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第51回:Zoom-Zoomのふるさとを訪ねる(その4)

2007.07.04 エディターから一言 本諏訪 裕幸
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第51回:Zoom-Zoomのふるさとを訪ねる(その4)

サーキットでも普段のクルマで

ホテルで1泊。
翌日は帰路に就くわけですが、その途中、マツダの自動車試験場に立ち寄ります。

ここは「美祢自動車試験場」。
どこかで聞き覚えがある……とお思いのかたも多いでしょう。
そう、かつてはMINEサーキットとしてフォーミュラニッポンやスーパー耐久レースに使われていた場所です。経営が思わしくなく閉鎖に追い込まれたところを、マツダが開発用の試験場として買い取ったわけです。

サーキット(試験場ですが)にきて、コースを走行できないなんてことはないだろうな……。という不安は、まったくもって無用でした。
数周ですが、好きなマツダ車で思いっきり走らせてくれたのです。

ここで重要なのは、用意されたクルマがさっきまで乗っていたクルマだということ。昨日は空港から本社まで、そして当日はホテルからここまで運転してきた、「ロードスター」「RX-8」「マツダスピードアクセラ」なのです。
日常だけでなく、そのままサーキットに持ち込んでも楽しめる……。そんなマツダ車のおもしろさを教えられたのでした。

ホテルを出る一行。
ホテルを出る一行。 拡大

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REは水素エンジンに有利

次に乗ったのは、水素ロータリーエンジンを備える「RX-8」。ガソリンと水素の両方を燃料とし、随時切り替えが可能という画期的なエンジンを持っています。

「かたくなにREか」と思うなかれ。実は水素を燃料とした場合には、エンジンの機構的にもレシプロよりREが有利とのことでした。細かい説明をすると長くなりますが、燃焼室と吸気室が違うREは、水素の異常燃焼が起こりにくいというメリットがあるそうです。さらに構造的にインジェクターの設置スペースも確保できるとか。
既存のREを使うことで開発コストも安くなり、さらにガソリン噴射も残しているところは、かなり現実的な環境対応技術と言えましょう。

まあうんちくはさておき乗った印象ですが、水素使用時のパワーは大まかにガソリンの半分(105ps)で力強さは感じられず、エンジン音も気持ちいいものとは言えません。しかし水素を分解して電気で走る燃料電池車と違い、回転が上がるフィールが残されていることで、運転の違和感はありませんでした。

環境のためには贅沢は言ってられないという意見もあるでしょうが、ZOOM-ZOOMを提唱するマツダであるからこそ、そういうことも期待してしまうわけです。


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ガソリンのフューエルリッドは通常通り右側に残され、水素は左側から補給することになります。つまり、この左側のパネルはワンオフ!
なお、水素タンクはトランクルームに積まれるため、荷物の積載はかなり制限されます。
ガソリンのフューエルリッドは通常通り右側に残され、水素は左側から補給することになります。つまり、この左側のパネルはワンオフ!なお、水素タンクはトランクルームに積まれるため、荷物の積載はかなり制限されます。 拡大

熱い町、広島

最後のイベントはパイロンスラローム。しかしただ走るだけではなく、トランクリッドにパイロンを一つ乗せて走ります。いかに穏やかに、かつ速く走るかという技術を競います。まあいわゆる「コップの水をこぼさずに……」な走行が必要になるわけです。

「大切な人を急いで、しかし丁寧に病院に運ぶように」とアドバイス(?)を受け、そのイメージで走り抜けた結果は、全26人中2位。どうやら私は大切な人を助けることができそうです(笑)。

試験場でのイベントも終了。ここからは皆、先ほどのイメージを引きずってか、同乗者を守るかのように北九州空港まで安全運転をしていたように思います。

***

今回の研修では、あらゆる体験でマツダ車のZOOM-ZOOMを感じられました。しかし、それ以上に印象的だったのは、マツダ社員の情熱、そして広島の企業であるという誇りです。エンジニアだけでなく、東京採用の文系社員まで、「広島大好き!」「マツダ大好き!」だったのです。

「今日を生きられなければ、明日を生きられない」どん底状態から、2006年は過去最高益を更新するまでに回復した企業の力は、ここにあったようです。絶対の求心力を持つREを中心に、社員、そして市民までもが手をつなぎ、マツダを応援しているように感じました。

ZOOM-ZOOMのふるさと、広島は、熱い町でした。
(終わり)

(webCG 本諏訪)

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