マツダで型式指定申請における不正が発覚 対象は「マツダ2」など5車種で約15万台

2024.06.03 自動車ニュース webCG 編集部
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マツダは2024年6月3日、国土交通省から要請を受けた「型式指定申請における不正行為の有無等に係る実態調査」に関する調査報告の内容を発表した。

過去生産車3車種、現行生産車2車種で不正が発覚

マツダでは、調査対象期間にあたる2014年1月~2024年1月の10年間に行われた、すべての型式指定申請における2403試験を対象に調査を実施。2つの試験項目において計5試験で不正があったことを確認し、2024年5月30日に国土交通省に結果を報告した。

不正の対象となった車両の台数は、生産実績として15万0878台、販売実績として14万9313台。

不正の内容は、以下の2件である。

【過去生産車3車種について、衝突試験における試験車両の不正加工】
前面衝突時の乗員保護に対する認証試験において、エアバッグを車載センサーの衝突検知による自然起爆ではなく、外部装置を用いて時間指定で起爆させた試験実績があった。不正対象車種は以下のとおり。

アテンザ(商品改良モデル)
仕向け:日本
生産期間:2014年11月~2018年4月
生産実績:2万9547台
販売期間:2015年1月~2018年5月ごろ
販売実績:2万9505台

アクセラ(商品改良モデル)
仕向け:日本
生産期間:2016年8月~2019年2月
生産実績:4万6067台
販売期間:2016年9月~2019年3月ごろ
販売実績:4万6046台

アテンザ/マツダ6(商品改良モデル)
仕向け:日本
生産期間:2018年4月~2024年4月
生産実績:2万2094台
販売期間:2018年6月~
販売実績:2万1641台

【現行生産車2車種について、出力試験におけるエンジン制御ソフトの書き換え】
ガソリンエンジンの原動機車載出力に対する認証試験において、量産車両と同一状態のエンジン制御ソフトにより出力試験を行うべきところを、点火時期補正機能の一部を停止させた制御ソフトによる試験実績があった。不正対象車種は以下のとおり。

ロードスターRF(商品改良モデル)
仕向け:日本
生産期間:2018年6月~
生産実績:1万0930台
販売期間:2018年7月~
販売実績:1万0760台

マツダ2(1.5リッターガソリンエンジン搭載 商品改良モデル)
仕向け:日本
生産期間:2021年6月~
生産実績:4万2240台
販売期間:2021年6月~
販売実績:4万1361台

安全性の問題はないと説明

マツダでは今回の調査結果を踏まえ、すでに生産を終了している3車種については社内にて技術検証および再試験を行い、前面衝突時の乗員保護性能について、法規で定められた基準を満たす性能を有していることを確認していると説明。該当する車両に引き続き乗っていても、安全性の問題はないとしている。今後は法規適合性の確認などの対応を、国土交通省と相談しながら進めていくという。

一方、現在生産を継続している対象車種2車種については、2024年5月30日より一時出荷を停止。こちらの不正については安全性に関連するものではなく、該当する車両に引き続き乗っていても、安全性の問題はないとしている。今後は量産車と同じ状態で再試験を行い、あらためて型式指定について当局の審査を受ける準備を進めているとしている。

マツダは今回発覚した不正につて、「試験が認証法規に準拠した状態で実施されたかをチェックする仕組み、およびガバナンス体制の整備不足」「認証法規に準拠した試験を実施するための手順の不備」「認証法規に準拠した試験条件を安定的に満たす設備の整備不足」の3点が原因であると説明。以下の再発防止策を講じるとした。

●試験が認証法規に準拠した状態で実施されたかをチェックする仕組み、およびガバナンス体制の再整備
●認証法規に準拠した試験を適正に実施するための手順書の見直し・教育・実践の徹底
●認証法規に準拠した試験条件を安定的に満たす設備の整備強化

(webCG)

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