入院である。
これは由々しき事態である。わが機動部隊にはバイクも自転車も残されているので、生活方面での影響はさほどでもないのだが、問題はこの連載。当たり前だが、バイパーがないとネタがない。さりとて更新は続けねばならぬ。さもないと、読者の皆さまに三くだり半を突き付けられてしまうからである。
そんなわけで、今回はちょっと短め。せめてコトの途中経過を報告させていただきます。
入庫から1週間、当方からの電話に対するお店からの報告によると、無駄に燃料を噴射しまくる燃調トラブルについては、前回交換したO2センサーの不良が原因であると判明。新しいセンサーに交換したところ、アッサリ解決したという。ただし、こうこうと輝くエンジンチェックランプについては今なお原因不明。排ガス漏れとの関係はさておいて、エアコンの不動問題ともどもちょっと電装関係を疑ってみましょうか、という判断に相成った。
それにしても、O2センサーってそんな頻繁に壊れたり、不良品が出回ったりするものなの? こういっちゃ失礼だけど、ジルコニア素子と電気ヒーターを組み合わせただけのカラクリのどこにそんな壊れる要素があるのよ? などと思っていたところ、同じビルで働くI氏に「そんなことないっすよ。O2センサーの故障は『セルシオ』だと持病みたいなもんですから!」と諭された。ちなみにI氏は、このご時勢にフルカスタム・フルチューンのトヨタ・セルシオを乗り回す剛の者。自らの手を(油で)汚して“車道”を極めんとするもののふであり、本で知識を得るばっかりの記者などは、氏に言われると「なるほど、そうなのかも」と納得せざるを得ないのである。
魅惑のクルマをとっかえひっかえ……
いずれにせよ、長期入院は免れないという通告を受けたワタクシとわがバイパー。こうなるといたたまれないのが、月々の駐車場代である。何に金を使うでもない30代独身男子だが、月1万の出費が無駄になるのはやっぱり心に来る。いったん解約しようかとも考えたが、ここまで都合のいい物件(?)が次も空いているとは限らない。なにせ駐車場はわが家のとなり。歩いて5秒の好立地なのだ。そんなわけで、熟考の末に解約案は破棄。ワタクシが撮影車・取材車を預かる際にはそれを置き、せめてwebCGの経費節減に貢献することにした。
そんなわけで、このひと月でわが家の駐車場に一宿していったクルマたちを列挙すると、「マツダCX-3」「アバルト124スパイダー」「ポルシェ911タルガ4 GTS」「レンジローバー ヴェラール」「スズキ・ジムニー」「BMW M3」……。ご近所の皆さまは「あの人、何か悪い商売でも始めたのかしら?」などとうわさしているに違いない。
かようにご近所の目に恐々としつつ過ごしていた記者のもとに、お店から修理の続報が入ったのは、入庫からひと月が過ぎたころだった。
その内容をカンタンに述べると、まずは、ざっと調べられる範囲で電気回路を見てみたものの、問題は検出されず。「コンピューターが原因かも」と他車のものと交換してみても、症状に変化はナシ。この先には、「クルマ1台につき全長○km」ともいわれる配線を片っ端から洗うという“沼”が待ち受けているわけだが……。
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費用も時間も青天井の恐怖
気まずい空気が漂うなか、電話越しにメカさんは言った。
「費用や時間がどれくらいのものになるかわかりません。どうしますか?」
……出たよコレ。千葉東金道路での「ミニ全損事件」でも聞いたことのある、この問いかけ。
記者の経験上、事前にこうした連絡をくれるメカさんは、むしろ信頼のおける人物である。しかし、それでもやはり、われらビンボーユーザーをこれほど悩ませる問いかけはない。
なにせ目安となる費用や時間が分からないのだから、こちらとしては判断のしようがない。そもそも「どうしますか?」って言われても、シロートには何を聞かれているのかチンプンカンプンなのである。こちらサイドにどんな選択肢があるのか、どういう回答を求められているのか。
もちろん、メカさん&お店サイドとしては現状をただ伝えているだけで、「貴様を困らせてやろう。ケケケケ」などと思っているワケではない。そんなことしたってお店が得するわけじゃないしね。だからこれは、誰が悪いとかそういった話ではなく、強いて言うならバイパーが悪いのである。
ただひとつはっきりとしているのは、あのいまいましいチェックランプが消えない限り、わがバイパーは車検に通らないということである。
「……まさか、3桁万円にはなりませんよね?」
「さすがにそれは」
「じゃ、お願いします」
ああ、言っちまったよ。費用不明というバーリトゥードな施工に対して「お願いします」の満額回答。読者諸兄姉の皆さまは、快癒したバイパーとともに記者のもとに届けられる請求書の書面を、楽しみにしていてください。
(webCG ほった)
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堀田 剛資
猫とバイクと文庫本、そして東京多摩地区をこよなく愛するwebCG編集者。好きな言葉は反骨、嫌いな言葉は権威主義。今日もダッジとトライアンフで、奥多摩かいわいをお散歩する。
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