モーターサイクルショー「EICMA 2021」の会場から
2021.12.07 画像・写真2021年11月25日から28日まで、イタリア・ミラノで世界最大級のモーターサイクルショー「第78回EICMA(エイクマ)」が開催された。昨年は感染症拡大によってキャンセルされたため、今回は2年ぶりの、しかも11月後半にスケジュールを後ろ倒ししての開催となった。華やかな会場から、各メーカーが発表した新型車を注目のトピックとともに紹介する。
(文と写真=河野正士)
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1/36ホンダはスーパースポーツモデル「ファイアーブレード」シリーズの誕生30周年を記念する「CBR1000RR-RファイアーブレードSP 30周年記念モデル」を発表した。前回(2019年)の「EICMA」で発表した「CBR1000RR-Rファイアーブレード」をベースに、車体には1992年にデビューした初代ファイアーブレード「CBR900RR」のトリコロールをアレンジしたグラフィックを採用。30周年記念ロゴやイグニッションONで表示されるカラーディスプレイのオリジナルムービー、トップブリッジ上のシリアルナンバーなども特徴となっている。また「CBR1000RR-Rファイアーブレード」は2022年モデルで各部がブラッシュアップされ、操作性を高めるアップグレードが行われているという。会場内のブースには、30周年記念モデルと初代ファイアーブレードが並べて展示されていた。
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2/36欧州で人気のAT(オートマチックトランスミッション)アドベンチャー「ホンダX-ADV」の兄弟モデルとなる「ADV350」も発表された。X-ADVといえば、クラッチ操作を必要としないバイク用DCT(デュアルクラッチトランスミッション)によるイージーな乗り味と、ちょっとしたオフロードもこなすタフなシャシー、そしてイタリア・ローマに拠点を置くホンダR&Dヨーロッパによるキレッキレのデザインで人気を博している。ADV350はそのスタイリングをしっかりと継承しつつ、欧州で販売されているスクーター「フォルツァ350」をベースとすることで、街なかでの使いやすさにフォーカスしたモデルとしている。日本で人気を博している「ADV150」よりも車体はひとまわり大きく、たくましさが増している感じだ。
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3/36先にオンラインで発表されていたホンダの新型ツーリングモデル「NT1100」もお披露目された。アドベンチャーモデル「CRF1100Lアフリカツイン」とエンジンやフレームなどを共用しながら、前後17インチホイールや専用サスペンション、大型タンク、大型カウルを有するオリジナルデザインを採用。オンロードに特化したセッティングと最新の電子制御デバイスが多数装備されていることから、長距離走行における快適性向上に加え、スポーツ性も高められていると想像できる。
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4/36ヤマハは2021年11月上旬から、オンラインで少しずつ2022年モデルを発表。「EICMA」ではそれらの車両がズラリと展示された。新型「XSR900」はその1台で、プラットフォームを共有する「MT-09」がフルモデルチェンジを受けたことに伴い、こちらも新しくなった。ボディーデザインはこれまで同様、ネオクラシックカテゴリーに属するものだが、旧モデルと比べてモチーフとする時代がやや新しくなり、“ネオ”の割合が大きくなったと感じる。燃料タンクに見るニーグリップ付近のエッジの造形や、タンクとシートをつなぐサイドカバーと一体となったシートカウルのデザインが非常に美しい。
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5/36「EICMA」直前に発表となったのが、2022年モデルの「ヤマハXSR700」。1980年代初頭に発売された2ストロークエンジン搭載のスポーツモデル「RZ350(輸出モデル名:RD350)」のグラフィックをモチーフにした、新しいボディーカラーを採用している。
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ホンダ の中古車
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6/36ヤマハの次世代スタンダードモデル/ネイキッドモデルである「MT」シリーズ。その頂点に君臨する「MT-10」も最新型に進化し、スタイリングを一新した。欧州の排出ガス規制「ユーロ5」に適合するために吸排気系を見直し、また各操作系も改良している。125ccから1000ccまで幅広いラインナップを持つMTシリーズは、ここにきて各モデルの改良および“代替わり”が進み、シリーズで一貫したスタイリングとなった。このMT-10も、兄弟車種で共通する切れ上がった細身のデイタイムランニングランプが特徴となっている。さらにグレーのボディーにペパーミントグリーンのホイールという、2022年型MTシリーズに共通のカラーリングも個性的だ。
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7/36大排気量スポーツスクーターカテゴリーで気を吐く「ヤマハTMAX」もモデルチェンジされた。これまでストリームラインを貫いてきたボディーデザインを一新。ヘッドランプまわりに彫りの深い切り返しやエアインテークを採用するなど、欧州では“マンガデザイン”とも呼ばれる、カクカクとしたスポーツバイクのトレンドが取り入れられた。また大型カラーディスプレイに加えてジョイスティックコントローラーを採用するなど、インターフェイスの操作性向上も図っている。
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8/36カワサキは2つのモデルをアンベール。そのひとつが「ヴェルシス650」だ。カワサキのオンロードアドベンチャーツーリングモデルであるヴェルシスの650cc版は、初心者からベテランまで幅広いユーザーをターゲットにしている重要な一台。最上級モデルである「ヴェルシス1000」をモチーフにした新しいスタイリングに加え、2つのモードを選択できるトラクションコントロールやカラーディスプレイの採用など、装備の強化も図っている。その立ち姿は威風堂々としていて、他の650ccモデルとは一線を画す雰囲気を持っていた。
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9/36カワサキが発表したもう1台のモデルが「ニンジャH2 SX」だ。新たにボッシュ製の先進運転支援システム「ARAS」(アドバンスト・ライダー・アシスタンス・システム)を搭載。車体前後に搭載したレーダーセンサーにより、ACC(アダプティブクルーズコントロール)やBSD(ブラインドスポットディテクション)などの機能を実現している。また、この前方レーダーの搭載に合わせて、フロントカウル上部のデザインも変更。カワサキ独自のスマートフォンアプリと連携する、カラーディスプレイも採用されている。
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10/362021年9月末に発表された「カワサキZ650RS」も展示された。ネイキッドスポーツ「Z900」をベースにレトロモダンな外装を付与した「Z900RS」が成功を収めたことから、その手法をミドルクラスのモデルにも採用。2気筒エンジンを搭載する「Z650」をベースに開発されたのがZ650RSである。1970年代半ばに登場した初代Z650は、先に発売された「900スーパー4(Z1)」と同様に並列4気筒エンジンを搭載するミドルスポーツモデルで、“ザッパー”の愛称で親しまれた。Z650RSは、その初代Z650に通じる軽快なスタイルと乗り味を再現。「EICMA」の会場には、新旧2つのモデルが展示された。
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11/36前回2019年の「EICMA」において、カワサキとの合弁会社設立とニューモデル「テージH2」を発表したビモータ。今回は新型車「KB4」を発表した。ネオクラシックスタイルのフルカウルを持つその車両は、「カワサキ・ニンジャ1000SX」用のエンジンを、ビモータが独自に開発したスチール鋼管製のトレリスフレームに搭載したものだ。削り出しのアルミスイングアームや本革シートなど、ビモータのこだわりが各所に見られる。
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12/36ビモータが発表したもう1台の新型車が「KB4RC」。「KB4」をベースにネイキッド化したカフェレーサーモデルである。フロントカウルの取り外しにあたり、ライトまわりや、シートカウル内のラジエーターに走行風を取り込む車体前方のダクトのデザインは変更されているものの、フレームやエンジンといった車体のプラットフォームはKB4と共通である。
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13/36スズキは一般公開日前のプレスデーで3台のマシンをアンベール。トップを切って紹介されたのが、「ヨシムラSERT Motul」のグラフィックをまとった「GSX-S1000」だ。ヨシムラSERT Motulは、2021年のロードレース世界耐久選手権でタイトルを獲得したチームである。プレゼンターは同チームのライダーであり、スズキMotoGPチームの開発ライダーも務めるシルバン・ギュントーリが務めた。
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14/36人気のネオクラシックモデル「カタナ」も2022年モデルに進化。今回の改良では、エンジン内部や吸排気系のパーツを見直し、出力特性と操作性を向上。トラクションコントロールシステムや、3つの走行モードを備えたライディングモードセレクターも設定が改められた。同車の発表では、スズキのファクトリーチームからMotoGPに参戦するアレックス・リンスがプレゼンターを務めた。
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15/36プレスデーでは、2020年にスズキのファクトリーチームから参戦し、MotoGPのタイトルを獲得したジョアン・ミルも登場。そのファクトリーチーム「チーム・スズキ・エスター」のグラフィックをモチーフにした、特別カラーの「GSX-S1000」をアンベールした。
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16/362021年9月に発表された新しいコンセプトのスポーツツアラー「スズキGSX-S1000GT」も出展された。スズキは一般公開日に、ブース中央にカラーの異なる3台のGSX-S1000GTを展示。すでに世界各国で販売が始まっているモデルではあるものの、多くの来場者が“またがり待ち”をするほどの人気を博した。これまでのスズキのスポーツツーリングモデルというと、ネイキッドモデル「GSX-S1000」をベースにフルカウルを装備した「GSX-S1000F」があった。そのベースモデルであるGSX-S1000が新型となったことに伴い、このツーリングバージョンも一新されたというわけだ。従来型よりパワフルになったエンジンを、細部の改良やセッティングの変更しによって仕立て直し、足まわりやライディングポジションもツーリング仕様に変更している。
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17/36MVアグスタのスーパースポーツモデル「F3」ファミリーに新たに加わったのが「F3 RR」だ。スイングアームをフレームに結合するピボットプレート部を再設計。縦剛性とねじり剛性を高め、サーキットを含めたスポーツ走行でのパフォーマンスが大幅に向上しているという。エンジンに関しても、内部パーツの素材や形状を見直すことで、摩擦を抑えて慣性マスも低減。出力特性の改善とともに、耐久性の向上も図られた。スタイリングにおいても大きな変化が与えられており、フロントカウルの両サイドには、高いダウンフォークを生み出すフォージドカーボン製のエアインテークが新たに設けられた。
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18/36かつてMVアグスタを駆って多くのタイトルを手にしたレジェンドライダー、ジャコモ・アゴスチーニ。「Ago(アゴ)」のニックネームで親しまれた彼とMVアグスタは、これまでも何度となくコラボレーションモデルを発表してきた。その最新版となるのが、この「スーパーベローチェ・アゴ」だ。311台限定のこのモデルには、アゴによる直筆サインに加え、特別デザインの燃料タンクキャップにシリアルナンバーも採用。かつてアゴが駆ったワークスレーサーのような、滑らかな曲線のサイレンサーも装備される。
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19/36EICMA開幕前から、MVアグスタがティザー動画などで展開していた「Lucky Explorer Project(ラッキー・エクスプローラー・プロジェクト)」の全容も明らかに。それは、かつて“カジバ時代”にダカールを制覇したマシンをモチーフにした、2台のアドベンチャーモデルのリリースだった。その1台がこちら。「9.5」と名づけられたこのマシンは、MVアグスタのメインエンジンである800ccの並列3気筒をベースに、排気量を931ccに拡大。足の長い前後サスペンションにフロント21インチ/リア18インチのホイールなど、本格的なオフロード走行を想定したシャシーを組み合わせている。さらに、前後サスペンションにはザックス製の電子制御システムを採用していることや、スマートフォンと接続が可能な7インチのTFTカラーディスプレイを搭載するなど、詳細なディテールも発表されている。価格や発売時期などは未定だ。
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20/36「ラッキー・エクスプローラー・プロジェクト」で発表されたもう1台のマシンは、排気量554ccの並列2気筒エンジンを搭載する「MVアグスタ5.5」である。本格的なオフロードマシンである「9.5」とは違い、フロント19インチ/リア17インチのホイールを採用。パートナーシップを結んでいる中国のZhejiang QJmotor(BenelliやKEEWAY、QJmotorなどのブランドを所有)と共同開発されたこのマシンは、オンロードとオフロードの両方に適した、より広いユーザーにアプローチできるマシンのようだ。
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21/36このほどブランド創立100周年を迎えたモト・グッツィは、それを記念するモデル「V100マンデッロ」を発表した。既存のモデルより“V型2気筒・縦置き”というエンジンレイアウトとシャフトドライブは継承したものの、そのエンジンはこれまで受け継がれてきた空冷エンジンとは全くの別モノ。それによって、近代的なボディーデザインと車体レイアウトを実現している。また先進の電子制御デバイスも多数搭載。走行状況や走行モードに応じて自動的にフロントスクリーンの角度を調整し、ライダーの負担を軽減する装置なども採用される。
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22/36事前にティザー動画や写真などが流通していたアプリリアの新型アドベンチャーモデル「トゥアレグ660」も正式に発表された。すでに発売され、好評を博している「RS660」や「トゥオーノ660」の660cc並列2気筒エンジンを搭載。本格的なオフロード走行を想定した前後サスペンションやホイールが装備されている。幅が狭く、鋭く切り立ったような形状のスクリーンは、今日のダカールラリーなどに参戦する最先端のラリーモデルに通じるトレンドである。軽量コンパクトでスリムな本格的アドベンチャーモデルの人気は高く、常に多くの来場者に囲まれていた。
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23/36中国のCFMOTOは、今回初めてプレスカンファレンスを実施。“初日の最終時間枠”という悪条件にもかかわらず、多くの報道関係者を集め、注目度の高さを証明した。その理由のひとつは、2022年にMotoGPの下位カテゴリーであるMoto3に参戦すると発表したからだ。2013年から技術協力関係にあるKTMのMoto3マシンを使用し、CFMOTOブランドで参戦するという。またKTMグループのデザインまわりを一手に担うデザイン会社「KISKA(キスカ)」ともグローバルパートナーとなっており、製品デザインを同社が手がけていることも注目の要因だ。肝心のカンファレンスでは2台のマシンをアンベール。その1台が「300SR」。水冷単気筒DOHC 4バルブエンジンを搭載する、スーパースポーツカテゴリーのエントリーモデルだ。
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24/36CFMOTOがアンベールしたもう1台のマシンは、コンセプトモデル「SR-C21」だ。エンジンに関しては「排気量は400cc以上の2気筒」とのみ表記。そのエンジンもフレームも新設計とされているが、詳細は明らかにされていない。2022年に市場投入が予定されているという。各部のつくり込みを含め、精度もデザイン力も非常に高く、市販化が大いに楽しみである。
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25/36イタリアンブランドのモトモリーニは、前回(2019年)の「EICMA」にコンセプトモデルとして出展したアドベンチャーモデル「X-CAPE(エックスケープ)」の市販バーションを発表した。新たに開発した排気量649cc並列2気筒エンジンを搭載しており、また本格的なオフロード走行も考慮したシャシーを採用。ツーリングをサポートするケースなどのアクセサリーも、多数ラインナップする。
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26/36モトモリーニは、前回の「EICMA」でコンセプトモデルを発表した「6 1/2(セイ・エ・メッツォ)」の市販バージョンも発表。エンジンやフレームなど、プラットフォームはアドベンチャーモデル「X-CAPE」と共用。ロードモデルとスクランブラーモデルの中間的な位置づけにあるマシンの特性に合わせ、前後サスペンションやホイールサイズ、タイヤ、ライディングポジションが変更されている
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27/36オフロードに特化したイタリアンブランドであるファンティックは、ラリー用の競技車両「XEF450ラリー」を発表した。オフロードレースのなかでも、ファンティックが得意とするエンデューロレース用の最高峰モデル「XEF450 4T」をベースに、各部をラリー向けに改良。2022年の年始早々にサウジアラビアで開催される、ダカールラリーに参戦する予定だ。2022年夏ごろより市販も計画しているという。
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28/36ファンティックは「FANTIC SCOOTER(ファンティック スクーター)」と銘打った電動スクーターのコンセプトも発表した。“100%イタリアン”というキャッチフレーズを掲げたこのプロジェクトは、キャブレターや電子制御系パーツを開発・販売するデロルトと、電動バイクによるロードレース世界選手権「MotoE」に2022年まで車両提供を行う電動バイクメーカー、エネルジカ、そして電動パワートレインの開発を行うレイノバとのトリプルコラボレーションによるもので、それぞれが開発したモーターとインバーターを持ち寄り、ファンティックが設計するマシンをモト・ミナレッリがアッセンブリーするという。新しいモビリティーの世界を見据えた、イタリアのチャレンジ精神が表れている。
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29/36トライアンフは2021年11月上旬に発表した限定モデル「スラクストンRS TonUP(トンナップ)エディション」を展示した。高出力版の排気量1200cc水冷並列2気筒エンジンや、セパレートハンドル、ショーワ製倒立フロントフォーク、オーリンズ製リアサスペンションなどを備えた「スラクストンRS」をベースに、特別なグラフィックを採用したものだ。モデル名となった“Ton Up”のTonとは“100”を意味する俗語。かつて、マン島TTレースで平均ラップスピードが100マイルを超えることは“Over the Ton”と呼ばれ、それはマシンの高性能ぶりやライダーの高いスキルを証明するものだった。加えて、当時ストリートレースに夢中になっていた“走り屋”たちも“トンナップ・ボーイズ”と呼ばれていたようだ。この特別モデルにはスペシャルカラーの燃料タンクに加え、専用デザインのグラフィックを取り入れたシートカウルも装備されている。
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30/36トライアンフ関連では、特別仕様車「ゴールドライン」シリーズも拡充されるという。2021年には「スピードツイン ゴールドライン」のみの展開だったが、2022年モデルではモダンクラシックカテゴリーの8モデルすべてに、職人によるハンドペイントのゴールドラインを含む特別カラーモデルがラインナップされる。写真は、そのゴールドラインシリーズの「ボンネビルT120」(手前)と「ボンネビルT100」(奥)。
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31/36トライアンフは、すでに発表していたミドルクラスのオンロードアドベンチャー「タイガースポーツ660」も出展した。2021年1月に発売され人気を博している3気筒のスタンダードマシン「トライデント660」をベースに、アドベンチャースタイルのツーリングモデルに必須となるサスペンション性能や、長距離走行における快適性、スポーツ性能が付与されている。トライアンフのアドベンチャーモデル「タイガー」シリーズのデザインを受け継ぎながら、「トライデント660」で感じたコンパクトさも維持。それにトライアンフ特有の並列3気筒エンジンのフィーリングが加われば、楽しいバイクであることは間違いないだろう。
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32/36ロイヤルエンフィールドは創立120周年を記念したスペシャルモデルを発表した。空冷並列2気筒エンジンの「インターセプター650」「コンチネンタルGT650」に特別なブラッククローム仕上げの外装を設定するとともに、ハンドペイントのゴールドラインや真ちゅう仕上げの専用エンブレム、サイドカバーグラフィックなどを採用している。マーケットごとに120台限定で販売予定だという。ブラッククロームの燃料タンクは一見、黒の単色のようだが、見る角度や光の強さなどでゴールド感が強まったりクローム感が強まったりと、さまざまな表情を見せる。
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33/36アメリカ・カリフォルニア生まれの電動バイクブランド「Super73」がEICMAに初めて参加した。ビーチクルーザースタイルの車体にモーターとペダルをセットしたこのモデルは、欧州や北米では“モペット”として登録されるため、ターゲットとなるユーザー層が幅広く、欧州でも人気が高まっているという。自転車と同じ変速機を持つユニークな車両は、サスペンションの有無やブレーキの仕様、グレード、リチウムイオンバッテリーの脱着機能の有無などでモデルが異なる。今回のEICMAでは、最新の4モデルが展示されていた。また同ブース内には、バイクとサーフカルチャーをミックスしたブランド「Deus Ex Machina(デウスエクスマキナ)」とのコラボモデルや、ドゥカティをオマージュしたカスタムモデルも展示されていた。
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34/36オーストラリアの電動自転車ブランドである「Stealth Electric Bike(ステルス・エレクトリック・バイク)」。2021年7月に、かつてMVアグスタを率いたジョバンニ・カステリオーニが立ち上げたCクリエイティブ社が株主に加わり、それまで民間と軍事用オフロード製品の開発を行ってきたステルス・エレクトリック・バイクが、より民間に重心を置いた製品開発を行うと発表した。その代表的アイテムが、この展示車両「B-52s」だ。ペダル操作を電気で補助する電動アシスト自転車としてはもちろん、アクセル操作で電動バイクとしても機能する、パワフルでワイルドなモペットである。同スタイルでペダルを持たない、完全なる電動オフロードバイクも展示されていた。
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35/362021年1月に、日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワ、日信工業が統合して誕生した「日立Astemo」もブースを展開。これまでもサスペンションブランドの「SHOWA」が「EICMA」に参加していたが、日立Astemoとしては(当然ながら)これが初参加となる。ブースには多数のエンジニアが立ち、同社の技術や、4社がひとつの会社にまとまったことによるシナジーを、一般の来場者はもちろんEICMAに参加する世界中の完成車メーカーにアピールしていた。
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36/362021年シーズンをもってロードレースからの引退を発表したバレンティーノ・ロッシ。今回の「EICMA」では、彼とのお別れイベント「One More Lap(ワン・モア・ラップ)」も開催された。屋外会場「Moto Live」で行われたそのイベントには、感染症対策のために抽選で選ばれた5000人のみが参加。ロッシはヤマハのWGP参戦60周年を記念したスペシャルデザインのMotoGPマシン「ヤマハYZR-M1」に乗って登場し、来場者を沸かせた。