三菱がピックアップトラック「トライトン」を発売 12年ぶりの国内導入
2023.12.21 自動車ニュース![]() |
三菱自動車は2023年12月21日、フルモデルチェンジした1tピックアップトラック「トライトン」を2024年2月15日に発売すると発表した。日本導入は12年ぶりとなる。
◆ギャラリー:新型「三菱トライトン」を写真で詳しく紹介(80枚)
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約560万台が生産された世界戦略車
三菱トライトンは1978年に発売された「フォルテ」をルーツとする1tピックアップトラックで、初代モデルから5世代にわたり45年で約560万台を生産。約150の国と地域で販売されてきた三菱の世界戦略車である。新型トライトンは「Power for Adventure」の商品コンセプトを掲げ、日本で開発が進められた。内外装デザインからシャシー、ラダーフレーム、エンジンなどを一新し、まずは2023年7月に生産工場のあるタイで販売が開始された。
今回日本で販売されるのは、ダブルキャブの4WD車で、マリンスポーツやウインタースポーツ、キャンプといったアウトドアアクティビティーの可能性を広げ、ユーザーの冒険心に応える三菱らしさを表現するモデルのひとつと紹介されている。
特徴は以下のとおり。
- 耐久性と信頼性を極限まで磨いた独自開発のラダーフレームに大型ボディーと高出力ディーゼルエンジンを搭載。
- 新開発のサスペンションによる良好な乗り心地や優れた操縦安定性、クロスカントリーモデル「パジェロ」譲りの「スーパーセレクト4WD-II(SS4-II)」システムや7つのドライブモードによって高い走行性能を実現。
- 頼もしく存在感あるフロントフェイスとワイドで厚みのあるプロポーション、機能的で操作性に優れ、上質感を持ったインテリアデザイン。
- 衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)などの先進安全装備やコネクテッド技術による安全性や快適性に加え、幅広いアクセサリーをラインナップ。
2.4リッター直4ディーゼルの最高出力は204PS
ボディーサイズは上級グレードの「GSR」が全長×全幅×全高=5360×1930×1815mm、エントリーグレードの「GLS」が同5320×1865×1795mm。ホイールベースはいずれも3130mmで、車両重量は前者が2140kg、後者が2080kgとなる。
フロントには三菱のデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を採用し、立体的なグリルとフェンダーからつながる力強い造形とプロテクターなどでタフなイメージを強調。デイタイムランニングライトに立体的な3眼プロジェクターを組み合わせるヘッドランプデザインも同モデルの特徴だ。大型化されたカーゴベッド(荷台)が備わり、ベッドライナー(荷台カバー)装着時でもJIS規格パレットの積載が可能。従来モデルよりも45mm低い820mmの荷台高や、バンパーコーナー上面をフレームで補強し足を乗せるスペースとするなど、実用面のアップデートも行われている。
インストゥルメントパネルまわりは走行時の車体姿勢の変化をつかみやすい水平基調のデザインを採用。プロフェッショナルユースを意識し、乗員保護のためのソフトパッドを要所に組み込んでいる。セレクターやダイヤル、スイッチ類は視認性にこだわりながら、手袋をしたままでも操作できるよう程よい節度感を実現。ステアリングホイールやグリップ、ドアハンドルは握り心地やたくましさを追求したという。
エンジンは4N16型と呼ばれる2.4リッター直4ディーゼルターボで、回転数と負荷に応じて2つのタービンを協調させる2ステージターボシステムを採用。最高出力204PS/3350rpm、最大トルク470N・m/1500rpmを発生し、6段ATと組み合わされる。
サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン式、リアが強度を確保しながら軽量化したリーフスプリング式となり、いずれも大径のショックアブソーバーが備わる。
7つのドライブモードを設定
三菱自慢のSS4-IIシステムには、後輪駆動の2H、フルタイム4WDの4H、センターディファレンシャル直結の4HLc、さらにローギア―ドの4LLcの4種類が設定される。走行中にダイヤル式のセレクターで簡単に4WDモードを変更することができ、センターディファレンシャルがフロント40%、リア60%に駆動力を配分。トラクション性能とコーナリング性能を両立させるトルク感応式LSDも備わっている。
それぞれの走行モードに対応した7つのドライブモードを設定しているのも新型トライトンの特徴だ。すべての駆動方式に「NORMAL」モードが用意され、さらに2Hには経済性を重視した「ECO」、4Hには「GRAVEL」と「SNOW」、4HLcにはトラクション性能を引き出す「MUD」と「SAND」、4LLcには「ROCK」の各モードが設定される。
また、コーナー内側の前輪に弱くブレーキをかけることで旋回性を向上させるアクティブヨーコントロール「AYC」を新たに採用。空転している車輪にブレーキをかけて路面をグリップしている車輪に駆動トルクを分配し、滑りやすい路面などで安全性を高めるとともにスポーティーな運転を楽しむことができるアクティブLSD(ブレーキ制御タイプ)も備わっている。下り坂で一定のスピードを保持して走行できるヒルディセントコントロール(HDC)、坂道発進での後退を防止するヒルスタートアシスト(HSA)なども採用されている。
ボディーカラーは「ヤマブキオレンジメタリック」(GSRグレード専用色)や「ブレードシルバーメタリック」、「ホワイトダイヤモンド」「レッドソリッド」「グラファイトグレーメタリック」「ジェットブラックマイカ」をラインナップしている。
GSRグレードはフロントグリルがボディー同色で、ドアミラーやフロントバンパーガーニッシュ、ドアハンドルがブラックに、フロント、サイド、リアの各アンダーガードがダークチタニウムとなる。ブラックのルーフレール、フェンダーアーチモール、荷台のスタイリングバーなどで精悍(せいかん)さを演出し、インテリアにおいてもメタリックの加飾部分をブラック基調とすることで全体を引き締めながら、オレンジのアクセントカラーを配している。
運転支援機能「e-Assist」では、先行車の加速・減速に追従し設定した車間距離を保ちながら走行するレーダークルーズコントロールシステム(ACC)をはじめとし、衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)や踏み間違い防止アシスト(EAPM)、車線逸脱警報システム(LDW)&車線逸脱防止支援機能(LDP)、後側方車両検知警報システム(RCTA)など9つの機能を搭載している。
価格はエントリーグレードのGLSが498万0800円、上級グレードのGSRが540万1000円。
(webCG)