セガがレーシングシミュレーター『Project Motor Racing』を11月に発売 山野哲也選手が開発協力
2025.09.25 自動車ニュース![]() |
ゲーム大手のセガは2025年9月25日、同年秋に発売するレーシングシミュレーター『Project Motor Racing(プロジェクトモーターレーシング)』の開発協力者にレーシングドライバーの山野哲也選手を迎えると発表した。
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セガはスイスのゲームパブリッシャーGIANTS Softwareと日本国内およびアジア向け新作タイトルに関するサブパブリッシング契約を締結。プロジェクトモーターレーシングの製造と販売を担当する。
開発は20年にわたってレーシングシミュレーターを手がけてきたゲームスタジオのStraight4 Studiosが担当。新開発した720Hzの物理エンジンなどを基盤に、プロフェッショナルレベルのモータースポーツを忠実に再現した本格レースシミュレーションゲームに仕上がっているという。
ゲーム中に登場する車両はすべて各メーカーの正式ライセンスを取得。本物を追求したハンドリングに加えて、流体および燃焼シミュレーションによる自然で非線形なスロットルコントロールを再現。天候や大気条件、レースラインや乾燥ラインの変化、昼夜サイクルなども忠実に表現したという。
プロジェクトモーターレーシングがユニークなのは「ファクトリードライバープログラム」という制度を導入している点にある。これは車両の挙動をよりリアルに仕上げるために実車のドライバーやトップシムレーサーから直接フィードバックを得るためのプログラムであり、山野選手は日本のトップドライバーとしてこれに参加する。
プロジェクトモーターレーシングの物理挙動はタイヤやメーカーのCADなどのデータに基づいて開発されているが、熱劣化モデルや路面再現度など、現実世界にはデータとして存在しないパラメーターもある。それを補うのが実走した感覚なのだ。プログラム参加者は開発中のバージョンをテストし、挙動や操作感などを詳細にフィードバック。これらのデータによって完成度を高める狙いだ。
今回の山野選手の担当は「マツダMX-5(ロードスター)」の競技車両。レーシングドライバーとしてまず気になったのは、ステアリングタイプのコントローラーを操作した際に画面上の車両の動きが遅れることだったという。60km/h以下では思ったとおりに動くのだが、それを越えると遅れが目立ち、うまくアウトインアウトができなかったそうだ。
プロジェクトモーターレーシングには詳細すぎるほどの項目を持つセッティングモードが備わっており、トランスミッションやトラクションコントロールなどはもちろんのこと、バネレートやキャンバー角、トー角をはじめとした足まわり(各輪ごと)、プリロードやランプ角などのディファレンシャルギア、さらにタンク内の燃料量なども自在にコントロールできる。「実車と同じ」(山野選手)水準であり、これを調整したところ自在にドライブできるようになり、その後は夢中でドライブし続けたそうだ。
山野選手は美麗なグラフィックにも驚いたとのことで、ロールバーにタイラップで留められたパッド、太陽の位置まで反映した光の当たり方、走行中に前方を横切る鳥などが気分を高めてくれるそうだ。
山野選手の考える“運転がうまい人”とはクルマの限界の100%を常に引き出せる人だという。実際には短時間だけ101%、すぐに99%に下げてリカバリーを繰り返し、平均すると100%になるのが理想とのことである。レジェンドドライバーならではの高みといえるレベルだが、山野選手によればプロジェクトモーターレーシングで鍛えればこの水準の90%までは到達できるそうだ。
山野選手が「運転がうまくなりたかったら、まずはここからスタート」と語るプロジェクトモーターレーシングは2025年11月25日に発売予定。「PlayStation5」「Xbox Series XIS」などに対応しており、価格は7590円。すでに予約注文受け付けがスタートしている。
(webCG)