最近のクルマはROMチューンできない?

2007.04.28 クルマ生活Q&A 松本 英雄 エンジン
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最近のクルマはROMチューンできない?

エンジンのROMを交換してパワーやトルクアップを図るチューニングがありますが、その場合ESP、TRC、ABSなどの設定も変更したほうがいいのでしょうか?

お答えします。昔はショップで手軽にROMチューンをやってくれましたね。昔のクルマの制御系は単純で、エンジンの出力特性は簡単に変えられました。エアフロセンサーで空気の入ってくる量を感知し、それに対して燃料の量を調節して出力をアップさせたりしていたのです。

でも、現在のエンジンは、複雑な電子制御をすることが多くなっています。電子スロットルや可変バルブタイミング機構がついて、精密な制御を行うことができるようになりました。また、トラクションコントロールや横滑り防止機構などの安全装備も統合制御されています。
それらがすべて絡み合ってプログラミングされていて、とても複雑なものになっています。書き換えなければならないデータ量は、飛躍的に大きくなっているのです。

だから、メーカーからプログラムの提供を受けない限り、個人のショップレベルではROMチューンは簡単にはできなくなってきています。しかも、大幅にパワーアップさせるというようなことは難しいでしょう。

パワーアップができたとしても、そのほかの部分で何かが犠牲になることは避けられません。レース用ならば仕方ありませんが、街乗りのクルマでは全体のバランスということを考えると、メリットは少ないでしょう。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。