「エンジンが冷えているとバラバラバラと音がするのはなぜ?」
2007.05.12 クルマ生活Q&A エンジン「エンジンが冷えているとバラバラバラと音がするのはなぜ?」
4万kmを走行したコンパクトカーを、中古で購入しました。エンジンが冷えていると「バラバラバラ」とかなり大きな音がして、しばらく走ると静かになります。どこかおかしいのでしょうか?
お答えします。エンジンが温まると音が小さくなるのでしたら、油圧系統の調整機構に問題が生じている可能性があります。具体的にいうと、タイミングチェーンの油圧テンショナー、あるいはタペットのラッシュアジャスターあたりが考えられます。
音は金属同士が当たることで発生していますが、その隙間が大きかったり、場所によりムラがあることで、バラバラと音が大きくなります。
エンジンが温まってオイルが柔らかくなってくることで、当たっている部分にオイルが入り込んでうまく動くようになることがあります。しばらく走ると静かになるのはそういう理由だと思います。
ただ、音が小さくなってもエンジンがスムーズに動いていないことは確かですから、放置しておくとダメージがふくらむことになりかねません。早急に点検することをお勧めします。
試乗する時にはエンジンが温めてある状態のことが多いので、気づかなかったのかもしれませんね。中古車を購入する際には、一度は冷えた状態で乗ってみることが大切です。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。