第341回:「スカイアクティブZ」は大丈夫か
2026.08.03 カーマニア人間国宝への道デカく感じる新型「CX-5」
前回はマツダの「CX-80」に試乗(参照)し、「次回は『CX-60』に乗りたいな~」と書いたところ、早速、当連載の編集担当であるサクライ君からメールが届いた。
「次回、新型『マツダCX-5』の4WD車に試乗できそうですが、いかがでしょう」
あれ、CX-60じゃなくCX-5? まぁいいや、なにしろマツダの屋台骨だし。
思えば、マツダのクリーンディーゼル「スカイアクティブD」を初めて搭載したのは、初代CX-5だった。あのトルクには本当に感動した。あれ以来私は本気でディーゼルのファンになり、1.3リッター直4ディーゼルターボを積んだ「フィアット・クーボ」を皮切りに、「BMW 320d」「プジョー508 GT BlueHDi」と乗り継いでいる。どれもマツダじゃなくてすみません。
ところが新型CX-5にはディーゼルがない。当面は2.5リッター直4ガソリン+マイルドハイブリッドだけ。ディーゼルのないCX-5って、カーマニア的にどうなのか。
当日夜。わが家にやってきた新型CX-5は、暗闇のせいか、すごくデカく感じた。CX-80も強烈にデカかったけど、それと同じくらいデカく感じる。
オレ:これ、デカいね!
サクライ:はい。デカくなりました。先代比で全長が115mm長くなってます。
オレ:え、そんなもん?
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最初からアタリの足まわり
体感的には、もっともっとデカくなったように思える。それはおそらく、キャビン上部の絞り込みを減らして、頭でっかちになったからだろう。つまり、ボディーの拡大分以上に、居住空間が拡大されているのだ。もはや居住空間などそんなにいらない中高年にとっては、特にメリットはないが、一般の方には、広くて立派に見えるのはいいことだろう。
東京・杉並の住宅街を走りだすと、最初の一時停止でカックンブレーキになってしまった。ブレーキサーボが強すぎて、コントロールが難しい。マツダはペダルの操作性にすごくこだわっていたはずだけど。
そのまま首都高に乗り入れると、乗り心地がとてもいい。近年のマツダは、「マツダ3」、CX-60と硬すぎる足が連発され、その反省からか、CX-80は逆にブワブワ気味だったけど、CX-5は硬すぎず柔らかすぎず、とってもフツーにちょうどいい。ハンドリングもいい感じで、フツーによく曲がる。マツダがやっと最初からアタリの足まわりをつくったようだ。
一方パワートレインは、なんとも物足りない。街なかではモーターのトルクで軽快に加速するが、首都高で回転を上げ気味に走ると、2.5リッター4気筒ガソリンエンジンの凡庸なフィーリングが目立つ。6段ATも旧態依然で、キックダウンのレスポンスの悪さは、一昔前のクルマの雰囲気だ。
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スカイアクティブZはマツダの切り札
オレ:マツダは開発予算が足りないんだろうね。このAT、真剣に古臭いよ。
サクライ:確かにちょっと。
オレ:マツダって、「スカイアクティブX」とか「ロータリーEV」とか、技術的な大失敗続きだから、そりゃ予算も尽きるよね。
サクライ:2027年にはCX-5に「スカイアクティブZ」が載る予定なので、そっちに予算が取られたのかもしれません。
思えば最近のマツダ車は心配事が多い。足がガチガチなんじゃないかとか、理論ばっかで加速も燃費もイマイチなんじゃないかとか。そんなマツダで、スカイアクティブDはテッパンの安心材料だったんだけど、それも今度のCX-5にはナイ。
オレ:スカイアクティブZ、ホントに大丈夫かな?
サクライ:Zと命名するってことはマツダの切り札でしょうから、大丈夫でしょう。
確かにZはアルファベットの最後。つまり背水の陣である。マツダにとっては、日本海海戦のZ旗だ。皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ。敗戦は許されない。
オレ:んでもカーマニア的には、海のものとも山のものともつかないスカイアクティブZより、CX-60の3.3リッター直6ディーゼルがいいんじゃない? あれはホントに名機だから!
サクライ:いや、Zが頑張ってくれると思います。
だといいんだけど、仮にZがスカだったら、直6ディーゼルをCX-5にブチ込めないもんか。ムリなら2.2リッター直4ディーゼルの復活でもヨシ。ロータリーEVをブチ込むのはナシでお願いします。
(文=清水草一/写真=清水草一、webCG/編集=櫻井健一/車両協力=マツダ)
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清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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