第66回:Roy Graceを偲ぶ(その4)
2007.09.01 広告のススメ第66回:Roy Graceを偲ぶ(その4)
前回に続いて、ロイ・グレースが制作したフォルクスワーゲンの広告「2 Little House」(1969年)を紹介する。
大きい方が安い?
ナレーション
男:さぁジェニー、勉強をはじめよう。
ジェニー:いいよ。
男:大きな家は、小さな家よりたくさん人が入る。どちらの方が値段が高い?
ジェニー:大きな家。
男:その通り。それじゃあ次。大きなスーツケースは、小さなスーツケースよりたくさん荷物が入る。どっちが高い?
ジェニー:大きなスーツケース。
男:OK
ジェニー:OK?
男:OK。では次。いいかい、ジェニー。大きな冷蔵庫は、小さな冷蔵庫より容積が大きい。で、どっちの値段が高いだろう?
ジェニー:大きな冷蔵庫。
男:その通り。
ジェニー:簡単よ。
男:次のスライドだ。さあジェニー、大きなフォルクスワーゲンは、小さなステーションワゴンより、人がたくさん乗れて、荷物も運べる。容積は2倍もある。では、どっちの値段が高いかな?
ジェニー:大きなフォルクスワーゲン。
男:いや、違うよジェニー。
ジェニー:違う?
男:違うんだよ。大きなフォルクスワーゲンの方がずっと安いんだ。
ジェニー:なぜだかわからない。
男:ぼくもだよ。
スライドを使った設定が面白い。家でも冷蔵庫でも、サイズが大きい方が値段は高いと相場が決まっているのに、フォルクスワーゲンのバンだけは、例外であることを訴求している。
【VW「2 Little House」】
Volkswagen“2 Little House”
アートディレクター:Roy Grace
コピーライター:John Noble
プロダクション:Henry Sandbank
エージェンシー:Doyle Dane Berabach
(1969 The Art Directors Club Distinctive Merit)
(文=金子秀之/2003年10月)
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金子 秀之
早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。
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