会場ガイド歴10年のジャーナリストが指南する 東京モーターショー2019の歩き方
2019.10.16 デイリーコラムモーターショーのガイドとは?
モーターショーの楽しみ方のひとつに「ガイドツアー」がある。日本だけでなく世界のあちこちのモーターショーでも人気で、東京モーターショーでも、モータージャーナリストがガイドとなって約2時間のツアーを実施している。
東京モーターショーでツアーに参加するには、公式ホームページで「ガイド付き」のチケットを購入する必要がある。また、ガイド付きチケットの数には限りがあるので、毎回、開幕が近づくとチケットは売り切れ状態となる。会期中に会場でガイドツアーの存在を知っても後の祭り! ということが多いので、参加を希望する人は、なるべく早くチケットを購入することをおすすめしたい。
で、筆者はといえば、実は10年ほど前からそのガイド役を務めてきた。その経験から言えば、2時間で会場を回りきるのは、実はけっこう難しい。すべてを見ることができないため、取捨選択が重要だ。それに、ある程度ターゲットを絞った方が、その年のトレンドが理解しやすい。ちなみに、これまで筆者が案内してきたのはクルマの初心者ばかりではなく、マニアックなクルマ好きや自動車業界への就職を希望する学生、さらには現在サプライヤーに勤務中という人までいた。意外にクルマに詳しい人も多いのだ。これは、ガイドツアーを利用することで、出展車だけでなく、そのクルマにまつわる過去の流れや業界のトレンドなども理解していただけているからではないかと自負している。より深くモーターショーを楽しみたいなら、ぜひとも利用してほしいサービスだ。ご参加、お待ちしております!
……というわけで、すでに報じられているように、2019年の東京モーターショーはこれまでになく変則的な会場構成となっている。2020年に東京オリンピックが開催される影響もあって例年の会場が使えず、メインの展示会場が「AOMI EXHIBITION(青海エキシビション)」「ARIAKE EXHIBITION(有明エキシビション)」の2カ所に分断されてしまったのはご存じの通り。さらに、海外ブランドの多くが欠席(メルセデス・ベンツとスマート、ルノー、アルピーヌ、アルピナ以外)するため、クルマに限らず未来の生活を提案する「FUTURE EXPO(フューチャーエキスポ)」や、連絡通路を使った展示スペース「OPEN ROAD(オープンロード)」、試乗プロゴラムを用意した「DRIVE PARK(ドライブパーク)」なども用意された。つまり2つの展示ホールに、フューチャーエキスポとオープンロード、ドライブパークの3つを加えた、合計5カ所の見どころを用意するのが、2019年の東京モーターショーの特徴だ。
ツアーガイドならではの4大おすすめプラン
というわけで、5つの見どころが用意された東京モーターショー。ガイド歴10年の筆者としては、以下の4タイプのプランを提案してみたい。
【これぞ王道! ワールドプレミア巡りプラン】
自動車メーカーによるワールドプレミア(世界初公開)を巡るという、モーターショーの王道的な歩き方だ。ガイドツアーも、基本的にはこのプランが基本となる。ただし、ここで注意したいのが観覧する順番、というかタイミングだ。東京テレポート駅近くの青海エキシビションは、トヨタ/ダイハツ/スバルに加えて、いすゞのトラックなどが展示されているのだが、経験上、トヨタの展示ブースは非常に混む。そのため、できれば朝一番か夕方という、若干、人の少ない時間に訪れるのがおすすめだ。ちなみに青海エキシビションと有明エキシビションの間の移動はシャトルバスを利用しよう。5~10分間隔で運行される予定だ。
【見られるものは全部見たい! 東京モーターショー丸のみプラン】
プランと呼ぶには若干気が引けるが、時間に余裕がある人ならば、5つの見どころをすべて回ってみるべきだ。ポイントはウェブでの予約が必要なドライブパークとオープンロード。複数の試乗プログラムが用意されているので、それを先に抑えておき、空いた時間に他の会場を回るようにしよう。逆に、試乗プログラムを諦めて、それ以外をすべて回るという選択もある。それでも十分に見ごたえは感じられることだろう。
【乗らなきゃわかんない! 試乗プログラムに集中プラン】
ドライブパークとオープンロードという、試乗プログラムだけに絞るのも面白い。実際のところ試乗プログラムは非常に人気が高く、なかなか思うようなタイミングや時間帯に試乗できるわけではない。そこで、朝から夕方まですべて試乗に集中することで、何度も試乗を行おうというプランだ。実際に、これを実践している人も意外に多いのだ。
【自動車の明日はどっちだ!? テクノロジーにフォーカスプラン】
モーターショーにはクルマだけが展示されるわけではない。パーツサプライヤーのブースに行けば、まだ実車には搭載されていないような最先端の自動車技術を目にすることができる。サプライヤーブースが集中しているのは有明エキシビションの4階部分。非常に数が多いので、じっくり見ると意外に時間がかかる。もちろん、未来の生活を提案するフューチャーエキスポも最先端技術のオンパレード。見逃さないようにしよう。
いくつかのプランを提案してみたが、もちろん正解はどこにもない。自由に楽しむのが一番だ。アドバイスとしては、週末の正午前後が最も混雑する。混んでいるときに見るよりも、人の少ない午前中や夕方以降がおすすめだ。
(文=鈴木ケンイチ/写真=日本自動車工業会、トヨタ自動車、日産自動車、スズキ/編集=藤沢 勝)

鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。
-
日本で売れるクルマはあるのか!? 最新の“アメリカ産ニホンシャ”を清水草一が検証する!NEW 2026.1.19 アメリカからの外圧による制度変更で、北米生産モデルの国内導入を決めたトヨタ。同様に、今後日本での販売が期待できる「海外生産の日本車」には、どんなものがあるだろうか? 清水草一が検証してみた。
-
新生ノートンがいよいよ始動! 名門の復活を担う次世代モーターサイクルの姿に迫る 2026.1.16 英国のモーターサイクル史にあまたの逸話を残してきた名門、ノートンが、いよいよ再始動! その数奇な歴史を振り返るとともに、ミラノで発表された4台の次世代モデルを通して、彼らが思い描く未来像に迫った。
-
市街地でハンズオフ運転が可能な市販車の登場まであと1年 日産の取り組みを再確認する 2026.1.15 日産自動車は2027年に発売する車両に、市街地でハンズフリー走行が行える次世代「ProPILOT(プロパイロット)」を搭載する。その発売まであと1年。革新的な新技術を搭載する市販車の登場は、われわれにどんなメリットをもたらすのか。あらためて考えてみた。
-
30年の取材歴で初めてのケースも 2025年の旧車イベントで出会った激レア車 2026.1.14 基本的に旧車イベントに展示されるのは希少なクルマばかりだが、取材を続けていると時折「これは!」という個体に遭遇する。30年超の取材歴を誇る沼田 亨が、2025年の後半に出会った特別なモデルを紹介する。
-
東京オートサロンでの新しい試み マツダのパーツメーカー見学ツアーに参加して 2026.1.13 マツダが「東京オートサロン2026」でFIJITSUBO、RAYS、Bremboの各ブースをめぐるコラボレーションツアーを開催。カスタムの間口を広める挑戦は、参加者にどう受け止められたのか? カスタムカー/チューニングカーの祭典で見つけた、新しい試みに密着した。
-
NEW
ベントレー・コンチネンタルGTアズール(4WD/8AT)【試乗記】
2026.1.19試乗記ベントレーのラグジュアリークーペ「コンチネンタルGT」のなかでも、ウェルビーイングにこだわったという「アズール」に試乗。控えめ(?)な680PSのハイブリッドがかなえる走りは、快適で満ち足りていて、ラグジュアリーカーの本分を感じさせるものだった。 -
NEW
第327回:髪もクルマもナイスファイト!
2026.1.19カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。日産の新型「ルークス」で夜の首都高に出撃した。しっかりしたシャシーとターボエンジンのパワフルな走りに感心していると、前方にスーパーカーの姿を発見。今夜の獲物は「フェラーリ・ローマ」だ! -
NEW
日本で売れるクルマはあるのか!? 最新の“アメリカ産ニホンシャ”を清水草一が検証する!
2026.1.19デイリーコラムアメリカからの外圧による制度変更で、北米生産モデルの国内導入を決めたトヨタ。同様に、今後日本での販売が期待できる「海外生産の日本車」には、どんなものがあるだろうか? 清水草一が検証してみた。 -
フェラーリ12チリンドリ(後編)
2026.1.18思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が「フェラーリ12チリンドリ」に試乗。前編では伝家の宝刀であるV12エンジンを絶賛した山野。後編ではコンビを組むシャシーの印象を余すところなく聞いてみた。 -
BYDシールAWD(4WD)【試乗記】
2026.1.17試乗記BYDのBEVサルーン「シール」の機能アップデートモデルが登場。強化のポイント自体はそれほど多くないが、4WDモデルの「シールAWD」は新たに電子制御式の可変ダンパーを装備したというから見逃せない。さまざまなシーンでの乗り心地をチェックした。 -
新生ノートンがいよいよ始動! 名門の復活を担う次世代モーターサイクルの姿に迫る
2026.1.16デイリーコラム英国のモーターサイクル史にあまたの逸話を残してきた名門、ノートンが、いよいよ再始動! その数奇な歴史を振り返るとともに、ミラノで発表された4台の次世代モデルを通して、彼らが思い描く未来像に迫った。






