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【スペック】全長×全幅×全高=4930×1870×1835mm/ホイールベース=2890mm/車重=2160kg/駆動方式=4WD/4リッターV6SOHC24バルブ(213ps/5100rpm、35.1kgm/3700rpm)/価格=430.0万円(テスト車=同じ)

フォード・エクスプローラーXLT(4WD/5AT)【試乗記】

芸がないわけではない 2008.01.24 試乗記 サトータケシ フォード・エクスプローラーXLT(4WD/5AT)
……430.0万円
フォードを代表する本格派SUV「エクスプローラー」がデザイン変更を受け、装備が追加された。ベーシックモデル「XLT」でその乗り心地を試す。
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居心地がイイ

夜、『webCG』編集部で「フォード・エクスプローラーXLT」のキーを受け取って、暗い駐車スペースでご対面。エクスプローラーXLTは、2008年モデルから前後バンパーがボディ同色となっている。上級グレードのV8エディーバウアーはいままで通りボディとバンパーが別の色に塗られているけれど、同色のほうが精悍なツラ構えでカッコいいのではないか。個人的にはそう思う。

エクスプローラーXLTに乗り込むと、肩の力が抜けてホッとする。色はキャメル、生地はクロスというインテリアは、よく言えば素朴で木訥とした雰囲気、悪く言えば野暮ったいムード。でも、ぬる〜い温泉につかっているようで気分は悪くない。というか、かなり好きです。
モノトーンで統一し、必要とあらばアルミやカーボンでぱっつんぱっつんに“お化粧”する欧州製プレミアムSUVだと、こういうリラックスした気分にはならない。エクスプローラーがぬるい温泉だとするならば、欧州製プレミアムはちょっと緊張しながら入る冷水風呂とかサウナだ。

エンジンに火を入れて走り始めても、ぬるくて居心地がいいという印象は変わらない。4リッターのV6は快音を発するわけでも、回転フィールが上質なわけでもないけれど、頼りがいのあるトルクを供給してくれて扱いやすい。5ATの変速は充分に素早くスムーズで、不満はない。
乗り心地はソフト。路面状況の悪いところでザラザラとした感触を伝えるのは玉にキズではあるけれど、おおむね快適だ。ボディの見切りがよくて車幅を把握しやすいから、狭い路地でも不安に感じることはない。
ただし、ストップ&ゴーが続く都内の道では、ブレーキペダルのタッチが曖昧なことと、ブレーキを踏んだ瞬間のノーズダイブが気になった。

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大船に乗った気分

翌朝、早起きして撮影のために遠出をすると、このクルマの魅力が強調された。エクスプローラーの魅力とはつまり、大船に乗った気分が味わえることだ。心穏やかに移動できる幸せを噛みしめることになる。
100km/hで流す時、エンジンは5速2000rpm弱でユルユルと回っている。ホワンとした乗り心地が体に優しく、このまま地の果てまで走れるような気分になる。
何台かが車線変更を繰り返しながら先を急いで追い抜いていくけれど、そんなことは全然気にならない。そういうセコセコした気持ちを忘れて淡々と距離を重ねていると、自分が心の大きな人間になったような気さえしてくる。クルージングならブレーキを踏まないからノーズダイブも起こらない。

正直、ノーズダイブのほかにコーナリング時のロールが大きいことも気になる。だから機械的に洗練されているとはお世辞にも言えないのだけれど、温和なキャラクターは何者にも代え難い。細かな芸は覚えないけれど人なつっこい大型犬みたいなクルマなのだ。いや、3列シートのアレンジは簡単で実用的、4駆のメカニズムもしっかりしたものだから、芸がないわけではないのだ。

とはいえ、大型犬を思うままに走らせるとエサ代が気になる昨今であるからして、燃費に厳しい都市部ではなく、やはり長距離をクルーズするような使い方をする人におすすめします。

(文=サトータケシ/写真=高橋信宏) 

ライターのサトータケシ。
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写真をクリックするとシートアレンジが見られます。
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サトータケシ

サトータケシ

ライター/エディター。2022年12月時点での愛車は2010年型の「シトロエンC6」。最近、ちょいちょいお金がかかるようになったのが悩みのタネ。いまほしいクルマは「スズキ・ジムニー」と「ルノー・トゥインゴS」。でも2台持ちする甲斐性はなし。残念……。

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