新型「マツダCX-5」が登場 絶版となった先代ディーゼル車の中古価格はどうなる?
2026.06.25 デイリーコラムディーゼルを積む「CX-5」の中古車価格が気になる
通算3代目となる新型「マツダCX-5」が2026年5月21日、ついに発売された。
新型CX-5が搭載するパワーユニットはさしあたり2.5リッター直4ガソリンエンジンにマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたもので、2027年中には、従来のSPCCI(火花点火制御圧縮着火)エンジンを進化させた「SKYACTIV-Z」に、独自のハイブリッドシステムを組み合わせた新ユニットも追加される。そしてご承知のとおり先代(2代目)で多くの支持を集めた2.2リッター直4ディーゼルターボ「SKYACTIV-D 2.2」は、新型には搭載されない。
となると気になってくるのが、SKYACTIV-D 2.2を搭載する先代型中古車の相場動向だ。きわめてトルクフルで経済的な2.2リッター直4ディーゼルターボエンジンを搭載した先代の中古車相場は、今後、高騰していくのだろうか? それとも、意外とそうでもないのか? 下町の中古車評論家として予想してみることにしよう。
結論から申し上げると、先代ディーゼルターボ車の中古車平均価格は「当面は横ばい。その後、SKYACTIV-Zの追加からしばらくして、上か下にやや大きく振れる」というのが筆者の見立てだ。
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2つの力が影響し新相場を形成する?
当面は横ばい傾向が続くと考える理由は、先代ディーゼルターボ車の中古車においては今、「相場を押し上げる力」と「押し下げる力」が拮抗(きっこう)しているからだ。
年間1万kmや1万5000km以上ぐらいは軽く走る層にとって、先代ディーゼルターボ車の「軽油の安さ×450N・mの最大トルク」は、新型のマイルドハイブリッドはもちろんのこと、2027年中に登場するSKYACTIV-Zを待つ必要がないほど最強コスパにつながる決定的な要素だ。
そこに「最新の軽自動車を買う金額に毛が生えた程度といえる総額260万円前後で、大幅改良後世代の良質な中古車が買える」という事実が加われば、先代ディーゼルターボ車の中古車相場を押し上げる力になる。
しかし同時に、新型は中間グレードでもFF車なら乗り出し価格400万円前後で収まるという現実的な価格となり、なおかつ装備内容や後席の広さなどもきわめて魅力的であるため、さほど距離を走らない層のうちの一定数は、確実に新型へと流れるはず。さらに先代ディーゼルターボ車の中古車は、今後ディーゼル特有の煤(すす)の詰まりやEGR系のメインテナンス費用を警戒する層の一部が、自然と敬遠し始めるだろう。よってこれらが、その中古車相場を押し下げる力になる。
そしてこの2つの力がおおむね拮抗することで、先代ディーゼルターボ車への極端な需要の集中=高騰は起きないが、かといって先代ディーゼルターボ車に唯一無二の価値を感じるユーザーも少なくないため、型落ちになったことに起因する暴落も起きない。つまり上下方向に働く力が拮抗した結果としての“凪(なぎ)”が発生する──というのが、筆者の予想だ。
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総額200万円台で手に入る極上のSUVに
筆者が見立てる“拮抗”をもしも正しいとするならば、先代ディーゼルターボ車、特に2021年12月に行われた大幅改良以降世代の中古車平均価格は、おおむね以下のような推移をたどると予想される。
まず2026年後半は新型の納車が本格化し、先代からの乗り換えで発生した下取り車が中古車市場へ流れ込む。これにより一時的に流通量が増えるため、現時点(2026年6月)では総額280万円前後である場合が多い走行3万km未満の後期型も、総額250万付近のレンジに収まってくる可能性が高い。ここが、筆者のような庶民にとってはベストバイのタイミングとなるだろう。
そして2027年中のどこかのタイミングでSKYACTIV-Zが追加されたときが、相場の分岐点となるはず。その実燃費と価格および魅力のバランスを、市場が「意外と大したことないな……」的に評価した場合には、先代ディーゼルターボ車の価値が再評価され、その平均価格は若干上昇することになる。
しかし市場がSKYACTIV-Z+ストロングハイブリッドを「かなりいいやんけ!」と評価した場合には、先代ディーゼルターボ車はある意味その役割を終え、緩やかな値落ちへと転じる。良質物件でも総額200万円前後で入手できる環境へとなっていくだろう。
いずれにせよ、新型CX-5が「全方位でまずまず素晴らしい完成度」と思える出来栄えだったからこそ、先代ディーゼルターボ車は相場高騰を免れ、「総額200万円台で手に入る、知る人ぞ知る極上のSUV」というポジションに落ち着くものと思われる。というか、筆者はそう予想する。
短期的な値動きに一喜一憂することなく、ご自身の価値観や美意識、そしてお財布事情に照らし合わせ、新旧CX-5のどちらを選択するか明鏡止水の心で検討していただければ幸いだ。
(文=玉川ニコ/写真=マツダ、webCG/編集=櫻井健一)
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玉川 ニコ
自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。
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