ステキなガレージライフ | No Garage, No Life!
「生涯の1台」スーパーセブンを心ゆくまで楽しむ大人のガレージ 2018.06.30 Gear Up! 2018 Summer 迷いなく一途に1台のクルマとの生活を極めるなら、ガレージはコンパクトでシンプルな方がいい。「ケータハム・スーパーセブン」を”生涯の1台”として愛する世界的権威のこのガレージのように。素晴らしいガレージライフというと、クルマを置いてもスペースにたっぷり余裕があるぜいたくなガレージを想像する。しかし都市部では、クルマを持つこと自体がぜいたくなこと。集合住宅ではガレージスペース自体が希少なものである場合もある。ガレージという空間の意味や価値を根本から考え直す時代である。そんな制約の中で、シンプルに優雅に、愛車スーパーセブンとのガレージライフを楽しんでいる人がいる。ケータハム・スーパーセブンが大好きな方なら、おそらく誰もが知っている斉藤隆夫さんだ。長きにわたってスーパーセブンのオーナーズクラブ事務局長を務め、ケータハム本社から依頼されて南アフリカで行われた裁判に証人として出廷したり、本社直属のコンサルタントを務めたほど。世界的にも一目置かれる存在なのである。
斉藤さんの「夢のガレージ」、スペースは1台分。止めてあるクルマはもちろん、ケータハム・スーパーセブンだ。ただ、普通のセブンではなくマニア垂涎(すいぜん)の1台。
「1992~93年にケータハム本社がベルギーのゾルダーサーキットで開催される『ゾルダー24時間レース』に参戦したのですが、このクルマは1998年に、その時のクルマを模して作ってもらったもの。実はレースに出走した本物のクルマも購入することができたのですが、本物はレースでかなりヤレていたため、乗ることはあきらめました。現在は別の日本のコレクターの方が所有しています」
洗練されたセンスが香る広くはないが心地良い空間
ポルシェなどさまざまなクルマを乗り継ぎ、スーパーセブンはもちろん、N1シビックのレースにも参戦経験があるという斉藤さん。これこそ生涯のクルマと決めた、この9台目のスーパーセブン、マニアの間では通称「ゾルダー レーシング」と呼ばれる愛車と共に、自宅でのガレージライフを楽しんでいる。
「スーパーセブンは、タイトな乗車感覚もドライビングフィールもレーシングカーそのもの。その性能を使い切るのが何よりも楽しいですね。乗ること自体がスポーツなんです。お気に入りのロードは伊豆スカイライン。あの場所での速さには自信があります(笑)。これからも、身体が許す限り、このクルマと人車一体のドライブを楽しみたいと思います」
集合住宅のガレージとしては、おそらく標準的なサイズで、決して広くはない。だが、とにかく整然として心地良い。正面右側の壁にはスーパーセブンを通じて親交が厚かったケータハム社のグラハム親子や、ケータハムと関係の深いF1ドライバー、アレッサンドロ・ナンニーニのサイン入りステアリングが、愛用のレーシングスーツやレザージャケットと共に、美しく整然と飾られている。中央の壁には、友人の画家からのプレゼントだというクルマの画が。そして、ヘルメットを収める棚が作り付けられた左側の壁はタイル貼りに。
「これは自分の手で貼ったんですよ。右側の壁にもこれから貼るつもりです」
壁の前に置かれた工具箱やスツール兼用の収納ボックスはイエローで統一。一見さりげないが、細部まで斉藤さんの美意識が貫かれているのに感心する。
ガソリンから電気へ。パーソナルな所有物から共有物へ。クルマ自体の構造や定義が劇的に変わる中で、理想のガレージとは何かを考える時代に私たちはいる。斉藤さんのガレージは洗練された、ひとつの素晴らしい解答だと思う。
(文=渋谷ヤスヒト/写真=三田村 優)

渋谷 ヤスヒト
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