第36回:「アルファ8Cコンペティツィオーネ」です(3)
2007.04.07 エディターから一言第36回:「アルファ8Cコンペティツィオーネ」です(3)
トランスアクスル
500台限定のスーパーアルファ「アルファ8Cコンペティツィオーネ」の発表会にて。クルマを間近で見ていたら、若い女性から声をかけられた。
「すいませーん。トランスアクスルって、ドレですか?」
皆さまご存知の通り、アルファ8Cコンペティツィオーネは、4.7リッターV8(450ps、47.9kgm)からの出力を、トランスアクスル方式を採る2ペダルの6段MTを介して後輪に伝達する。きっとどこかの編集部の“デスク”から、8Cコンペティツィオーネのキーワードが列挙されたメモを渡されて、「コレ撮って来て」と派遣されたんでしょう。
「トランスアクスル」とは、ギアボックスをリアのデファレンシャルと一体化したレイアウトの名称。そうすると重いギアボックスが車体後部に吊られることになるので、前にエンジンを置く後輪駆動車の場合、前後の重量バランスがよくなって運動性の向上に貢献するんです……みたいなことを言ってもかえって混乱しそうだったので、
「車体の裏ですよ」とドアの下あたりを指さすと、「あ、そうなんですかあ」といって去っていきました。さようなら。
残されたエディターは、「アルファ8Cのトランスアクスルとは、つまりマセラティの“カンビオコルサ”改め“デュオセレクト”のことですな」とひとりでブツブツ言いつつ、気になったのでボディのリアから裏側をのぞきこむと、アンダーカバーに隠れてギアボックスやデフはほとんど見えない。
サスペンション
【写真・上】
せっかくなので、足まわりを撮ってみました。
こっちはフロントサスペンション。絵に描いたようなダブルウィッシュボーン/コイルですね。アルミ鍛造のアーム類がりりしい。
車高の調整ができるみたいです。
【写真・下】
はい、リアサスペンション。
アッパーがリンク(棒)になっているようですが、これはコントロールリンク。その上にウィッシュボーンタイプのアッパーアームがあります。
こちらのアーム類もアルミですね。
……と、狭いクリアランスに手を差し入れて、いつしか夢中になってシャッターを押していたら、顔をあげたとたん、知り合いのカメラマンに笑われた。
「アオキさーん、アタマ、踏んづけられますよ」
(webCGアオキ)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
-
第849回:新しい「RZ」と「ES」の新機能をいち早く 「SENSES - 五感で感じるLEXUS体験」に参加して 2025.10.15 レクサスがラグジュアリーブランドとしての現在地を示すメディア向けイベントを開催。レクサスの最新の取り組みとその成果を、新しい「RZ」と「ES」の機能を通じて体験した。
-
第848回:全国を巡回中のピンクの「ジープ・ラングラー」 茨城県つくば市でその姿を見た 2025.10.3 頭上にアヒルを載せたピンクの「ジープ・ラングラー」が全国を巡る「ピンクラングラーキャラバン 見て、走って、体感しよう!」が2025年12月24日まで開催されている。茨城県つくば市のディーラーにやってきたときの模様をリポートする。
-
第847回:走りにも妥協なし ミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」を試す 2025.10.3 2025年9月に登場したミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」。本格的なウインターシーズンを前に、ウエット路面や雪道での走行性能を引き上げたという全天候型タイヤの実力をクローズドコースで試した。
-
第846回:氷上性能にさらなる磨きをかけた横浜ゴムの最新スタッドレスタイヤ「アイスガード8」を試す 2025.10.1 横浜ゴムが2025年9月に発売した新型スタッドレスタイヤ「アイスガード8」は、冬用タイヤの新技術コンセプト「冬テック」を用いた氷上性能の向上が注目のポイント。革新的と紹介されるその実力を、ひと足先に冬の北海道で確かめた。
-
第845回:「ノイエクラッセ」を名乗るだけある 新型「iX3」はBMWの歴史的転換点だ 2025.9.18 BMWがドイツ国際モーターショー(IAA)で新型「iX3」を披露した。ざっくりといえば新型のSUVタイプの電気自動車だが、豪華なブースをしつらえたほか、関係者の鼻息も妙に荒い。BMWにとっての「ノイエクラッセ」の重要度とはいかほどのものなのだろうか。
-
NEW
トヨタ・カローラ クロスGRスポーツ(4WD/CVT)【試乗記】
2025.10.21試乗記「トヨタ・カローラ クロス」のマイナーチェンジに合わせて追加設定された、初のスポーティーグレード「GRスポーツ」に試乗。排気量をアップしたハイブリッドパワートレインや強化されたボディー、そして専用セッティングのリアサスが織りなす走りの印象を報告する。 -
NEW
SUVやミニバンに備わるリアワイパーがセダンに少ないのはなぜ?
2025.10.21あの多田哲哉のクルマQ&ASUVやミニバンではリアウィンドウにワイパーが装着されているのが一般的なのに、セダンでの装着例は非常に少ない。その理由は? トヨタでさまざまな車両を開発してきた多田哲哉さんに聞いた。 -
2025-2026 Winter webCGタイヤセレクション
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>2025-2026 Winterシーズンに注目のタイヤをwebCGが独自にリポート。一年を通して履き替えいらずのオールシーズンタイヤか、それともスノー/アイス性能に磨きをかけ、より進化したスタッドレスタイヤか。最新ラインナップを詳しく紹介する。 -
進化したオールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2」の走りを体感
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>欧州・北米に続き、ネクセンの最新オールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2(エヌブルー4シーズン2)」が日本にも上陸。進化したその性能は、いかなるものなのか。「ルノー・カングー」に装着したオーナーのロングドライブに同行し、リアルな評価を聞いた。 -
ウインターライフが変わる・広がる ダンロップ「シンクロウェザー」の真価
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>あらゆる路面にシンクロし、四季を通して高い性能を発揮する、ダンロップのオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」。そのウインター性能はどれほどのものか? 横浜、河口湖、八ヶ岳の3拠点生活を送る自動車ヘビーユーザーが、冬の八ヶ岳でその真価に触れた。 -
第321回:私の名前を覚えていますか
2025.10.20カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。24年ぶりに復活したホンダの新型「プレリュード」がリバイバルヒットを飛ばすなか、その陰でひっそりと消えていく2ドアクーペがある。今回はスペシャリティークーペについて、カーマニア的に考察した。