ヒルクライム「2017 アバルトカップ 第3戦」の会場から
2017.08.02 画像・写真2017年7月30日、群馬県利根郡みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンターで、「2017 アバルトカップ 第3戦」が開かれた。アバルトカップはさかのぼること四半世紀、1992年に2人のアバルト好きによって始められた、ショートサーキットにおけるタイムアタックイベントである。名称に「アバルト」を冠してはいるが、年式や車種を問わずに参加可能で、千葉県山武市にあるナリタモーターランドを主な舞台に、年間4戦のシリーズ戦として継続開催されてきた。今回は通算100回を迎える記念すべき開催ということで、ステージを群馬サイクルスポーツセンターに移し、アバルトカップとしては初めてというヒルクライムを実施した。
スペシャルイベントとあって、参加台数は通常の約60台より多い80台弱。1960年代のモデルから最新の「124スパイダー」までのアバルトをはじめ、フィアット、アルファ・ロメオ、ランチアなどのイタリア車を中心に、フランス、ドイツ、そして日本車と、バラエティーに富んだモデルが集まった。ヒルクライムコースは、緑豊かな山中にある全長約6kmのコースを分割し、それぞれ2km弱となるAとBの2つのコースを設定。競技車両もやはりAとBの2つのグループに分けて同時進行で競技を行い、午前と午後で双方のコースを走り、タイムを合算して順位を決定するという仕組みだ。競技の合間のランチタイムには、これも初回からの伝統という、おいしいイタリアンが振る舞われるのも、参加者にとっては楽しみのひとつである。
当日は朝から時折雨粒が落ちてくる気まぐれな空模様だったが、午前、午後ともまるで図ったように、競技開始前にはピタリとやんだ。歴史の長い、常連参加者の多いイベントとあって、競技とはいえ和気あいあいとした雰囲気に包まれていた会場から、出走車両を中心に紹介しよう。
(文と写真=沼田 亨)
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1/28小排気量車クラスからカーナンバー順に並び、スタートを待つ参加車両。左の列には奇数ナンバー(Aグループ)、右の列には偶数ナンバー(Bグループ)の車両が並んでいる。
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2/28アバルトカップを企画し、25年間、100回にわたって継続して主催・参戦してきたおふたり。1974年「フィアット・アバルト124ラリー」に乗る佐々木晴英さん(左)と、76年「フィアット・アバルト131ラリー」に乗る角田幸弘さん(右)。ご両名とも、愛車とはアバルトカップを始める前からの付き合いという。
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3/28スタート前、連なって完熟走行する参加車両。
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4/281995年「フィアット・チンクエチェント トロフェオ」。日本ではほとんど存在を知られていない、3代目「フィアット500」をベースにアバルトが仕立てたラリー用限定車両。クラスA(1000ccまで)で優勝。
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5/281985年「アウトビアンキA112アバルト」。
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6/281980年「フィアットX1/9」。
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7/28先に紹介した佐々木さんの1974年「フィアット・アバルト124ラリー」。クラスC1(1979年までの1501~2000cc)で優勝。
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8/282001年「フィアット・プントHGTアバルト」。
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9/282009年「フォルクスワーゲン・ルポGTI」。
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10/281972年「アルファ・ロメオ・ジュリアスーパー」。
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11/281975年「アルファ・ロメオ・アルフェッタGT」。クラスC1で3位入賞。
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12/281972年「ポルシェ911T」。
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13/282016年「プジョー208GTi by PEUGEOT SPORT」。
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14/28この日のトップタイムを記録し、Rクラス(スーパーセブン、フォーミュラなどが参加)で優勝した1996年「ケータハム・スーパーセブン」。湘南ヒストリックカークラブが主催する大磯ロングビーチのジムカーナの常勝マシンでもある。
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15/281990年「ローバー・ミニ1000」。
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16/281967年「アルファ・ロメオGT1300ジュニア」。クラスB(1001~1500cc)で3位入賞。
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17/281972年「ランチア・フルビア クーペ1600HF」。
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18/281971年「トライアンフGT6」。
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19/281997年「プジョー106GTi」。
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20/281989年「アルファ・ロメオ75TS」。クラスC2(1980年以降の1501~2000cc)で3位入賞。
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21/28主催者のひとりである角田さんの1976年「フィアット・アバルト131ラリー」。クラスC1(1979年までの1501~2000cc)で、相棒の佐々木さんに次いで2位入賞。
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22/282010年「アバルト500」。
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23/281992年「ランチア・デルタHFインテグラーレ エボリューションI」。クラスD(2001cc~)で優勝。
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24/281987年「BMW M3」。
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25/281995年「東京R&D カドウェル」。エンジンは5バルブ仕様のトヨタ4A-GEを縦置きする。
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26/281996年「トヨタMR-S」。3台参加した日本車のうちの1台。
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27/281969年「フィアット・アバルト1000TC」。クラスA(1000ccまで)で3位入賞。
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28/281960年「フィアット・アバルト850TC」。緑の森に吸い込まれていくようなコースである。