メルセデス・ベンツE220dアバンギャルド(後編)
2024.09.05 あの多田哲哉の自動車放談 車両開発のプロである多田哲哉さんが自ら試乗を希望した、新型「メルセデス・ベンツEクラス」。ライバル「BMW 5シリーズ」との違いも含め、その仕上がりについて語ってもらった。「共用しない」のはさすが
新型Eクラスは、多田さんをして「まだ進化するのか!」と驚かせたヘッドアップディスプレイや、見るからにインパクト大の「MBUXスーパースクリーン(助手席側まで広がるディスプレイ)」など、いわゆるインフォテインメント方面の進化も大きい。一方で、プラットフォームやエンジンなどの主要コンポーネンツを従来の改良型として、ボディーサイズやパッケージレイアウトの変化も最小限。まさに正常進化だ。
「新型Eクラスは、セダンの王道ともいうべき進化の道筋に乗っている感じがしますね。コンフォートやセーフティー……といった伝統的なキーワードによるクルマづくりでは、これ以上、どう進化すればいいのか、私にもよくわかりません」と多田さんは言う。
そんなEクラスは、同じ車格の電気自動車(EV)である「EQE」とは、完全に別のクルマである。一方、新型Eクラスと同時期に刷新されたBMW 5シリーズは、EVとエンジン(内燃機関)車、さらにプラグインハイブリッド車と、すべてのパワートレインを同じボディーで用意する。
「新しい5シリーズには、重いEVを想定したシャシーに内燃機関を積んだモデルがあります。この連載でもお話ししましたが、5シリーズのボディー剛性は、純粋な内燃機関車には過剰なまでにカチカチです。剛性が高いことは基本的にいいことですが、同時にボディーで衝撃をいなす味わいもなくなっていて、5シリーズの内燃機関モデルには、まるで“担がれたカゴ”に乗っているかのようなフィーリングがあります」
「一方で、新型Eクラスに乗っていても、そうした不自然さはまったく感じられません」
このように、内燃機関車とEVを明確に分けるメルセデスのクルマづくりを、多田さんは高く評価する。しかし、そんなメルセデスも、世界的なEV普及の一服感もあってか、次世代モデルでは内燃機関車とEVを共通プラットフォームにするとのウワサもある……。
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