ポルシェ セントラル ミーティング開催
2010.06.14 自動車ニュース日本列島のヘソにポルシェが大集合〜「ポルシェ セントラル ミーティング」開催
2010年6月13日、愛知県蒲郡市のラグーナ蒲郡で「ポルシェ セントラル ミーティング」が開かれた。
■ネットで広がるポルシェの輪
古くは「356」から最新の「パナメーラ」まで、参加台数325台+スタッフの車両11台で計336台が集った「ポルシェ セントラル ミーティング」。日本でこれだけのポルシェが一堂に会す機会はほかにあるのだろうか? いや、ポルシェに限らず、メーカーやインポーターではなく愛好家が主催するワンメイクイベントで、これ以上の規模を誇るものはあるのだろうか? そう思わせるイベントだった。
それだけのビッグイベントなら、さぞかし歴史があるに違いないと思われるかもしれないが、なんと今回が第1回。厳密にいえば昨年の6月に初回が開催されているのだが、スタッフによれば昨年はあくまで「お試し」段階の「0回」と考えているのだという。
前回の開催のきっかけは、ファミレスでのポルシェ談義だった。昨年の2月、地元愛知県のポルシェオーナー、といってもたった3人で「ミーティングをやってみたいね」と話したのが始まりだったという。当人たちも当初はネットを通じて知り合ったポルシェ仲間に声をかけて、せいぜい20〜30台の、いわゆる「オフ会」を考えていた。ところがどんどん話が膨らんで、結果的には285台を集めるビッグイベントに化けてしまったのだった。
それがネットに集うポルシェオーナーの評判を呼び、今回の開催は当初から注目を集めていた。参加募集はウェブサイトのみで、5月1日の午前0時に開始したところ、46時間後に300台の募集枠が埋まった。間に合わなかったオーナーから懇願され、会場キャパシティの限界となる25台を追加募集したところ、今度は1分半で完了。
それでも参加登録できなかった、あるいは参加こそしなかったものの、ミーティングが気になるオーナーも少なからずいたようで、当日、会場となったラグーナ蒲郡の臨時駐車場に隣接する一般駐車場で見かけたポルシェも数十台を数えた。
ポルシェ関連のイベントはほかにもあるだろうに、なぜこんなに盛況なのか? スタッフに尋ねたところ「参加費が安くて、気軽に参加できるからではないでしょうか」という、ごくシンプルな答えが返ってきた。
参加費は2000円だが、その金額にはショッピングモールやテーマパークを擁する複合施設であるラグーナ蒲郡で使える商品券1000円分が含まれている。さらに参加者には、この日のために作られたステッカーやネックストラップなどのノベルティも配布されることも考えれば、非常にリーズナブルである。いっぽうポルシェなら車種、年式、ノーマル/改造の別を問わないという大らかな参加規定もまた、人気の秘訣(ひけつ)とみた。
■歴代モデルが勢ぞろい
336台の内訳はというと、車種別でもっとも多かったのが当然ながら歴史の長い「911」で、計234台と半分以上を占めた。さらに911をタイプ別にみると、「996」の49台を筆頭に「964」が46台、「993」が43台、「930」が42台、「997」が39台と僅差で続き、クラシックな「ナロー」は15台だった。逆にもっとも少なかったのは「356」「914」「928」「カレラGT」の各1台だった。あるスタッフが「歴代市販モデルのコンプリート、という夢はとりあえず達成された」と語っていたが、たしかにそのとおりだった。
「ポルシェ セントラル ミーティング」の「セントラル」とは、日本列島のほぼ真ん中にある中部地方の蒲郡で開催することから名付けたそうだが、このロケーションも盛況の一因であるようだ。会場となるラグーナ蒲郡は、東名高速の音羽蒲郡インターから約20分。東からも西からもアクセスしやすいため、北は新潟や福島、西は四国や山口からのエントリーもあった。
印象的だったのは、自身がポルシェオーナーである企画運営スタッフの仕切りのよさ。エントラントの誘導をはじめ、セレモニーの段取り、ノベルティの制作、そして協賛企業への対応など、立ち上げて間もないイベントの割には万事ソツがなく、スムーズに進行しているように感じられたのだ。
聞けばクルマのイベントに関しては素人とはいうものの、スタッフの中にはラグーナ蒲郡の社員もいれば、ノベルティやウェブサイトを制作するデザイナーや当日の様子を記録するカメラマンなど、その道のプロが少なからずおり、個々の能力を適材適所で発揮した結果ということらしい。
スタッフのみならず参加者も含めて、そうした大人たちが「ポルシェが好き」という共通項で出会ったのも、ネットあればこそ。その意味では、このミーティングは巨大な「オフミ」だった。
(文と写真=田沼 哲)
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