-
1/719年にわたりレッドブルに在籍したエイドリアン・ニューウェイ(写真)が、2025年3月からアストンマーティンに加入することが2024年9月10日に発表された。マネージング・テクニカル・パートナーという肩書で、英国BBCが報道するところによれば年間3000万ポンド(およそ57億円)という破格の契約金に加え、成功報酬、株主としての参画などが織り込まれているという。(Photo=Aston Martin)
-
2/7ニューウェイがレッドブルに加入したのは2006年。それから4シーズン目、チーム創設からは5シーズン目にあたる2009年の中国GP(写真)で、レッドブルは悲願の初優勝を遂げた。セバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバーは、ニューウェイの手がけた「RB5」を駆り1-2フィニッシュを達成。これを機に120もの勝利を飾り、13のタイトルを獲得する強豪チームにまで成長、その成功を支えてきたひとりがニューウェイだった。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
-
3/7モナコGP優勝後に恒例となったプールダイビング。2018年にダニエル・リカルド(写真プール内)が優勝した際には、チーム代表のクリスチャン・ホーナーとニューウェイが肩を組んで豪快な飛び込みを決めてみせた。エナジードリンクメーカーがチームを持つこと自体とても斬新だった当時、レッドブルには躍動的で若々しさがみなぎっており、ホーナーもニューウェイもその雰囲気を心から楽しんでいたように見えた。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
-
4/7レッドブルの首脳陣。左からホーナー代表、スタードライバーのマックス・フェルスタッペン、ニューウェイ、そしてアドバイザーのヘルムート・マルコ。レッドブルの統帥ディートリヒ・マテシッツ亡き後、彼らの間にあったパワーバランスが崩れた可能性は十分にある。一説では、ホーナーはレッドブルの大株主であるタイ人チャルーム・ユーウィッタヤーを支持者としてつけている一方、マテシッツとじっこんだったマルコは、本社を率いるオリバー・ミンツラフCEOと信頼関係が築けず、またマルコ側にはフェルスタッペン親子がつくなど、チームの断片化が進んでいるとされる。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
-
5/7アストンマーティンは、オーナーのローレンス・ストロール(写真右から2番目)の強力なリーダーシップによりニューウェイ(同右から3番目)を獲得。ステアリングを握るのは、2度ワールドチャンピオンとなったフェルナンド・アロンソ(同左端)と、ローレンスの息子であるランス・ストロール(同右端)。(Photo=Aston Martin)
-
6/7レッドブルでホンダの実力を間近で見てきたニューウェイ(写真左端)。2026年から始まる「アストンマーティン・ホンダ」の組み合わせも大物デザイナーの選択に大きな影響を与えたはず。かつてレッドブルにパワーユニットを供給していたルノーに多くの不満を募らせていた苦い経験もあるからだ。レッドブルは2026年からレッドブル・パワートレインズ(RBPT)による自社製パワーユニットに切り替える予定であり、そこに一抹の不安も残る。ちなみにRBPTのCEOもホーナーが務めている。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
-
7/7マネージング・テクニカル・パートナーとして技術部門を率いるニューウェイの下には、元レッドブルの空力責任者だったテクニカル・ディレクターのダン・ファローズ(写真)、2025年にチーフ・テクニカル・オフィサーとして加入する元フェラーリのエンリコ・カルディレなどそうそうたる面々がそろう。ニューウェイがアストンマーティンの“最後のピース”だとしても、組織としてうまく機能させなければ勝利は望めない。優勝請負人の手腕が問われることになる。(Photo=Aston Martin)

柄谷 悠人
デイリーコラムの新着記事
-
トランプも真っ青の最高税率40% 日本に輸入車関税があった時代NEW 2025.9.17 トランプ大統領の就任以来、世間を騒がせている関税だが、かつては日本も輸入車に関税を課していた。しかも小型車では最高40%という高い税率だったのだ。当時の具体的な車両価格や輸入車関税撤廃(1978年)までの一連を紹介する。
-
スズキが未来の技術戦略を発表! “身近なクルマ”にこだわるメーカーが示した問題提起 2025.9.15 スズキが、劇的な車両の軽量化をかなえる「Sライト」や、次世代パワートレインなどの開発状況を発表。未来の自動車はどうあるべきか? どうすれば、生活に寄りそうクルマを提供し続けられるのか? 彼らの示した問題提起と、“身近なクルマ”の未来を考える。
-
新型スーパーカー「フェノメノ」に見る“ランボルギーニの今とこれから” 2025.9.12 新型スーパーカー「フェノメノ」の発表会で、旧知の仲でもあるランボルギーニのトップ4とモータージャーナリスト西川 淳が会談。特別な場だからこそ聞けた、“つくり手の思い”や同ブランドの今後の商品戦略を報告する。
-
オヤジ世代は感涙!? 新型「ホンダ・プレリュード」にまつわるアレやコレ 2025.9.11 何かと話題の新型「ホンダ・プレリュード」。24年の時を経た登場までには、ホンダの社内でもアレやコレやがあったもよう。ここではクルマの本筋からは少し離れて、開発時のこぼれ話や正式リリースにあたって耳にしたエピソードをいくつか。
-
「日産GT-R」が生産終了 18年のモデルライフを支えた“人の力” 2025.9.10 2025年8月26日に「日産GT-R」の最後の一台が栃木工場を後にした。圧倒的な速さや独自のメカニズム、デビュー当初の異例の低価格など、18年ものモデルライフでありながら、話題には事欠かなかった。GT-Rを支えた人々の物語をお届けする。
新着記事
-
NEW
スズキeビターラ
2025.9.17画像・写真スズキの電動化戦略の嚆矢(こうし)となる、新型電気自動車(BEV)「eビターラ」。小柄でありながら力強いデザインが特徴で、またBセグメントのBEVとしては貴重な4WDの設定もポイントだ。日本発表会の会場から、その詳細な姿を写真で紹介する。 -
NEW
第844回:「ホンダらしさ」はここで生まれる ホンダの四輪開発拠点を見学
2025.9.17エディターから一言栃木県にあるホンダの四輪開発センターに潜入。屋内全天候型全方位衝突実験施設と四輪ダイナミクス性能評価用のドライビングシミュレーターで、現代の自動車開発の最先端と、ホンダらしいクルマが生まれる現場を体験した。 -
NEW
アウディSQ6 e-tron(4WD)【試乗記】
2025.9.17試乗記最高出力517PSの、電気で走るハイパフォーマンスSUV「アウディSQ6 e-tron」に試乗。電気自動車(BEV)版のアウディSモデルは、どのようなマシンに仕上がっており、また既存のSとはどう違うのか? 電動時代の高性能スポーツモデルの在り方に思いをはせた。 -
NEW
第85回:ステランティスの3兄弟を総括する(その3) ―「ジープ・アベンジャー」にただよう“コレジャナイ感”の正体―
2025.9.17カーデザイン曼荼羅ステランティスの将来を占う、コンパクトSUV 3兄弟のデザインを大考察! 最終回のお題は「ジープ・アベンジャー」だ。3兄弟のなかでもとくに影が薄いと言わざるを得ない一台だが、それはなぜか? ただよう“コレジャナイ感”の正体とは? 有識者と考えた。 -
NEW
トランプも真っ青の最高税率40% 日本に輸入車関税があった時代
2025.9.17デイリーコラムトランプ大統領の就任以来、世間を騒がせている関税だが、かつては日本も輸入車に関税を課していた。しかも小型車では最高40%という高い税率だったのだ。当時の具体的な車両価格や輸入車関税撤廃(1978年)までの一連を紹介する。 -
内燃機関を持たないEVに必要な「冷やす技術」とは何か?
2025.9.16あの多田哲哉のクルマQ&Aエンジンが搭載されていない電気自動車でも、冷却のメカニズムが必要なのはなぜか? どんなところをどのような仕組みで冷やすのか、元トヨタのエンジニアである多田哲哉さんに聞いた。