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1/102021年7月に発売された新型「トヨタ・アクア」。バッテリーにはバイポーラ型ニッケル水素電池が採用される。
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2/10従来のバッテリーは一つひとつのセルを配線で接続しているのに対して、バイポーラ電池ではセル同士を背中合わせに直接接続しているのが異なる。
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3/10一般的なバッテリーセルの図解。セパレーターで仕切られた電解液に、正極と負極を浸した構造となっている。
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4/10「日産リーフ」に使用されるリチウムイオンバッテリーのセル。左側から出ているのがタブ(端子)だ。62kWh仕様の「リーフe+」では、このパウチ状のセルが288個も搭載される。
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5/10リチウムイオンバッテリーのパウチセルに挿入される、正極と負極の電極シート。充放電の際には、集電帯全体からタブへと(あるいはその逆に)電子が流れるため、大きな抵抗が発生することとなる。
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6/10既存の構造のバッテリーでも、内部抵抗を低減する工夫は進んでいる。米テスラは次世代の円筒形電池において、集電体の側面全体をタブとすることで内部抵抗を低減する構造を取り入れるとしている。(出展:テスラ)
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7/10電子が移動する距離の短さと、通過する通り道の“広さ”により、バイポーラ電池では電気抵抗が大幅に低減。電池の高出力化を実現した。
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8/10バイポーラ電池は、両面にそれぞれ正極と負極の電極活物質を塗布した集電体とセパレーターを交互に重ねた構造となっており、製造に際して非常に高い精度が求められる。また、ひとつの容器内に複数のセルが収まる構造から、セルの間で高い密閉性を保持するための技術も必須だった。
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9/10新型「アクア」に搭載されるバイポーラ型ニッケル水素電池。従来型のニッケル水素電池と比べ、セルあたりの出力が約1.5倍、同スペース内に搭載されるセルの量が1.4倍となっており、結果として約2倍のバッテリー出力を実現している。
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10/10トヨタは次世代のリチウムイオンバッテリーで新構造を採用するとしているが、筆者はこれを「バイポーラ電池」ではないかとにらんでいる。

鶴原 吉郎
オートインサイト代表/技術ジャーナリスト・編集者。自動車メーカーへの就職を目指して某私立大学工学部機械学科に入学したものの、尊敬する担当教授の「自動車メーカーなんかやめとけ」の一言であっさり方向を転換し、技術系出版社に入社。30年近く技術専門誌の記者として経験を積んで独立。現在はフリーの技術ジャーナリストとして活動している。クルマのミライに思いをはせつつも、好きなのは「フィアット126」「フィアット・パンダ(初代)」「メッサーシュミットKR200」「BMWイセッタ」「スバル360」「マツダR360クーペ」など、もっぱら古い小さなクルマ。
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