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「458スペチアーレ」は「360チャレンジ ストラダーレ」や「430スクーデリア」の後継となるV8フェラーリベースのスペシャルモデル。ちなみにフェラーリは「スペチアーレ」(英語の「スペシャル」に相当)の名称を1960年代の後半に、ショーモデルにしばしば使ったが、量産車ではあまり例がない。
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このクルマの大きな見どころに、空力性能の改善がある。フロントバンパー下部(跳ね馬エンブレムの両脇の黒い部分)にはフラップが備わり、速度に応じて動き、空力性能の最適化を図る。
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リアディフューザーでは、テールパイプレイアウトを見直すことで表面積の拡大を図り、ダウンフォースを強化した。またフロントと同様に可動式のフラップを備え、ダウンフォースが必要なときは上がり、ドラッグを削減したいときは下がる(最大引き下げ角は17度)。
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Cl値(ダウンフォース)は0.53で、Cd値は0.35。リアスポイラーは大型化され、迎え角が強められている。
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リアエンドのデザインも変更を受け、メッシュグリルが全幅にわたって設けられた。試乗車のボディーカラーはモデナイエロー。オプションのレーシングストライプが入る。
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アルカンターラとカーボンファイバーが多用された室内。標準車とはひと味違う、シンプルかつスパルタンな雰囲気が漂う。
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4.5リッターV8自然吸気エンジンは605psと55.1kgmを発生する。なお、試乗車のエンジンルームにはオプションのカーボン・エンジンコンパートメントが装着されている。
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ボンネットにはラジエーターからの熱気を上方に排出するアウトレットが設けられた。
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新たにラジエーターアウトレットを設けたために、標準車と比べてトランクの前後長が短くなっている。
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動力性能は0-100km/h加速が3.0秒で、0-400m加速が10.7秒、最高速は325km/h以上と発表されている。ちなみに、フェラーリのテストコースであるフィオラーノのラップタイムは、あの「エンツォ・フェラーリ」(1分24秒9)をしのぐ1分23秒5。
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サベルト製のスポーツシートが装着される(リクライン機構付き)。中央部は通気性に優れた「ブリーザブル3Dファブリック」で、その周辺(黒い部分)はアルカンターラ。
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シートのシェルはカーボンファイバー製。
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ステアリングは標準車に準じる。センターパッドの周辺にウインカー、ワイパー、エンジンスタートなどの各スイッチが配置され、右下にドライブモードを切り替えるスイッチ、マネッティーノが備わる。
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タイヤサイズは前が245/35ZR20、後ろが305/30ZR20。性能向上とともにブレーキは見直され、より高性能なカーボンセラミックブレーキ(ブレンボ製)が採用された。100-0km/h制動は31m。
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箱根のレフトハンダーを行く「458スペチアーレ」。
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フロントの左右に設けられたターニングベーン(整流板)は、気流の速度を抑えてダウンフォースの強化を目的としたもの。
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左右のサイドシルの後端部に設けられたエアロフィンも、ダウンフォースの強化を目的としている。
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フェラーリ458スペチアーレ
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『フェラーリ458スペチアーレ(MR/7AT)【試乗記】』の記事ページへ戻る