新型「GTR」のスパイビデオに、全米が騒然!?
2007.04.14 自動車ニュース新型「GTR」のスパイビデオに、全米が騒然!?
アメリカのサーキットで開発テストを重ねる新型GTR。そのスパイビデオが、現地で話題になっているという。
■「Do you know Mr.Toshio Suzuki ?」
先日のニューヨーク自動車ショー会場で、知り合いの米国人ジャーナリスト数人からそう聞かれた。彼らジャーナリストによると、大手自動車ウェブサイトの『edmunds.com』のスパイビデオコーナーにある新型「GTR」の映像で、Toshio Suzukiの華麗な走りが注目されているというのだ。
この映像の説明文として、Toshio Suzukiの経歴が「F3チャンピオン、ルマン24時間、デイトナ24時間に日産ファクトリーチームから参加」などと詳細が書かれている。
Toshio Suzukiとは、鈴木利男氏のことである。
日本の自動車メディア界では、新型GTRの開発ドライバーとして鈴木氏の存在は“公然の秘密”となっているが、新型GTR関連記事でその実名が記載されることはなかった。
■まるで「GTRの広報ビデオ」
さて、彼が走行しているシーンは、今年2月中旬に北カリフォルニアで撮られたもの。
1つ目が、モントレー市近郊のラグナセカレースウェイ。比較車両の「ポルシェ911ターボ」を追いつつ、名物コークスクリューを全開で駆け下りるシルバーの新型GTRが映っている。
そして、最終コーナー。インフィールドコーナーなど、新型GTRの動きの詳細がハッキリとわかる映像が続く。日産開発陣たちがピットで記念撮影している様子も映っている。
さらに新型GTRは、サンフランシスコ郊外のワイン名産地で知られるナパバレーに移動。インフェニオンレースウェイ(旧シアーズポイント)でも同様の、テスト走行をしている模様が撮影される。
その他、LA近郊フリーウェイでの併走撮影までも成功している。
うがった見方をすれば、「まるで広報用ビデオ」と思えるほど、一連のスパイビデオは新型GTR開発部隊を密着取材している……。
それにしても、どうしてこれほどまでに新型GTRの映像が流れているのか? その理由は簡単。現在、『edmunds.com』でもっともクリックされているクルマが新型GTRだからだ。
■480psも視野に
先ごろ、2007のニューヨークショーでは、「インフィニティG37スポーツクーペ」が公開された。
実はこのクルマ、今年1月のデトロイトショー開催時、日産のプライベートパーティでお披露目された。筆者も含めた米国人ジャーナリストたちは「4月ニューヨークショーまでエンバーゴ(記事公表期限)を守ること」という誓約書にサインしていたのだ。そのため、今回のショー会場での米国人ジャーナリストの話題はインフィニティG37を飛び越え、新型GTRへと到達していた。
彼らはこんな噂を口にした。
「3.8リッターV6ツインターボで決定したようだ」
「450psは確実で、470どころか480psも視野に入っているらしい」
こうした噂は、すでに日本のGTR専門誌が報じている内容と合致する。そこで、インフィニティG37スポーツクーペの開発担当者やデザイン担当者に新型GTRの話題を振ったが……「ハハハ、そういうクルマもありますね」と、適当にごまかされてしまった。
なにはともあれ、新型GTRの最大のお得意先になるであろうアメリカで話題沸騰なのはいいことだ。
新型GTRは今後、ドイツ・ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェで詰めのテストを行い、10月の東京モーターショーでの世界デビューへと向かう。
(文=桃田健史(IPN))
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