「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2015」(前編:イベント広場/ピット編)
2015.12.01 画像・写真2015年11月29日、静岡県小山町の富士スピードウェイで「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2015」が開かれた。これは今回で18回目を迎えた、恒例の日産/NISMOのモータースポーツファン感謝イベントである。一昨年は日産創立80周年、昨年はNISMO創立30周年を記念しての開催だったが、今回はそうした特別な企画はなし。とはいえ、例年同様に「熱い一日」だった。
こうしたファン感謝イベントは他社でも実施しているが、筆者の目には、NISMO FESTIVALがもっともコアなファンの心情に近いところで企画されているように映る。プログラムの中から例を挙げれば、プロドライバーによるレーシングカー同乗走行。そのプログラム自体は他社のイベントにもあるとはいえ、レジェンドドライバーが操る、歴史に名を刻んだ希少なマシンにまでファンを乗せてしまうところは、日産/NISMO以外にはない。体験するファンからすれば、日産/NISMO党としてこれ以上の喜びはない、と言っても過言ではないプログラムであろう。実際にレースを戦った、型遅れのレーシングマシンのパーツ販売もしかり。大きなエアロパーツを抱えて、あるいは重いホイールを提げて歩いているファンの、満足気な表情が印象的だった。
そうしたファン目線のNISMO FESTIVALを楽しもうと、早朝から3万人の来場者が集結した会場の、イベント広場やパドック、ピットにおける光景を紹介しよう。(文=沼田 亨/写真=沼田 亨、webCG)
→「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2015」(後編:サーキットバトル編)はこちら

-
グランドスタンド裏イベント広場のステージで行われたオープニングセレモニー。参加全選手および監督が登壇した。
-
参加選手を代表してあいさつするのは、ロニー・クインタレッリ選手とともに「オーテック・モチュールGT-R」を駆り、SUPER GTのGT500クラスを2連覇した松田次生選手。
-
ステージで行われたSUPER GTトークショー風景。写真は右から松田次生、ロニー・クインタレッリのGT500クラス2連覇ペア、そして今季のGT500クラスでドライバーズランキング2位となった「カルソニック IMPUL GT-R」の安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組。
-
イベント広場に設けられたNISMO大森ファクトリーのブース。型式名BNR32、33、34の「スカイラインGT-R」に積まれた3基のRB26DETTユニットをはじめ各種パーツ類を展示、エンジンの分解・組み立ての実演も行われた。
-
NISMO大森ファクトリーのデモカーである「スカイラインGT-Rグランドツーリングカー」(BNR32)。現行R35「GT-R」用のガンメタリックに塗られ、NISMO仕様のエアロパーツを装着したボディーをはじめ、シャシー、エンジンから内装まで手が入れられたコンプリートカーである。
-
来場者にとってお目当てのひとつであるNISMOグッズの販売ブース。毎回、開場時間から長蛇の列ができる盛況ぶり。
-
マニアにはたまらない、型落ちのレーシングマシンに使われていたパーツの販売ブース。中央に見える「GT-R」用バンパーは5万円ナリ。
-
2013年シーズンのGT500マシン/GT3マシン用マグネシウムホイールは1万円均一。
-
マグネシウム製とはいえ、これだけ太いとけっこうな重量のあるホイールを軽々と運んでいた外国人の2人。聞けば中古の「スカイラインGT-R」を母国ノルウェーに送るビジネスをやっているそうで、右側の彼(名前失念)は自身もBNR32と34を2台ずつ所有する大のスカイラインファンとのこと。
-
会場限定となるチャンプマシン「モチュール・オーテックGT-R」のミニカー。1/18エブロ製、1/43エブロ製、1/64京商製、タカラトミー製チョロQの4種類。
-
恒例のプログラムである「サーキットサファリ」。この日出走するレーシングカーが、チェックやウォームアップのためにビュンビュン走っている本コースを大型バスで並走する。同時にレーシングドライバーの運転するニスモコンプリートカーに同乗する「サーキットタクシー」、そしてホンモノのレーシングマシンの走りを助手席で体験する「レーシングカー同乗走行」も実施された。
-
2003年の全日本GT選手権(SUPER GTの前身)のGT500クラスで、影山正美/リチャード・ライアン組によってランキング3位となった「モチュール・ピットワークGT-R」も、レーシングカー同乗走行に供された。
-
1998年のルマンで総合3位に入った「R390 GT1」もレーシングカー同乗走行に登場。ドライバーは星野一義監督で、これを体験した同乗者は、日産/NISMOファンとして最高の栄誉に浴したと言っていいだろう。
-
「R390 GT1」のコックピットから、星野監督が「まかせといてよ!」とばかりにポーズ。
-
チェック走行を繰り返していた、1992年のデイトナ500の優勝車である「R91CP」と69年日本グランプリの優勝車である「R382」。
-
「R382」の調子をスタッフに伝える、レジェンドドライバーの北野 元氏。北野氏はホンダの二輪グランプリライダーとして活躍後に四輪に転向。1968年の日本グランプリで「R381」を駆って優勝、翌69年のグランプリでは、この「R382」で2位に入った。
-
6代目R30「スカイライン」の姿をしているが、中身はパイプフレームを持つレーシングカーである、スーパーシルエット仕様の「トミカスカイラインターボ」。コックピットにおさまるのは、もちろん長谷見昌弘監督。
-
チェック走行を終えてピットに収まった「NISMO GT-R LM」の前には、ひときわ多くのファン、それも女性の姿が。理由は1995年のルマンでこのマシンを駆り、総合10位入賞を果たしたドライバー(レーシングスーツの後ろ姿)の近藤真彦監督。
-
ピットには走行はしなかったものの、グループCカーからツーリングカーまで多くのマシンが展示されていた。
-
本コースにおけるメインイベントである「CRAFT SPORTS presents NISMO GP 2015」の前に行われたグリッドウォーク。文字通り、立錐(りっすい)の余地もないほどの大盛況。